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飲食店は、電話対応AIのUXの悪さで機会損失をしているかもしれない

問い合わせ対応減らしたいし、電話対応AIを使おうかな?と思っている飲食店の方へ。

お嬢です。本業でAI活用企画をやっています。UXデザインも勉強してます。

UXデザインって基本、お客さんや使っている人や見てくれる人を起点にして、その人たちが心地良くなるように考えようということだと思っています。
思っていますが、身近な韓国料理屋さんの電話注文時に、AI対応のUXの悪さを感じることがあったので書いてみます。


👩電話で韓国料理のテイクアウトの注文がしたかった

お嬢はある日、近所の韓国料理屋さんに電話をかけました。
テイクアウトしたかったのですが、いつも注文してから20分くらいかかるので、電話で先に注文して取りに行こう〜と思っていたんです。

ぷるるるるー

📞「(お店の名前)、AIスタッフの⭕️⭕️です!弊社はお問い合わせ対応のためにAI電話対応を導入しています…」

私はそっと電話を切りました。
めんどくさくて。

AIを導入していようがしていまいが、ユーザーにとってはぶっちゃけどうでもいい

AIがもてはやされている昨今、「ウチの会社でもAI使わなきゃな〜」みたいなことあると思います。あると思うんですけど、けっきょく電話ではテイクアウトの注文には辿り着けませんでした…。

これだったらまだ、従来の

📞「(店の名前)です。テイクアウトの方は1を、予約の方は2を押してください。それ以外の方は3を押してください」
📱「1」

のほうがまだいい体験です。AIじゃなくてもいいじゃないか。。。

私はテイクアウトの注文をすぐにしたいだけだったのに、AIの最初の15秒程度の挨拶のせいで電話注文する気をなくし、電話を切ってしまったわけです。

そして近所だったので直接足を運び、店頭で注文し、適当に20分時間をつぶしてお弁当を受け取りました。
近所だからできることだよ⭐️遠かったら諦めてます。

AI対応というのがバレないほうがまだいい場面もある

私はなにかしらの問い合わせをしたときに、AI対応だけで解決したことがほぼなく、チャットボットでも電話でもAIが対応します!というのには少し警戒してしまいます。

簡単な問い合わせだったら「このページを見てね」で良いと思うんですが、私はサポートサイトを見ても解決しなかった時に電話するので、結局有人対応に回されることが多いのです…。

まだ、初手の切り分けにだけAIをさりげなく使ってくれる、くらいのほうが抵抗感がありません。

なんでこんなことが起こってしまうんでしょうか?

AIを売るベンダー、AIを買うお店、AIを使わされるお客さん。その目的はなんのため?

今回のケースではおそらく、お店の電話のお問い合わせ対応を減らすためだったんだと思います。たしかにその目的は達成されました。
客である私が電話を切ってしまうということによって…。

しかしそうすることで売上の機会損失になってしまうこともあります。

今回はたまたま近所だったので直接いきましたが、遠かったら諦めていたと思います。

弊社COOから学んだことの一つに、業務改善は売上や利益のためのもの、システム入れて便利になってよかったねはよくある間違いで、会社の売上や利益を上げるためにシステムを活用してね、という教えがあります。

AIベンダー「AIみんな使って!問い合わせ対応減らせるよ!」
お店の人「お問い合わせ対応減らしたいし、AI使おう」
お客さん「AIの問い合わせ対応がめんどくさいから、もう電話しない」

でいいんでしょうか?
もちろんお店が、電話ではテイクアウトの注文を受け付けたくないという方針だったらべつに大丈夫なのですが…。
美味しいから、AI対応でお店を嫌いになるとかはないけど、もったいないなーとは思います。

売上を上げるという目線で考えてAIを使うとよりよい活用ができるかも

今回の場合は「AIです!」という挨拶を削ってもらえたら電話を切ることはなかったと思います。だって美味しいし、食べたいし。
たとえば、

📞「(店名)です。
テイクアウトですか?予約ですか?」

👩「テイクアウトです」

📞「わかりました。
ホームページにテイクアウト用の
注文番号がありますが、
おわかりでしたら番号を押してください」

📱「333」

📞「承知しました。
333の注文番号は、プルコギ弁当ですね。
20分程度お時間がかかりますが、
大丈夫ですか?」

👩「大丈夫です」

📞「電話番号は、いま
かけていただいているお電話番号で
よろしいですか?」

👩「はい」

📞「では20分後に、店頭で
プルコギ弁当を用意して
お待ちしております」

くらいのスムーズさだったら、電話注文でAI使われても抵抗はありません。

上記のケースのポイントは、AIがどうこうではなく、お客さんにとってどうなのか?ということ

  • 「AIが対応してます!」というのを前面に押し出さないことで、お客さんの離脱を防ぐ

  • 番号形式で入力できるようにすることで、お客さんの言い間違いや、AIの聞き間違いを防ぐ

  • だいたいの待ち時間を注文番号ごとに設定して伝えることで、お客さんは⭕️分後に行けば良いんだなーとわかる

  • 電話番号はかけている番号を読み取って、お客さんがいちいち番号を打たなくてもいいようにする

※これは私がこうなったらいいなーと思うことであり、n1の意見なので、AIベンダーはもっと詳しくUX調査した方がいいと思います。

というか、AIだーAIだーって言って、主張が強すぎると、ベンダーのエゴを感じるし、お店はAIを使ってるってアピールしたいのかな…。
でも、こっちはただ美味しいプルコギが食べたいだけなんです…。

また書きます。

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