古き良き薬!? 長年にわたり日本人に親しまれてきた正露丸の実力とは?
先週に公開したOTC医薬品の記事では、古き良き薬として、実に半世紀以上の歴史を誇るオロナインH軟膏を取り上げました。
古き良き薬が好きなわけではありませんけど、シリーズ第2弾として、「正露丸」を取り上げたいと思います。正露丸もまた、オロナインH軟膏と並んで、日本人なら多くの人が知っているOTC医薬品かと思います。その歴史もオロナインH軟膏の倍、実は100年以上もの販売実績を有します。
大阪の薬商であった中島佐一氏が、大阪府より「忠勇征露丸」の売薬免許を取得したのが1902年のことです。当時は「正露丸」ではなく、「征露丸」という名称で販売されており、1904年の日露戦争時には、征露丸を全軍人に配布したという記録が残っているそうです。
太平洋戦争終結後の1949年、ロシアを征するという意味の名称は国際関係上、好ましくないことから「正露丸」の名称に改められました(正露丸あれこれ話:製品ヒストリー)。
そんな古き良き薬の代名詞的な存在でもある正露丸ですが、同薬の製剤添付文書には、「相談すること」に多数の記載があります(正露丸;製剤添付文書)。
今回は、正露丸の有効性や安全性に対するエビデンスを整理しつつ、「相談すること」に該当している高齢者に着目し、同薬の販売ロジックをまとめます。
正露丸の主成分、木クレオソートとは?
ここから先は
2,596字
/
2画像
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?