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Naked。

朝からまたすこしセンチメンタルな気分になってしまった。
父のことである。
あの最期の日のことがフラッシュバックするかのように脳裏に浮かんできて、溢れ出そうな涙をグッと堪えていた。

身内を亡くす、というのがどういうことなのか。
それをどう例えれば良いのかとずっと考えあぐねていたのだけど、ようやくその尻尾を掴んだ気がした。
それは、『剥き出しの状態』なのだと思う。

触れたら敏感に刺激を受ける粘膜のような部分が誰の心の中にも潜んでいる。いつもはいろんなものに守られているから自分でもその存在を忘れている…或いは知らずに過ごしているのだけど、何かのきっかけで剥き出しになることがある。何にも守られず、覆われず。
そんな剥き出しの部分は、季節が変わるたびに吹く違う種類の風を受け、敏感に震えだす。そうして傷つき、その中から溢れ出る鮮血。それが涙となって頬を伝うのだ。

その粘膜のような何かの表面が何度も何度も風に晒されて固くなる。それはやがて大きな大きな木のようになって、違う何かを守るものに変わっていくのだろう。

2018年の秋風に揺られて、父が居ない道を進む。
それはとても寂しいことだけど、いつの日か大きく育ったそれに助けられたり、違う誰かのことを助けられるかも知れない。

今はまだ、血を流していよう。

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