マガジンのカバー画像

「読書感想文」

38
図書館で、あるいは本屋さんで出会った本たちとの時間をエッセイ風に。ジャンルはさまざま、その時の興味や関心に、素直に手に取り、呼応する自分の声を綴ります。
運営しているクリエイター

#読書感想文

【読書感想文】川のある街

朝日新聞出版 江國香織 著 望子は小学生三年で、母と暮らしている。時々、離婚した父こんち…

藤本 柊
9日前
28

【読書感想文】ノルウェーの森 上下

村上春樹 1987年講談社刊 うつぶせに寝転び、小説の頁…

藤本 柊
2週間前
26

【読書感想文】螢・納屋を焼く・その他の短編

村上春樹さんの初期のころの短編集です。 夕方まで一緒にビリヤードをしていた友人が、その夜…

藤本 柊
4か月前
28

【読書感想文】黄色いマンション 黒い猫

なんてったってアイドルで、俳優で、舞台プロデューサーで、そして執筆のお仕事もする、キョン…

藤本 柊
1か月前
43

【読書感想文】シェニール織とか黄肉のメロンとか

江國さんの描く女性だなぁ、と胸を踊らせながら読みました。 立場も考え方も性格も違う、「三…

藤本 柊
5か月前
26

【読書感想文】すみれ荘ファミリア

本屋大賞受賞作家、凪良ゆうさんの加筆修正と、「表面張力」という短編が収録された一冊です。…

藤本 柊
6か月前
30

【読書感想文】家と庭と犬とねこ

石井桃子さんのエッセイ集です。 私の好きな作家、江國香織さんは石井桃子さんが好きで、エッセイなどでよく彼女の文章のすばらしさを書かれている。私も、幼稚園のころから「ピーターラビット」シリーズを読んで、お正月のたびに買ってもらって、 「びあとりくすぽたーさくいしいももこえ」と一息に言えるほど大切にしていたから、石井桃子さんの文章は、根付いていると言ってもいいと思う。 そんな石井桃子さんの、戦中、若い時分からの日々を綴るエッセイ。 読んでいくと、彼女がなぜあんなにも情緒豊か

【読書感想文】晴れ、時々くらげを呼ぶ

鯨井あめさんのデビュー作です。 装丁の綺麗な写真と「くらげ」、がとても気になって手に取っ…

藤本 柊
7か月前
35

【読書感想文】泣かない子供

江國香織さんが、24歳から32歳ころ8年越しで書かれたエッセイです。 彼女の「言葉」に対する…

藤本 柊
7か月前
22

[読書感想文]ROW&ROW

村山由佳さんの恋愛長編小説です。 主人公は43歳、広告代理店に勤めるデキる女涼子。夫は3つ…

藤本 柊
8か月前
23

「星の王子さま」と私。

私は大人になってしまった。 10代の頃この本を読んで、心に熱いものが灯ったのを憶えている。…

藤本 柊
8か月前
39

[読書感想文]ひとり暮らし

詩人 谷川俊太郎 さんのエッセイです。 私の中の「谷川俊太郎」という作家のイメージは、こど…

藤本 柊
9か月前
95

【読書感想文】妻を帽子とまちがえた男

脳神経科医のオリヴァー・サックス博士の医学エッセイです。 きわめて特殊な視覚的失認症の例…

藤本 柊
10か月前
15

「読書感想文」神様のビオトープ

「流浪の月」「汝、星のごとく」など、本屋大賞を受賞された凪良ゆうさんの「原点」とも言われる作品。 事故死してしまった夫「鹿野くん」の幽霊と暮らす、うる波。彼女はたとえ、鹿野くんが幽霊だとしても、二人の暮らしが幸せだ。 若くして夫に先立たれた未亡人の彼女を、まわりは哀れみや同情や、腫れ物に触れるような優しさをむけるけれど。 アナフィラキシーショックで佐々くんを亡くした千花ちゃんと、うる波との違いはなんだろうか。傍から見れば、似たようなケースだけれど、うる波は「千花ちゃんとは