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「読書感想文」

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図書館で、あるいは本屋さんで出会った本たちとの時間をエッセイ風に。ジャンルはさまざま、その時の興味や関心に、素直に手に取り、呼応する自分の声を綴ります。
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#江國香織

【読書感想文】川のある街

朝日新聞出版 江國香織 著 望子は小学生三年で、母と暮らしている。時々、離婚した父こんち…

藤本 柊
3か月前
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【読書感想文】シェニール織とか黄肉のメロンとか

江國さんの描く女性だなぁ、と胸を踊らせながら読みました。 立場も考え方も性格も違う、「三…

藤本 柊
8か月前
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【読書感想文】家と庭と犬とねこ

石井桃子さんのエッセイ集です。 私の好きな作家、江國香織さんは石井桃子さんが好きで、エッ…

藤本 柊
10か月前
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【読書感想文】泣かない子供

江國香織さんが、24歳から32歳ころ8年越しで書かれたエッセイです。 彼女の「言葉」に対する…

藤本 柊
10か月前
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「読書感想文」犬とハモニカ

江國香織さんの川端康成文学賞 受賞作です。 たとえば、パスタを出すお店ならば「ペペロンチ…

藤本 柊
1年前
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ひとりでカラカサさしてゆく 「読書感想文」

大晦日の夜のこと。 宮下佐知子 八十二歳、 篠田完爾 八十六歳、重森勉 八十歳 の三人がホテル…

藤本 柊
1年前
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「読書感想文」物語のなかとそと

江國香織さんの散文集です。 物語を読んでいる間、私の身体はそこにあるのに、私は物語の中にいる。この散文集を読んでいる間、私の身体はこたつに入ったり、お湯を沸かしたり、ストーブの前でくるんとしていたりするのだが、私は江國香織さんと話しているのだ。美味しいものについて、パンに、お風呂に、旅について。江國さんは、嘘のように本当を話し、本当のように心地いい嘘をつく。あたたかいスープをすするように、ゆっくりと味わいながら、彼女の話を聞いているのだ。 お正月がおわり、時計がいつもの冷