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日本人男性が女性にモテる市場はどこにあるのか?

早稲田大学国際教養学部教授の森川友義氏が著した「結婚は4人目以降で決めよ」を読破した。

同大学で一番の人気講座であり、「恋愛学」の教授が著した書物である。


☆☆☆


この本は一応恋愛学の書籍なのだが、中身は進化生物学、進化政治学、経済学(主にミクロ経済学)、心理学がふんだんに使われている、科学論文である。

Amazonレビューでは非常に酷評されていて、特にファイナンス理論における効率的市場仮説の凄みを理解していない輩が多く、また悲惨な現実を、縷々(るる)として科学的に書き連ねてあるため、男性陣に大変人気がない。

恋愛市場において、男が余ることを暗に示唆している論文だからだ。


それはどうでもいい。ただ結婚市場にしろ恋愛市場にしろ需要と供給の法則があり、さらに基本的には男女ともに完全情報をもった競争市場が形成されていると森川氏は論述する。

この洞察は非常に正しい。女優や俳優、モデルの配偶者は全員が美男美女であり、また、プロサッカー選手たるJリーガーの奥さんは元モデルや女優が多い。


プロ野球選手の場合もそうで、女子アナウンサーやモデル、タレントなど、優れた男性の配偶者は優れた女性たちである。

ヤクルトの古田敦也選手や楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手の配偶者など、魅力的な男性の配偶者は魅力的な女性である。


つまり優れた男性は優れた女性と結婚する現実がある。

アカデミー賞などで男性俳優が奥さんを連れて授賞式に行くレッドカーペットの舞台でも、魅力的な男性の配偶者は同じ様に美しく美人な女性たちである。美男美女とはこのことである。


完全情報をもつ競争市場の場合、需要と供給の法則において、100点満点の男性は同じく100点満点の女性と上から順にカップリングされることになる。

よって90点の男性は90点の女性と、80点の男性は80点の女性と恋愛市場でカップルになり、結婚していくわけだ。


こうなると分布図において離散している世の男性陣は大変に不利である。

女性は80点から20点の範囲内に集合しているのに対し、世の男性陣は100点満点からデブで風呂にも入らない0点まで分散しており、そして0点の男性が自分を省みず100点女性を求めるからこそ、無理が生じ、異世界アニメなど別次元の100点女性と疑似恋愛することになる論理性が存在し、実際そうなっている。

この本が不評なのは、このような現実をありのままに執筆なされているためである。


ただし、ここにファイナンス理論における「効率的市場仮説」が入ってくると森川教授は説く。

どうもAmazonレビューヤーの読者はファイナンス理論を理解していないためか、理解できずに怒っている。

0点の男性陣が見たくもない現実をただただ見せられ、魅力的な女性を獲得できず怒っているのだ。


ファイナンス理論における効率的市場仮説とはこういうことである。

もしあなたが要らなくなったパソコンをより1円でも高く売るためハードオフやリサイクルショップには持っていかず、CtoC市場で売るとしよう。

ハードオフやリサイクルショップでは二束三文で買い叩かれるため、間にB(企業)を挟まず、個人が個人と売買するヤフーオークションやメルカリで売るわけだ。


この場合は完全情報を持つ競争市場であり、Yahoo!Japanなどアクセス数が1日に10億3,000万を越えているため、売買するすべての人たちにあなたのパソコンの情報が行き渡ることになる。

だから同じ中古パソコンをYahooオークションで売るあなたの競争相手は、あなたよりさらに安くオークションで出品することになる。

また、中古パソコンが欲しい買い手側も、すべての情報が行き渡っている。この状態で、1円でも安くハイコストパフォーマンスな中古パソコンが欲しいと、買い手側は取捨選択するわけだ。


するとどうだろう。売買人全員がすべての情報を持っていることになる。ここでは、市場は完全に効率化されており、一切の無駄がない。

よって一番ハイスペックなパソコンは一番お金を出した人が買うし、そこそこ良い性能の中古パソコンは少しだけ高い価格を提示した人が買い取れる。


また、一番低スペックなパソコンは、一番安い価格しか提示しなかった人が商品を購入することになる。

女優さんも俳優さんも要は人間における恋愛市場もこれと同じである。


完全情報下における市場とは非常に効率化されており、一切の無駄がない。

前述した様に、100点の男性は100点の女性とカップリングするし、80点の男性は80点の女性とカップルになるし、60点のそれは同じく60点とカップルになる。


恋愛市場においてすべての人達に自分という人間がいると知られているとは、そういうことである。

さて、ここからが効率的市場仮説の破壊力ある部分であり、本題である。果たして恋愛市場とは完全情報を持つ効率的な市場なのだろうか


森川氏は恋愛市場とは局地的であり非常に閉鎖的な市場であると説く。

だからボトルネック(歩留まり)が発生すると言うのだ。場所、地域、市場によっては40点の男性が82点の女性と付き合っている地域、または市場も存在する。

35点の男性が85点の女性と付き合うこともよくあると彼は説いている。


Yahoo!ジャパンはみんな知っている。メルカリもみんなが知っている。

しかしそれ以外の(出品者というライバルがほぼ存在しない)オークションサイトをあなたはご存知だろうか。

中古パソコンを出品するのは私一人だけ。買う相手もそれほど多くはないが、100人程度が存在し、閲覧するサイト。

これを男女比にしてみるとどういう意味を持つだろうか。1対100である。彼はここで効率的市場仮説を存分に使っているのである。


この圧倒的に男性が優位、または女性が優位な市場が日本には複数存在する。ほとんど若い男性ばかり。自分以外ほとんど若い女性ばかりという市場のことだ。

それがこちらである。

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