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#文学フリマで買った本/文学フリマ東京35編 (月刊惟宗ユキ・11月)

さてそういうわけで2022年11月20日文学フリマ東京35で買ったものを紹介していく。

今回の文フリは”彰往テレスコープ”としてもサークル出店していたのだけど、当日の朝になって「店番足りてる?」とかいうナメたLINEが来たおかげで、かなりグルグル回ることができた。腹立つけど許してやろう。

#文学フリマで買った本

まずは買ったものをザッと並べてみる。順不同でごめんね。【】内がサークル名で、文フリWebカタログにリンクしている。

第2展示場(ノンフィクション・詩歌)

・箱庭モノクローム 海底キメライラスト集【海底キメラ
・Krepuska 春のクレプスカ2022【詩会クレプスカ
・Krepuska 春のクレプスカ2021【上同】
・SFF (すこし)(ふしぎな)(ふうけい) 山口菜月【Yesterday Works
・ライター 【藤宮若菜
・私紙事 目黒しおり【私紙事
・銀河鉄道の夜が明ける  七緒らいせ【あいづち舎

第1展示場(小説・評論)
・Heround Notos【深夜の研究所
・バイバイ青春 プリ青春アンソロジー【千羽社
・移住と実存【enchant chant
・ライトノベルのあとがきだけを解説する本【あいらん堂
・漫画の手帖25号【あまりもの
・Re-Bath hideaki maki【makira
・描かれた「呪術」【ミサンザイ
・月報街を歩く【鴨林軒
・アレ VOL.10【アレ★Club
・BANDIT VOL.02【BANDIT

PICK UP!!

ピックアップは展示場につき3つ、計6つにしぼった。紹介しきれなくてごめんよ。

第二展示場(ノンフィクション・詩歌)

「SFF (すこし)(ふしぎな)(ふうけい) 」山口菜月【Yesterday Works

『SFF (すこし)(ふしぎな)(ふうけい) 』は何でも無い風景の中の少し変なものをスナップした写真集。買ったのにはちょっと理由がある。
 写真の中に、"便利屋"の看板がドデンと置かれたバス停椅子を写したものがあるのだが、去年ボクもその写真を撮っているのだ。場所は大田区内の幹線道路沿いなのだが、一度は通り過ぎたものの気になって引き返して撮った。わかるわー。気になるよなアレ。そんな感じ。

ライター 【藤宮若菜

出展したのは第一展示場のほうだったので、一度外に出ないといけない第二展示場の方の様子は行くまでわからなかった。となりのサークルの店番さんが一足先に回ってきたので「おもしろいのありました?」と聞いたら教えてもらったのがコレだ。
 「ライターっていいですね!!……あ、作家名が書いてない…」「そうなんですよ。そこが気になるでしょう。それ聞いてみたら『このコレ(短歌)が大事なんで…』って言ってて。」「うわ、良いなそれ」そういうわけで買った。藤宮さんの名前、忘れないようにしなきゃ。

『銀河鉄道の夜が明ける』七緒らいせ【あいづち舎

もうこれは一目惚れ。このサークルのスペースは紙に対するこだわりを感じる作品ばかりで、ひときわ目をひいていた。
 「銀河鉄道の夜が明ける」は『銀河鉄道の夜』の続編を書いた戯曲。なのだが一枚紙が折り紙のように畳んであり、開いたり回していくことで読みすすめることができる。素敵だ。
 「銀河鉄道の夜が明ける」は七緒さんが高校生の時に書いた作品だそうで、最新作では『銀河鉄道の夜』そのものを否定する展開になっているという。我慢して新刊の方を買わなかったけれど、すごく後悔している。全部買っときゃよかった。

第一展示場(小説・評論)

移住と実存【enchant chant

告知ツイートを見てから気になっていた本。企画・編集の瀬下さんは島根県津和野に移住し、地域おこし・地域振興の仕事をしたそうだ。『移住と実存』はそうしたいわば”移住ブーム"の当事者たちがアイデンティティの形成について振り返る。
 プロフィールによると、90年前後生まれが主宰となり、00年前後生まれも参加している。ちょうどボクの10歳上と同世代にあたる。
 なので、彼らの見た"地域おこし"という題目と、"〈アクティブラーニング〉や〈総合的な探求の時間〉をはじめとする学びの潮流から、その成果を評価する〈AO入試〉や〈就活〉まで、〈主体性〉に強い関心を向ける近年の教育と人材形成のあり方、そこで自己を形成せざる得ない若者の姿(瀬下「はじめに」)"というのはボク自身も見てきたものだし、そこに対する違和感も肌感覚として知っている。ようやくぼくらの時代の事を書く人がきた。嬉しい。

ライトノベルのあとがきだけを解説する本【あいらん堂

タイトルだけで大勝利って感じ。確実に面白そうだ。90年代〜00年代のライトノベルの"あとがきだけ"を解説する試み。著者のどうでもいい個人的喜びや事情、何の関係もない近況報告など、個性が露骨に出た「あとがき」"だけ"を解説している。紹介の文も軽快で楽しく、魅力を伝えたいところだけどこればっかりは買って読んでもらうしか無い。
是非『本の雑誌』あたりで連載化してほしい作品だ。

バイバイ青春 プチ青春アンソロジー【千羽社

なんだかんだピックアップが特殊なものばかりになってしまったので、最後に小説アンソロジーを紹介してみる。
『バイバイ青春』は「青春を売ります、買います、売買します」をテーマにした小説アンソロジー。版型もコンパクトでとてもかわいい。あと、主催の千羽さんと煙草を交換した。セブンスターとピース。吸わないけど集めてるんだって。
本屋さんに並んでない小説。でもインターネットで読めるわけでもない小説。そんなものになぜだかワクワクする。文芸リトルプレスのシンプルな良さを思い出させてくれた。

おわりに

 ともあれ文学フリマ東京、めちゃ楽しかった。今回は参加サークル数が過去最高の数だったらしく、大阪文フリ副代表の猿川さんが弊誌のスペースに遊びに来たのでビックリした。なんでも過去最高の出展数ということで、大阪事務局からも応援にきたのだという。すごい。
 そういうわけで地方文フリとは違って全部のスペースを回ることはできなかったけれど、目についたものだけに出会えるというのも、それはそれで自分の好みがハッキリ出たセレクトになった。ピックアップできなかった本も多かったけれど、上のリストにある本はどれもボクのイチオシだ。

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