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Tinderでサクッと会ったら、翌日サクッと営業をかけられた週末。

一人暮らしを始めて一か月が経とうとする5月初旬、
淋しさが限界になって、
社会人になったら辞めようと退会したTinderを
気づいたらインストールしてスワイプしていた。

・・・近場でサクッとご飯できる人いないかな

普段なら、顔写真チェックして最低限安全な人か
メッセージで確認して会うのに、
今回はそんな余裕なかった。
とりあえず、異性とご飯を食べてお酒に酔って、
いい人だったらセックスして
学生時代のあの華金を過ごしたかったのだ。

駅前のマックの前で待ち合わせをした男は、
見た目・会話・会社・お店のチョイス、全て悪くない。
だから、二件目のおしゃれな個室バーのあとに
彼の家に行った、
つい一か月前なのに
果てしなく遠い昔のように感じる。

まだ私が女子大生だった頃を懐かしく思った―

―そこまでは、いつも通りだった

翌朝、そそくさと彼の家を出る。
この世界には私と、目の前のハト数匹しかいないのか、
なんて錯覚してしまうほど
静かな週末の早朝のホームで
社会人になって初めての朝帰りをした。

ただ、社会人と学生の時で圧倒的に違うのは、
帰る場所は実家ではなく
一人暮らしの家だということで、
帰ると洗濯機を回していつもの日曜日を過ごした。

そんな、時間を過ごしていると
さっきまでその部屋にいた住人からLINEが届いた。

今日、14時にコーヒーでも飲みに行かない?

別に予定はなかったし
丁度、おじいちゃんの形見の時計の
修理にその近くまで行こうと思っていたからOKした。

待ち合わせのコメダ珈琲は
最近できたばかりで、しかもこの時間の
人の多さは異常なくらいでその中に数時間前に
抱かれた男が日曜の昼間だというのに
スーツを着て待っていた、

少しした嫌な予感は当たるもので
生命保険の勧誘というものを、私は人生で初めて受けた。
しかも、何度も言うがついさっきセックスした男に。
なんなら、昨日の夜初めて会った男に。(笑)

もう、笑うしかないし
だったら真面目に聞いてやろう、と思い
そうしていたら、気づけば彼の事務所にいた。

いや、こいつどういう神経してるんだよ。
出会い系で会ってヤった女を仕事場に連れてこれる
お前の精神構造見てみたいわ・・・
そんな感情の中、その男は
私のライフプランを作って嬉しそうに説明している。

なかなか長い時間話していて
そこを出たのはたぶん、夕方の6時を回っていた。

まぁ、この年で
保険について考えるきっかけにはなって
いい経験になったが、今回はお断りした。
その帰りに、保険をもっと知りたいと思って
駅前の保険の窓口に寄ってみた。

でも、なんだか必要なことに
だんだん思えなくて、
短い私の保険ブームは始まりとともに終わったのだった。

現在も、その男とは
Instagramでも繋がっていて、
最近トップセールスマンになったと
ストーリーで知った。
きっと、Tinderや使えるものはすべて駆使しているのだろう
その営業マン精神は見習いたい。

でも、もう一生会わなくていい。

そんな、社会人1か月目での出来事。

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