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三回目のデート

このまま終わらないでほしい
いつか終わることをわかっているから
できるだけ長く見ていたい
枕元の明るい画面に映る時間を確認する
まだ時間はある、だからもう少し、、、

甘く幸せで生々しいくらいリアルなのに
架空の時間はものすごいスピードで
頭の中から溶けてなくなる



辺り一面、雪化粧した木々と降り積もった雪だけだ
そうかここは東北であったのか、と
まだ仲睦まじい瞼を片眼でこれが現実だったと認識する














——トンネルを抜けると、またそこも雪国であった






時にやらなかった後悔よりやってしまった後悔の方が
悔いが残らないと言うが、恋愛においても当てはまる
寧ろ、恋愛の方がたちが悪い

プラトニックなまま終わった恋愛とも言い難いそれは
永遠に叶うはずないと分かっていながら
心の何処かで淡い期待をしてしまう


、、、えぇ。分かっているのだ

彼とは付き合う事はないという事を
その代わりに悲しい別れもないという事を



いい思い出と甘く楽しいだけの
未来の想像のみの世界はいつだって美しい

こうやってたまに眠っている間の幻想の中
起きて忘れてしまうくらいが丁度いいのかもしれない




初めての出会い
一度目の街中デート
二度目の動物園デート
この先も訪れない三度目のデート
何度も夢に出た色々な三度目のデート
甘過ぎてとろけそうな、三度目のデート


あぁ赤ちゃんの様な笑顔と筋肉質で高身長な見た目の
年下なりに頑張って振る舞う紳士さが可愛い彼は
きっともっといい彼女がこの先できるのだ
温かい平凡な家庭を築き幸せに生きるのだ

そして、私も。



ただ、それまでの間に
永遠に来ない三度目のデートを何度も夢に見て
甘い朝を迎えるのも悪くない





さぁ年末は南国だ

最後の学生生活に思い切って金髪で過ごそうか
その姿をInstagramのストーリーにupしてみたら
彼から思わずメッセージが来たりするのだろうか

......また淡い期待を抱いてしまう



春が舞う、彼の誕生日に久しぶりにLINEしてみよう
やらない後悔よりやる後悔に期待したい

永遠に来ない三度目のデートではなく
大失敗した三度目のデートでいいではないか
と平成最後の年の瀬に思うのである


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