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オミクロン株に怯える必要はない。なぜならもうすぐ収束に向かうから

インターネットを見ていると既存のマスメディアに対する批判が非常に多いことに気付かされる。

皆、新聞は駄目だ。テレビはもう終わったメディアだなどと言うのだ。


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新聞やテレビが時事だけを流し分析記事を書かないことは確かである。

たとえば東京都の1日の感染者数は報道するものの、その増加原因も今後の動向も一切書かず先週と比較して2倍に増えました!

としか書かれていないため、その情報がどのように役に立つのかは分からない。

しかし新聞やテレビはたまに偏ったことは報道するが、間違ったことはほぼ報道していない。

新聞・テレビは大体8割は正しいことを報道している。残り2割が問題なのだ。

それに対してインターネットは素人が発言しているため、大体において間違えている。

分析・検証するとだいたい6割は間違えている。半分以上の情報が正しくはなく、統計データも使わない感情論か虚位の情報である。

たとえばアフィリエイトはおすすめでもないのに割高な商品を紹介し、一番お得です、などと言いつつ、その記事を書いたブロガーは絶対に自分が紹介した商品を購入しない、というほどに嘘が主流となっている。

新聞やテレビの質は悪い。だからといってより悪いインターネットの素人の書いた記事が、彼ら既存のマスメディアの代替えになるわけがないのだ。


疫学や公衆衛生学などもそうで、インターネットは大体ほぼすべての情報が間違えている。

既存のメディアも知識がないため専門家のコメントを1分程度垂れ流すくらいであり、重厚長大な分析論文を流すメディアは存在しない。

本来であれば本屋へ行って理論疫学者や公衆衛生学者の本を読むのが良いのだが、いま買うとデルタ株についての本ばかりであり、本の出版はタイムラグがあることから、最新のオミクロン株についての知見を得ることは難しい。

では私たちは高度な知性を持つ専門家の知見を取得するために、どうすればいいのか。

とても簡単な話だ。専門家のコストを掛けない最新のコンテンツを読めばいいのである。

専門家が喋ったことをすべて文章に書き起こしたインタビュー記事をネット上で読めばいいという、ただそれだけのことである。

そんなわけで理論疫学者である8割おじさんこと西浦博さんのロングインタビューの書き起こし記事を、ここに貼っておく。

前編がこれ。後編がこちらだ。合計で12,830文字(400字詰め原稿用紙で32枚分)もある。

オミクロンについてはこれ1本ですべて理解できる。彼の仰ったことは毎回すべて的中しているため、これ1本で問題ない。

要約すると西浦教授はこう仰っている。


■西浦教授が仰っていること

  • オミクロン株は世代時間(自分が感染したあと他人に感染させるまでのタイムラグ)が従来株は5日間、デルタは4.7日だったのが、たったの2.1日である

  • つまり、オミクロン株の場合、自分が感染したあと、たった2.1日で他人に感染させてしまうため、東京の感染者1万人オーバーのような爆発的な感染者の増加が起きている

  • 感染者の半数以上は移動して感染している(歩いたり電車乗ったり移動して人に会い感染させている)30代未満である。0歳から29歳までが感染者の5割以上を占めている

  • 彼らの間で大流行が起き、そして世代時間が短いことからも、あらかた全員感染させ、そしてすぐ収束する

  • 数理のSIRモデルを使った予測だと、オミクロン株の流行後のピークは22日目である。具体的に日本の場合は1月下旬から2月上旬。

  • 感染した後、症状が発生し病院へ行き検査し、結果が出てから感染者数にカウントされるため(いまの感染者数は2週間前に感染した人の数である)、デルタまでは感染から報告まで11日かかったもののオミクロンは世代時間が短く、9日でカウントされることから、遅くとも2月中旬には感染者数がピークアウトを迎えるだろう

  • 新型コロナウイルス感染症は感染したあと体内にウイルスが留まる期間は2-3週間程度だから移動している人全員が一気に感染してしまうとそれから2週間ですべての人のウイルスが体内から消滅する。世帯時間が短いということは他国のデータを照らし合わせても分かる通り、一気に増えて一気に減るということである

  • オミクロン株のクラスターとなっているのは飲食店(居酒屋・バー含む)、会食、接待を含む飲食、スポーツ関連(スタジアムでの感染など)、そして足の不自由なお年寄りや歩けない高齢者に福祉に従属する労働者が持ち込み、感染させて施設丸ごと感染爆発(クラスター)させている高齢者福祉施設と職場と学校である

