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チェコ買い付け日記2023㉑最終回 「プラハの動物園」

ついにやってきた最終日。
郵送する荷物も送ってしまったので、あとはスーツケースに入る分だけしか買えないし、最終日は遊ぶと決めていました。
今回は動物園へ。動物との接触は苦手ですが見るのは大好きです。

ラダ兄弟に会ったときに動物園に行く予定だと言うと、事前にチケットをネットで買っておいた方が良いよとアドバイスされました。特に週末は混雑するのでチケットを買うのにも並ぶのだそう。アドバイスにしたがって、前日にチケットを買っておきます。

ありがたい時代です。スマートフォンでチケットも取れる、地図も見れる、写真も撮れる、SNSにもアクセスできる、支払いもできる。
旅に出ると特にスマホをフル活用です。そしてスマホ1台で全てができてしまいます。これを失くすと恐ろしい…。
前回の旅では空港でWi-Fiを借りて行ったのですが、今回はeSIMに挑戦してみました。
なんて便利!どこかで何かを受け取って、帰ってきたら返却という手間が必要なく、手続きも全てスマホでできてしまいます。荷物が増えて重くなることもなく、空港についた時から自分のスマホが使えます。
以前はスマホにクレジットカード情報を入力することも、クッキーに同意することも躊躇していたのに。
人間の順応性と「便利」への怠惰さを自分に見ています。

プラハの動物園はトラムとバスを乗り継いだ丘の上にあります。
途中バスは住宅街を抜けていくのですが、キャンプ場の看板がたくさん出ていました。
こんな街中でキャンプ?と思ったのですが、日曜日ということもあり、バスからちらっと見ても車がたくさん停まっていて、都会の真ん中でのキャンプを楽しむ人が大勢いることがわかります。もともとは住宅だったのか、入り口は普通の広めの一軒家のように見えますが、どうやら奥はキャンプ場が経営できるほど広いよう。後で地図を見るとこのエリアだけで4つもキャンプ場がありました。

都会の真ん中といっても緑がたくさんあり、少し行けばブルタヴァ川。
私はプラハと京都が似ているなと思っています。
街の規模は京都の方が少し大きいくらい。古い世界遺産の街で真ん中を川が流れていて、大きな街だけれど自然が近い。交通の便は圧倒的にプラハの方が便利ですが。
動物園の位置は京都でいうと金閣寺や龍安寺の辺りでしょうか。

終点の動物園に到着しました。朝9時の開園直後に到着したので思っていたほどは混んでいませんでしたが、それでもバスは家族連れで賑わい、ぞろぞろとみんなして降ります。
チケットの窓口は多少の列ができていましたが、事前に買っておいたチケットのQRコードでするりと中に入ります。

丘を利用した敷地で入ってすぐに坂を登ります。
園の中は緑で溢れ、季節の花も咲いていてハイキング気分。
実際敷地が広いのでかなりの距離を歩きます。飼育されている動物の数が多いというのもありますが、一つ一つの檻や囲いが広いので敷地が広大になっているのです。

キリンなどのサバンナに住む動物は本当に広い敷地で、サバンナを再現したような場所を6〜7頭のキリンやシマウマがゆったりと歩いています。
山に住む山羊の囲いでは急な斜面の環境を再現していて、ひょいひょいと登っていく山羊や小さな子山羊が飛び跳ねる様子が見えます。
鳥やカンガルーの檻には、檻の中に入って間近で見ることができるところもあります。目の前に大きなペリカンがいたり、自分から3〜4mほどの柵のないところにカンガルーが寝そべっていたり。カンガルーのところではスタッフが何人かいて、少しでも近づこうとする人間を厳しく監視しています。
動物園内は犬を連れて入ることができるのですが、さすがに檻の入り口にはわんちゃん侵入禁止の看板が掲示されていました。
とても暑い日で、木陰で寝ている動物もたくさんいました。
トラやチーターなどは木が生い茂った高低差のある敷地で、木の陰にいる動物をガラス越しにキョロキョロしながら探します。人間が見やすいことよりも、動物が暮らしやすいことに重点を置いているように思います。

動物園の中にはいくつかレストランがあり、外で食べるのが大好きなチェコの人たちが食事を楽しんでいました。
もちろんビールも売られていて、歩きながらプラスチックカップに入ったビールを楽しむ人もいます。

ひとしきり見終わったと思ったらリフト乗り場がありました。スキー場のように頂上まで上がることができるのです。歩いて登ることもできますが、もちろんリフトで上ります。スキー場のリフトは全てが白であまりよく見えないからなのか、そんなに怖くはないのですが、雪のないリフトは結構怖い。でも景色が良いのであちこちを見まわし、落とさないように両手でスマホを握りしめて写真を撮ります。

上まで登るとプラハの街が遠くまで見渡せました。そこからまた動物を見ながらだんだんと下へ降りていくのです。
もう広すぎて自分がどこにいるのかわからなくなります。もちろん地図はあるのですが、何せ方向音痴な私。途中何度も「ここさっきも通ったよな」というマンガのような状態になりました。

朝9時に入園して14時まで5時間。途中あまりの暑さにアイスクリームを食べたけれど、休憩なしでうろうろし続けました。
やっと昼ごはんです。
園内のテラスでビールとトルティーヤ。トルティーヤはいくつか種類があり、with meat というのを選んだら、揚げたチキンと紫キャベツやレタス、トマトなどの野菜がたっぷり入った太巻きほどのボリュームのものが来ました。食べられるのか!?と思ったのですが、あまりの美味しさにペロリと食べてしまいました。

お腹がいっぱいになったのでそろそろ帰り支度です。
お土産も買った。動物も十分見た。思い残すことはありません。
動物園を出て宿に戻ったら荷物を持って飛行場へ。夜の便で帰るのです。
ああ楽しかった!今回も良い旅でした。

「チェコ買い付け日記2023」、21回お付き合いくださりありがとうございました。
また来年こんなふうに書けることを願って、今回はこれでおしまいです。

おまけ
家に帰ってしばらくすると私が買った本たちが無事に我が家へやってきました。自分が買ったものを忘れている私。箱を開けるたびに「かわいい!」「この本すてき!」「私こんな本選んだの天才かも!」と再度興奮するのでした。


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