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一方的な愛を、さらに叫ぶ


前回、前々回の続きです。よかったら合わせてどうぞ。

わたしのすきなnoteを書いているひと、ブログを書いているひとについて書いた。今回はライターさんについて書く。
ライターと非ライターって境界線がものすごくあいまいで、自分でもいまいちよくわかっていない。まぁ、大なり小なりウェブメディアで寄稿している、もしくはその経験があったひとであればライターと言ってもいいだろう、というようなかんじでぬるっと理解している。気になったら読んでみてほしいな。4名紹介させていただきます。


千鳥あゆむさん(とりめも)。

わたしも寄稿している「ダメです.」や「CRAZY STUDY」(クレスタ)という媒体で書いているかただ。その他、「ドンクライ」や「ヌートン」でも書いている。友達であり、ライターとしては先輩でもある。
このかたがすごいのは、文章がものすごく平熱なところだ。感情の揺れ動きがすくない。とは言っても、感情がないわけではない。ただ感情に引っ張られて文章が暴れるということがないのだ。
わたしは感情のままに綴るので、よくもわるくもよく暴走する。結果、想定よりもよくなることもあれば、あたまをかかえることもある。なお、比較的後者の割合がおおい。
彼女の文章にはそれがない。故に、きわめて読みやすい。そのくせしれっとへんなことを言っていたりする。油断がならない。

紹介したのはダメです.に寄稿した文章だが、ものすごく熱がない。学校って、「叩いていいもの」じゃないですか。「だからダメだ」って、言えちゃうんですよ。でも彼女はそれをしない。「そういうところだからしかたないよね」って言いつつ「子どもたちみんなすごくない?」って方向から書く。そして、適応できなかった自分のことも、けっしてわるいとはおもっていない。だから、いい。

ほかにも、あゆむさん、共通の友達であるもひもひさん、わたしの3者で共同主催をしているイベントのレポートなどをクレスタで書いたりしている。このおまつりは運営がガバガバすぎて、自分たちでは「ガバまつり」などと呼んでいたが、とてもたのしかった。

ブログのエントリだと、わたしもよく参加している「意識のひくい読書会」のエントリもいいんだけど、悪文についての文句がものすごくよいので、ぜひみなさん読んでいただきたい。わたしはこれにヴィジュアル系バンドのライブに参加したかのごとく、猛烈ないきおいで頷きまくることしかできなかった。


kogeさん(ふんがふんがブログ)。

わたしとおなじく「CRAZY STUDY」(クレスタ)という媒体で書いているかただ。ほかにもデイリーポータルZライターで「ない本」の作者・能登たわしさんの主宰するサイト「ひざかけちゃーはん2」にも寄稿している。
kogeさんのすごさは言い回しのうまさだ。軽快で小気味のいい文章。なのに決して薄っぺらくなくて、このバランス感覚のよさが、ほんとうに魅力的なのだ。おもわずくすりとするような言い回し(書き回し?)が、ほんとうにうまい。

紹介するこの記事もそうだが、長期間ていねいに集めたデータを記事にする、いわゆる「おれのフォルダが火を吹く」系の記事も得意なかただ。わたしはそういう地道な作業がすこぶる苦手なので、尊敬してしまう。おにぎりのパッケージを1年以上集めるとか、なかなかできることじゃない。これだけ時間と手間をかけたていねいな記事は、やはりおもしろい。

ほかにも、曲がった標識を「標しくぃ」と名付けてフォーカスした記事も書かれている。「標しくぃ」とはkogeさんがかんがえた造語であり、路上観察界では現在注目のジャンルである。Twitterアカウントもある。ライターのkogeさんだが、逆に「標しくぃの中の人」としてインタビューされていたりもする。インタビューするよりも先に、される側としてメディアに出てしまった、稀有なライターさんだ。

ブログのほうも食材Tシャツを作ったエントリなど、ていねいに時間をかけて書いた記事がやはりおもしろいが、個人的にはラーメン女子博に参加してみたエントリがすごい。失礼を承知で言ってしまうと、ようは日記なのだが、kogeさん特有の文章のキレのよさ、小気味よさが、これを「ただの日記」とは言えないものに仕立て上げている。このかたの文章力、ほんとうに魅力的なのでみなさまぜひ。