これがオミクロン株の全容である。

次に、上の箇条書きでまとめたものをすべて数理モデルで立証する。まず数理のSIRモデルについて見ていく。


■オミクロン株の感染予測シミュレーション(SIRモデル)

オミクロン株のSIRモデル

グラフをよく見てほしい。従来株は流行から50日以上かかったあと感染爆発するのが、オミクロン株では20日過ぎに爆発的に感染者が増えている。

いま日本で感染者が激増しているのはこれである。

ウイルスは理論疫学の通りに動いているにすぎない。また、ネットでオミクロンはただの風邪だ!だって死者出てないでしょ?

と言っている人をよく見かけるが、東京で昨日1万人の感染者が出たことの死者は、発生から1ヶ月以上病院で肺炎起こして苦しんで死ぬため(感染者数のカウントから死亡まで入院・治療のタイムラグがあるため)、感染者がピークを迎えてから死者が増加するのは、グラフにある通り、40~60日後である。

よって、いま感染した人の死者のカウントは3月頃であることが分かる。

これはデルタのときもアルファ株のときもそうだった。SIRモデルにおける死者の推移も流行から120日経ったときピークを迎え、その後も死者は減らず、出続けるのである。

死亡者数については赤枠で囲ったため、その線グラフの推移を見ていただけたらと思う。

いま感染すると死ぬのは2ヶ月後だということだ。いくら弱毒化されたからといっても、アメリカの1日の死者数が3,700人に達したことを忘れてはならない。ただの風邪ではないのだ。

次に一覧で書いた年齢別感染者数の数理データ


■オミクロン株の年齢別感染者数

1週間当たりでのオミクロン株の年齢別感染者数

出典:NHKニュース

新規感染者を見て分かる通り、オミクロン株に感染している人の過半数は若者である。

日本のマスコミはおじいちゃんおばあちゃんがバスで旅行などして感染すると1件1件すべて報道するが、それはマクロ(国家全体の実情)を表してはいない。

珍しいニュースで視聴率が取れることから報道しているにすぎない。実際は10代未満、10代、20代で過半数を越えているのである。

あたながウイルスを貰うなら50%以上の確率で若い人からだということである。

次、一覧で述べたクラスターの内訳について。


■オミクロン株の集団感染(クラスター)の場所一覧

オミクロン株のクラスター場所別積み上げ棒グラフ

これも上の箇条書きで書いた通り、飲食店や接待を伴う会食やアルコールを伴う居酒屋でのクラスターが、今年1月から激増していることが分かる。

インターネットでは飲食店に給付金を配っても効果がない。税金の無駄だと言う人が過半数だが、それらはすべて間違いであり、政府のやっていることは極めて正しいのである。

実際、オミクロン株では、飲食店(居酒屋・バー含む)、会食、接待を含む飲食、スポーツ関連でクラスターが爆発的に増えていたのだ。

当たり前のことだけど政府の有識者諮問会議ではこういった数理データを元に政策立案しているため、国家全体のデータも見ず、自分の経験則(今日行った居酒屋は人がほとんどいなかったから、全国の居酒屋もきっとこんな感じで人がいないんだ!)、などの個人の経験則はまったくもってマクロ感染症対策には役に立たないのである。

日本政府は全部マクロデータ(国家全体のデータを統計採って政策立案している)のである。

日本の感染者数が世界的に見て上位2割に入るほど非常に感染者が少ないのは国民がワクチンを打った後も自粛とマスクをし続けていること、シャイな国民性でハグもキスも握手もしないこと、政府がすべてではないが正しい政策を立案しているためである。

水際防衛には失敗したものの、それなりにまともなことやっているのにデータも見ず不当に叩かれるのは忍びないものであるが、ネットの論説は大体間違っているという一番上に書いたことの証左になったことだろう。

あと1ヶ月会食などマスクを外して他者と接触することを控えれば、第6波は収束するということである。

2月末まで会食やアルコールを伴う飲食、スタジアムでの観戦などを控えるのが私たちができるミクロ感染症対策である。

この記事はタダで投稿する。これによって読者様の行動変容が起き、感染せず、後遺症などで生涯を台無しならない人が一人でも多く増えたなら、書き手にとってこれほど嬉しいことはない。

みんなあと1ヶ月がんばろう!


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