25.BOSS戦

 木の棒を片手に小鬼を退治していた村人は、見守ってくれる仲間を増やし、装備を集め、技術を磨き、気づけばリーダーになっていた。

 道中に蔓延るバグの群れや迷宮の罠に苦戦を強いられながらも、辿り着いた部屋はBOSS部屋と呼ばれる本番(環境)での戦い。

――何も恐れるものはなかった。

 やれるだけの準備はしてきた。あとは自らが作った攻略本とともに正しいことを証明するのみだった。しかし、想定外というのは想定していないことが起こるもの。それはこれまでの旅路の過程で嫌というほど体験している。

 だから絶対に問題がなくできるという自信はなかった。でも、問題が起きた時に対処できる自信はあった。

 この扉の向こうには、BOSSが頬杖をつきながら待っていることだろう。

 どれだけ長丁場になろうとも今日ここで決着をつける。
 それだけの覚悟を持って今の自分はここに立っている。
 
 仲間たちとともにしたこの3か月弱で、ITジャングルを彷徨っていただけの自分とはもう比較にならないほど成長を遂げた。自信は十分ある。

 だが、最後のこのBOSS戦は一人で成し遂げなければいけない試練だ。なぜならBOSS攻略の進捗率を上げられるのは自分しかいないのだ。

 仲間に見守られながら私は一歩ずつ前へと進む。

――そして私はBOSS戦への扉を開いた。

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登場人物
IT戦士を目指す人 堂城一斗(たかぎ かずと)
※この話は完全なフィクションです。
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