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Morning sex

チョコレートを温めた牛乳に溶かした
ホットチョコよりも優しい飲み物を私は知らない



今朝、いつも私の家で
それ用のチョコレートだけを噛んで食べた

いつからこの世はこんなにも情報にまみれるようになったのか

朝のセックスは記憶力を向上させるには
一番手っ取り早い手段らしい、ただし週に三回以上
どこで目にした情報なのか、わからない
だからそこに信憑性はない
だけど、どんなに愛する人とでも貴重な朝に
幸せな寝起きのひとときに
週に7日しか与えられてない私たちの日々には多すぎる...

そんなことを考えながら今朝は男に抱かれた

正確には、昨夜の惰性で抱かれた
少しは記憶力が増しただろうか、彼も私も

午前中に起きる生活に馴れてないまだ学生の私にとっては
早起きして運動をしたという事実だけで
それだけで1日を得した気分であるが
社会人の彼にとってはどんな1日の始まりであっったのだろう
プラスの感情であってほしい

朝にセックスをすると自分が特別に思える
会社に行っても、街を歩いていても
「私は朝、抱かれたのよ」と言ってしまいそうになる

だから、別に私は、その満足感があれば
記憶力なんていらない
すべて覚えていていたら、たぶん
私は、もう二度と人を好きになれないと思うから

ころで、寝起きを男の人の部屋で迎える朝には
血の通ってない淡々と事実を語る
ニュースが必要不可欠だと思う
昨夜のお互いが持ち寄った性欲の熱で
愛し合って燃え尽きた冷たさは
このニュースよりはマシだと安心させてくれる

私たちが欲望にまみれていた昨夜
飲酒運転で二人も捕まったらしい
どちらも検問で見つかったので
どの命もなくなってない事にホッとした
いくら冷めきった私でも
起きたててで知らない人の死亡報道は聞きたくない

ふと思う
恋とはなんだろう?
愛とはどんな感情を人々はそう呼ぶのだろう?
私にも過去そのような
感情が生まれた瞬間はあったのだろうか?などと

もし、その人と一緒の空間で笑いあう時間で
目に見えない心のどこかにじわっと染み入るような
温かさを感じることをいうのなら
私は人を好きになったことがあると言おう
その最中にいるときは気づかないことが多いけれど
私はこの類いの男といるとき
その瞬間ごとに過不足のない温かさで
満たされている感覚になる
とても安らかで自然で何となく笑いだしてしまうような、幸せ

あぁ私はもうこの人のことを好きになってしまったんだなぁ

と未来の別れを思って
後戻りできない気持ちに泣きそうになる
幸せの隣には残酷な心変わりがあることを
見えないフリできるほど私はもう若くはないし
人一倍傷つくことを恐れてしまうので
いつも恋と気づいた時の胸の痛みが
幸せだからなのか、サヨナラの時を想像してなのか
わからなくなる

たしかに言えることは、今からこの男と
キラキラな思い出を刻んでしまいそうで怖い

そう、私はまだ
気持ちをぐっと飲み込めるほど年を重ねてない

...さて、バイトに行こう。

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