連想とメタファーの構造

構造Ⅰ ガラガラポンの構造 shake
⇒瀬戸賢一のメタファーの構造を援用して、メタファーを分類してみる。縦軸を、アナロジー(類推)、メタファー(比喩)、アレゴリー(寓喩)とし、横軸を、メニトミー(近接関係)、シネクドキ(包含関係)としてみる。さまざまな種類のメタファーがガラガラポンされることで自動連想が生まれると考えてみる(図1 を参照)。

構造Ⅱ 穴あきチーズと骨組みの構造 space / frame
⇒穴あきのメッセージを伝えることで、相手の無意識が埋める何かに任せる。または、類似した構造のメッセージを伝えることで、その骨組みから相手が何かを組み立てることに任せる。

構造Ⅲ とんちとなぞかけの構造 confusion & Surprise
⇒答えのない説明や、何をといている(問いている状態と解いている状態の両方を含む)のか、わからない質問をすることで意識を混乱させる。もしくはデフレーミングさせる。このとき自らも少なからず混乱、健忘、解離の状態にある。

構造Ⅳ こうであるし、こうでもあるの構造 double bind / oxymoron
⇒相手の意識を観察し視えてきたことを材料に意識のこうであるというセオリーを視る。そして、相手の無意識を診てこういうこともあるというセオリーを診る。視ることと診ることをくり返しながら、こうであるセオリーとこういうこともあるというセオリーのズレを逸話というメッセージで伝える。意識に上がれば混乱し、無意識に下がれば没入していく。

※こうでもあるし、こうでもある構造には、compose(部分が全体を構成する)と、comprise(全体が部分を構成する)といった関係や、包含(implicate)や集合(A かつ B、A または B の混同)などの働きにも繋がってくる

構造Ⅴ 散りばめとすべりこみの構造 embedded&interspersal
⇒会話のなかに散りばめられたメッセージ、もしくは無意識が開いたタイミングでメッセージがすべりこむ。こちらも、意識に上がれば混乱し、無意識に下がれば没入していく。

構造Ⅵ 逸話、象徴、擬音の構造 anecdote / symbols / onomatopoeia
⇒逸話・象徴・擬音や擬態は概念化される前の前概念であり、身体感覚と概念の間にある言葉である。概念化される前のものを、概念化せずに扱える。

構造の機能を以下の 9 項目と考えてみる
①confusion & surprise(混乱・驚愕させて文脈を外す)
②shake (入れ物ごと振る)
③interspersal(滑り込み)
④embedded(散りばめ)
⑤space(穴あき)
⑥frame(骨組み)
⑦double bind(二重拘束)/ oxymoron(矛盾)⇒ compose(部分が全体を構成する) / comprise(全体が部分を構成する)⇒implicate(包含)…etc.
⑧anecdote(逸話) / symbols(象徴) / onomatopoeia(擬音語)

※③と④、⑤と⑥は相対的に、①と②は相似的に関係性がある。
⑦は意識から無意識へ働きかけ、⑧は無意識から意識へ働きかける。

図 1 メタファーの構造

瀬戸賢一(1995)『メタファー思考』講談社現代新書を参考に筆者が作成

参考文献
瀬戸賢一(1995)メタファー思考,講談社.
中島央(2018)やさしいトランス療法,遠見書房.
ディビッド・ゴードン(2014)NLPメタファーの技法,実務教育出版.


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