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なぜ、独身男性は早く死ぬのか?独身で長生きするにはどうすればいいのか?

計量経済学の参考書を読み、因果推論を独学で勉強した。


☆☆☆


折角の知見なので読者様にすべて公開してしまおうと思う。

この前、ぼんやりと5ちゃんねるを見ていたら、独身男性は早死にする!


お前らはすぐ死ぬぞー!

というスレがあった。

記事元を辿ったのだが、東洋経済新報社がそのような記事を書いていて、それで皆が騒いでいることを知った。


こちらだ。


■東洋経済新報社の記事

東洋経済新報社の記事1

東洋経済新報社の記事2

出典:東洋経済オンライン

掲示板では東洋経済の記事タイトルである「独身か有配偶かで異なる男女の人生の長さ」が強調されていた。

グラフを見てもそうだが、確かに独身男性や、離婚してしまった男性は、すぐ死ぬデータが見て取れる。


ここでネット掲示板では、お前ら結婚できないから早く死ぬぞー!

と決めつけの断定をしていた。


グラフが相関しているのは確かだ。

結婚または離婚という事象と早死にには相関関係があると言える。


しかし彼らの脳はそこで断定し、決めつけてしまうことで論理を終了させていた。

決め付けから先、何も思考をしないのである。


たとえば、ではなぜ、独身男性は早死にリスクが高まるのか?についての原因を究明しないのである。

データが似通った動きをしている(相関関係がある)のと、計量経済学の初歩理論である因果関係がある。

とではまったく異なる事象である。


そして私たちが社会科学で人様のお役に立てるのは、因果関係(何が原因で独身男性は早く死ぬのか?)

を明らかにする行為に他ならない。


この原因は何かを推論するツールを因果推論と呼ぶ。

とても役に立つため、このケーススタディを使って、独身男性が早死にする事象を因果推論してみようと思う。


因果関係を明らかにするためにまず必要なことは「反事実」である。

事実の逆のこと。逆説を言えば良い。


では、使ってみよう。

独身男性は早死にする。それはつまり

・(事実)男は結婚しないと早死にする
・(反事実)男は結婚すると寿命が伸びる!

グラフにあるように男は結婚しないと早死にする。

は事実だ。では、その逆はどうなのか。

男は結婚すると、ただそれだけで、寿命が伸びてしまうのか?


当たり前のことだが伸びるわけがないのだ。


だからこの事象はただの相関関係にすぎない。結婚をした瞬間、男性の寿命が20歳とか伸びるわけがなかろうが。

なのである。


よって結婚という事象は、男性の長寿の原因にはならない。

他に何らかの変数があり、それが長寿との因果関係となっているのだ。


では長寿と直接結びつく変数は何なのか?

この記事に、男性早死にの原因が載っている。大阪大学と順天堂大学の共同研究の結果である。


引用すると、死因として独身男性は

・未婚男性が心筋梗塞で死亡が既婚男性の3.5倍
・未婚男性の心臓発作による死亡が2.2倍
・呼吸器感系疾患による死亡は2.4倍
・自殺を含む外因死が2.2倍

東洋経済の記事にもあるが、未婚男性だからと言って自動的に死ぬわけではない。

病気に罹ってその短い生涯を終えるのである。


で、何が原因なのかというと、既婚男性は未婚男性と比較して、年間で7kgも多く野菜と果物を食べている。

また、未婚男性は、塩分を多く含むコンビニ弁当やスーパーの惣菜を食べる人の割合が既婚男性の2倍であり、炭水化物・肉の摂取量が多いことも明らかになっている。


よって、独身男性は、栄養バランスの取れない食生活によって免疫力が低下して肺炎になったり、塩分と脂質を摂りすぎ高血圧が原因で、動脈硬化を起こし、心臓に血液が届かず、心筋梗塞や心臓発作で突然死するのである。

これが独身男性が早死することの原因であり、直接的な因果関係であると言える。


ここでわかることが2つある。

一つは未婚と早死にには相関関係(データが同じ動きをしている)だけのため、結婚したからといって男性の寿命が伸びるというわけではないということだ。

では、なぜ既婚男性の寿命は平均的に長くなるのか?


それは日本の大多数の奥さんが旦那さんのために毎日栄養バランスの取れた食事を作ってくれているためである。

(だから離婚した男性はグラフにある通り、また早死に戻るのだ)

男は結婚したからといって長生きが確定するわけではない。


日本のほとんどの奥さんは良妻賢母であり良い人なのだ。

旦那さんのために毎日365日ご飯を作ってくださるそういう方が多数派だから、心筋梗塞や心臓発作になる原因の食生活の乱れを防いでくれているのである。


独身男性がカップラーメンをすすっているとき、平均的な既婚男性は血液が綺麗になる野菜と果物をたっぷりと摂取している。

これが既婚男性長寿の原因なのである。


そのため少数派の料理の苦手な奥さんと結婚して旦那さんが独身時代とまったく同じ様に自分で料理していた場合、寿命が伸びるということはないのである。

インターネットでは結婚できた=長寿確定!という文脈でなぜ長く生きられるのかについての、原因と結果を因果推論する人がいない。

しかし本質はこのようなものなのである。


さて、私を含む独身男性諸君!これで因果関係は分かっただろう。

独身でも長く生きたいのであれば、ただ単に肉や炭水化物、脂質の量を減らし、野菜と果物を多く摂取すれば長く生きることは可能なのである。


あとは免疫力を高めるために運動をしたり、孤独死リスク(自殺の原因だ)を減らすために、友達がたくさんいれば良い。

男性寿命と直接的な関係を持つのは結婚ではない。

結婚後の生活習慣の変化、具体的には奥さんが毎日ご飯を作ってくださっていることが、日本人男性を長生きさせている原因なのである。


離婚した男性の寿命が減るのは、食生活が貧しくなり、またカップラーメンやコンビニ弁当の生活に戻るためである。

逆に独身でも長く生きたいのであればビタミン、ミネラル、カリウム(塩分を尿として排出する)、食物繊維、そして野菜と豆類(血液をサラサラにする)


など健康リデラシーを持っていれば、どの食べ物を摂ると体にどんな影響が起きるのか、1日に野菜を350gずつ摂取するには、どの組み合わせで1日3食のメニューを組み立てれば良いのか?

など、最低限の栄養学の知識があれば、独身でも長生きは可能なのだ。

原因を明らかにするとはこういうことであり、ただそれだけのことなのである。


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