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チェコ買い付け日記2023⑭ 「パルドゥビツェの神様」

パルドゥビツェはトラムは走っておらず、乗り物はバスやトロリーバス。バスはなぜかトラムよりも気持ちのハードルが高く、プラハでも2、3回しか乗ったことがありません。オストラバでの面倒な切符のことも頭にあり、移動範囲もあまり広くなさそうなので、今回は歩いて回ることにします。

ざっくりとしか調べていないので、チェックしていた古本屋がちょうど1週間の臨時休業だったり、Googleマップでヴィンテージショップがあることになっている場所に、怪しいと思いながらダメもとで行ってみたら、やはりすでに閉店していたり。

天気が良く、写真を撮りながらのんびりと歩いていると、住宅街の真ん中で「カメラのメモリーがいっぱいです」と表示が出ました。
日本で準備をしているときに夫から、多分途中で容量が足りなくなるからメモリー媒体を買った方が良いと言われていたのに忘れていた…。この辺りに売っている店もなさそうだし、しばらくはスマホで撮るか、と思いながら広い道路に出ると、目の前に大きな家電量販店がありました。
なんというタイミング。
神様っているんだな、これはメモリーを手に入れたら神様の写真を撮っておかなければ!
こんな時だけ都合よく何かの神様に感謝しながら買い物をしましたが、あんなにありがたいと思った神様の写真は、いくらカメラロールを辿ってみても残っていませんでした。欲しいものが手に入った途端に神様のことは忘れる薄情な自分に、今になって呆れます。

パルドゥビツェの街を歩いて移動します。
なぜか飛行機雲が多い日で、真っ青な空には縦横無尽に白い直線が引かれています。飛行機雲ができるのは湿度が関係していると何かで読んだことがありますが、空を見ていても飛行機が絶えず行き交っているわけではなく、なんだか不思議です。

結局パルドゥビツェで回った店は、どれも満足のいくものでした。特に文房具屋は、チェーン店のようですがプラハでは見かけない紙類が売られていました。急に来たアジア人が、荷物を床に置いて長時間店を何周もして、領収書や子ども向けのぬり絵を何冊も買おうとしているのを見て、店員のおばちゃんは不審そうな顔をしていました。

観光案内所の中でパルドゥビツェグッズを売っていました。覗いてみるとすてきなものがたくさんあります。
競馬とジンジャーブレッドの街なので、それに因んだ物や、昔の風景のポストカード、有名な建物をデザインしたコットンバッグ。それらのデザインもおしゃれです。
おやつにジンジャーブレッドを買いました。これも馬の蹄鉄の形。プラハに戻ってから食べたジンジャーブレッドは、甘すぎず美味しかったです。

お腹が空いたのでオープンテラスのテーブルに座りました。そこで食べたキノコのスープが本当に美味しかった!クリーミーだけれどさっぱりとしたスープに、なんのキノコなのか分からないのだけれど、こりこり、さくさくとした食感のキノコがたくさん。あとはサラミとじゃがいもと、多分ザワークラウトも入っていました。ボリュームのあるスープで、それとビールで昼食を済ませます。

パルドゥビツェの街は全体的にゆったりとしています。駅から続く商店街は2〜3階建てくらいの低めの建物が多く、道路や歩道も広いので窮屈な感じがありません。少し離れた5階建て、10階建てくらいのマンションも敷地の余白が多く、芝生や植え込みがゆったりと配置されています。
天気が良いこともあり、この時期のチェコではどこでもそうですが、商店街の通りには店沿いにテーブルが出されています。平日の昼間でしたが、観光客でしょうか、ビールを飲んだりアイスクリームを食べたりして、賑わっていました。

パルドゥビツェの駅に戻ってくるとプラハ行きのRegioJet が行ったばかりでした。チェコ国鉄の切符を買いましたが、自由席は満席。通路を歩いていると自転車置き場に座っているおじさんがいました。荷物も重いし疲れていたので私も床に座ります。なんだか学生のよう。
1時間この状態かと思っていましたが、次の駅でたくさんの人が降り、すぐに席を確保できました。
私の学生気分は10分で終わってしまいました。


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