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改めて、ハッシュタグについて考えてみる

知り合いのマーケターからシェアされた某Twitterキャンペーンで起こっていた、とある出来事。

キャンペーン名まではbad caseではあるので明かさないが、いわゆる働く女性のたくましさ、強さを賞賛する系のキャンペーン(fempowermentと言ったりするみたい)で、Twitterでもよくある、スローガン系のハッシュタグが展開されていたのですが、この時点で何となく焦げ臭いな..と思っていました。

そうなんです。この手のfempowerをencourageする系のハッシュタグキャンペーンは日本のTwitterとは親和性が非常に悪い。炎上せずとも、アンチがハッシュタグとともに否定的な意見をツイートするものなので、施策中〜終了までのレポートにはどうしてもノイズが入ってしまうのです。

この手のキャンペーンのミスリーディングは、企画〜運用する側がハッシュタグという機能の本質を理解してない事で発生してしまうのだと思います。では、2019年の現在における、Twitterでのハッシュタグとは、どんな意味を持ち、どんな機能を備えているのでしょうか?


ハッシュタグの本質は、ただのラベリング
ハッシュタグの機能とは非常にシンプルで、テーマ・ジャンルに関連のありそうな投稿を束にするためのラベルのようなものなんだと思います。

ですので、そのラベルをつけたからと言ってそのハッシュタグを見たTwitterユーザーが同じハッシュタグをつけて投稿したり、リツイートしたくなるか?というとそこにはあまり相関性はありません。

実際に見てみましょう。

上記は2019/3/1〜2019/3/31までのTwitterのトレンドランキングをTwTimezを使用して日別に集計をした結果です。

題して"つけたら伸びる#(ハッシュタグ)6選"なのですが、実態を明かすとこれらのハッシュタグを集計し、トレンドに掲載された回数・数を出したところ、

Twitterトレンド 掲載ワード数:310 (3/1〜3/31までのトップ10の合計)
うち、掲載されたハッシュタグの数:52
(*診断メーカー、フォロー&RTCPは除く)
であり、全体で言うところの約17%しか占めていない事が分かりました。

つまり、バズらせるのにハッシュタグの有無はあまり関係がない、と言う事です。(トレンド入りしたハッシュタグは、そのお題やブランド・テーマの強さを兼ね備える事でトレンド入りを果たした、と言えるかなり優秀なハッシュタグであったのだろう、と推察できます)


この事を理解せず、無闇にハッシュタグを量産してしまうとユーザーからそっぽを向かれるばかりでなく、炎上の可視化に一助する結果を招いてしまうことがあるので、注意が必要です。

では、つけてはいけないハッシュタグとは何でしょうか..? 以下をご確認ください。

上記の特徴を含むハッシュタグは、全く拡散しないか、アンチが釣れてしまうハッシュタグになるので使用は控えた方が良いでしょう。

「拡散しないだけならば別に無害だから良いのでは..?」とお思いの方、そうはいきません。流行らない、寒いハッシュタグをつけたブランド・商品への熱量は一瞬にして冷め、ファンが離れてしまうきっかけにもなってしまうのです。


最後に、今度は街で見かけたとても素敵なハッシュタグ活用の事例を紹介します。

ジョンソン・エンド・ジョンソンさんの広告施策「#スニ活」です。

まだまだ話題になるにはこれから〜といった様子ではありますが、このハッシュタグの優れているところは

・「バンドエイドが売れなくなるけど...」という自己犠牲、自虐のうえで成り立っている (赤城乳業さんの値上時の広告展開に似ていますね)

・あくまで賛同する人、実践する人のラベリングであり、これ自体がユーザーに何かしらの行動を強制するものではない。

・短い。シャレが効いていて(スニーカー x 活動)使いやすい。

これらが絶妙な塩梅で成立しているハッシュタグだと思います。

ハッシュタグ。文字数にして多くても8文字くらいの世界観は、思っている以上に深かったりするのです。ですので、あまり踏み込まないでハッシュタグ活用の事を考えてしまうと、手痛いしっぺ返しが発生してしまうので、ご利用の際はご注意を..!

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