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高齢者に対するフェキソフェナジンの安全性をどう評価する?

 アレルギー専用鼻炎薬の中でも、売上高が上位のOTC医薬品として、フェキソフェナジン(商品名:アレグラFX他)を挙げることができます流通ニュース.POS分析.2023。フェキソフェナジンは、2012年に医療用医薬品からOTC医薬品に転用され、当初は第1類医薬品に該当していました。しかし、2016年には第2類医薬品にリスク区分が変更され、登録販売者でも取り扱える医薬品となっています。
 2017年には小児用アレルギー専用鼻炎薬として、フェキソフェナジン30㎎を含有したアレグラFXジュニアも発売(当初は第1類医薬品)されており、2021年には第2類医薬品にリスク区分が変更されました。
 
 なお、医療用医薬品のフェキソフェナジンは、アレルギー性鼻炎の他、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒に適用があります。しかし、OTC医薬品のフェキソフェナジンでは鼻のアレルギー症状のみの適用となっています。
 
 医療用医薬品のフェキソフェナジンにおいて、禁忌項目は「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」のみとなっており、また、併用注意の項目としてエリスロマイシン水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤が挙げられているものの、併用禁忌に該当する薬剤はありません
 一方で、OTC医薬品のフェキソフェナジンでは、制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)およびエリスロマイシンとの併用は「してはいけないこと」に該当しています。その他、OTC医薬品のフェキソフェナジンに関する禁忌項目は製剤添付文書をご確認ください。
 
【参考】PMDA: 一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索 :アレグラFX

  以下では、OTC医薬品のフェキソフェナジンとして、主に「アレグラFX」の販売対応を前提に、高齢者に対する安全性を語るためのロジックとエビデンスを整理します。

 添付文書上の「高齢者(相談すること)」をどう考える?

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