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チェコ買い付け日記2023⑫「カフェサヴォイで朝食を」

朝食は大抵スーパーで果物とパンを買って部屋で済ませていましたが、前日に買っておくのを忘れた日がありました。プラハ中心部の古本屋を回る日だったのでどこかで食べられると思い、何も決めずにトラムに乗ります。
トラムに揺られている間に、さて、どこで食べようかと考えて、カフェ サヴォイ(Café Savoy)を思い出しました。

ブルタヴァ川からすぐの場所にあるサヴォイという素敵なカフェで朝ごはんが食べられるという記事をどこかで読んだような気がします。

サヴォイの設立は1893年ごろというのでウィーン・ハプスブルク家の統治時代。学校の授業でハプスブルク家について習った時には、遠い遠い過去の、それも遠い遠いヨーロッパのお金持ち一族が勢力を誇った時代としか考えていなかったけれど、チェコに来るとオーストリア帝国時代の、とかハプスブルク家の、というのはしょっちゅう目にします。実際にその一端に自分が触れることになるとは思いもよりませんでした。

サヴォイの内装は素晴らしく、100年以上前の贅沢な装飾にずっとカメラを向けていました。何度か改装はしているようですが、特に天井のレリーフと青の色が美しい。
花や果物などの植物を模っていると思われるレリーフは、過剰ではなく色も地味ですが、それが広い天井を隅から隅まで繰り返し飾っています。
装飾と装飾の間を埋めるターコイズブルーと落ち着いた緑色も美しく、でもこの色が映えるのは周りの配色のおかげなのでしょう。そしてこの青のおかげで、周りの装飾も引き立てられている、ような気がします。

せっかくだからとSavoy breakfastを選んだらボリュームのあるセットが届きました。
ゆで卵とピクルスが乗ったハムのオープンサンド、グリュイエールチーズの入ったオムレツに、大きめにカットされたフランスパンが2つ付いてきます。オレンジジュースと紅茶(もともとはカプチーノだけれど変えてもらいました)、デザートにはこちらも大きくカットされた甘さ控えめのスポンジタイプのケーキ。多分バーボフカと呼ばれるクグロフ型のケーキで、スポンジの密度はあまり詰まっていない、ほろほろとこぼれるようなタイプです。
炭水化物が多すぎます。お腹がいっぱいになりました。

紅茶のカップとソーサーの間にコースターが敷いてあります。薄いけれどペラペラではなく、少ししっかりした紙で、週末の蚤の市で同じようなコースターを買いました。分厚く硬いビール用のコースターはよく見ます。薄いのもあるのだなと思っていたけれど、このタイプはお茶に使うのだと分かりました。

早く買い付けを始めないといけないのに、せっかく素敵な店に来たので、日記の下書きや葉書を書きながらぐずぐずと長居をするのでした。

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