ねおみのるさん(私立ねお学園)。

もうおなじみの「CRAZY STUDY」(クレスタ)ではマンガを連載、リノスタというサイトではファンク・ダ・ネオーンという名義でレザークラフトの記事を書いている。
ブログではおもしろ記事をメインに書いていて、デイリーポータルZの投稿コーナー・自由ポータルZでは、初の5回入選を果たしている実力者だ。エッセイや山歩きの記事も時折書いている。
noteも書いていて、こちらではマンガやホラーをメインにしている。とても幅広い活動が目立つかただ。
ねおさんの魅力はこの万能さ。そして、そのどれもクオリティがたかい。ねおさんの書いた文章であれば、どのジャンルのものを読んでもかならず「おもしろいな」とおもうことうけあいだ。

紹介した記事は「もみじおろしがあるならば、他の色の大根おろしも作れるのでは?」という発想から、虹色の大根おろしを作ってみたというもの。いや、綺麗……!!めちゃめちゃインスタ映えする大根おろしだ。いや、大根おろしってインスタ映えするかな?
小ネタを含めて、ものすごくていねいに書いているのがわかる。おもしろ記事のお手本にしたいくらいだ。

個人的にすきなのは鍵穴を通して見ると秘めごとになるという記事。
なにげない日常のなかに秘めたおもしろさを見出すのが、ねおさんの真骨頂である。こういったアイデアを思い付けるのがすごい。これ、言葉だとわかりづらいかもしれないけど、写真を見ると一目ですぐわかるので、ぜひリンクから飛んで見てほしい。

デイリーポータルZ本編でも1本記事を書いていて、蛍の光で勉強はできるのか?という気になる問題について書いている。結末はその目で確かめてほしい(むかしの攻略本ふうに)。リノスタの記事は基本的にはまじめなレザークラフトについての記事がおおいんだけど、たまにこういう記事をねじ込んでくるので油断ができない。今後とも、ねおさんの多彩な活躍を、わたしはだれよりもたのしみにしている。


佐々木かえでさん(かえでパンの皮・あちこちトカチ)。

SPOT」や「bizSPA!フレッシュ」「猥談タウン回覧版」等のメディアで書かれているかただ。ブログはQOLアップのガジェットからおもしろまで、幅広いジャンルを書いている、メインの「かえでパンの皮」と地元十勝在住時代に運営していた(いまもたまに更新している)「あちこちトカチ」の2つ。noteもやっている
かえでさんも、とにかく書くものの幅が広い。おでかけ記事にジェンダーや猥談、おもしろにQOL、取材……ほんとうにこれはひとりのひとが書いているのか?とおもってしまうほど、なんでもこなすのだ。

紹介したものはクーリッシュのPR記事なんだけど、とにかくすごい。途中からインタビュアーが変わるとか、ふつうありえない。「私は本当に 何をしに来たんだろう。」ではない。
ただ、そういう「自分のできないこと」を包み隠さず書けるひとってすごい。みんなかっこよく見せたかったり、いい自分でいたいとおもうのだ。
PR記事の媒体で、ここまで等身大で、自分ができなかったことや、妹への愛と羨望を書けるひとっている?ふつう書く?これ。迷記事だし、名記事ですよ。両立しているのがほんとうにすごい。

個人的にはでかいスイカを切って食べただけの記事がすきだ。デイリーポータルZの投稿コーナー・自由ポータルZで出会ったかたなのだが、この屋外で包丁を持って微笑んでいる写真を見て「こいつ、ぜったいやべぇ」と衝撃を受けたのを今でも昨日のように覚えている。

また、わたしの記事で恐縮だが、カレーの広告記事では老けメイクをしてお母さんとして大活躍してくれた。こんな役回りを引き受けてくれる女性、わたしにはかえでさんしか思い浮かばなかった。ここまで読んだかたはかえでさんの印象はとんでもないひととおもってしまうかもしれないが、ビール工場の試飲レポなど、ちゃんとまじめな記事も書けるかただ、というのは最後にお伝えしたい。最後にかよ。

さて、今回は最終回ということで、4名のかたに、一方的な愛を叫んだ。
前回、前々回と合わせて、計10名のかたについて書いた。わたしがとっても大好きな文章を綴るかたがたである。もし、紹介を読んで「気になるな~」というかたがいたら、ぜひ読んでいただけたらうれしい。わたしが書いたことで彼ら彼女らのファンになってくれるひとがいたら、これに勝るしあわせはないのだ。

わたしのすきなかたは、まだまだたくさんいるので、またの機会にぜひご紹介できたらとおもう。

#エッセイ #日記 #note #他者紹介

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