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最近気になった本#06

間が空きました。
案の定です。
そして世間はGW突入です。アウトドアレジャーもいいですけど、書店にふらっと特に買う目的もなく立ち寄るのもいいですよ?
思わぬ本との出逢いがあったりするのです。

ということで、最近気になった本(医学、理工書ジャンル)を紹介します。

絵でわかる漢方処方(南山堂)

こちら、なんと文庫本サイズなんですよ。もうサイズとそして表紙のデザインが可愛い。
『絵でわかる』とタイトルで銘打っている通り、左ページに症状が生じている患者さんのイラストがシンプルに描かれていて右ページに解説があります。
とてもわかりやすく、手元に置いて便利な一冊になるのではないでしょうか。


さて、ここ最近、認知心理や脳科学系の本が何冊も出ているんですが、その中で気になったのがこちらの三冊です。

失われゆく我々の内なる地図 空間認知の隠れた役割(白楊社)

意識はなぜ生まれたか その起源から人工意識まで(白楊社)

脳は世界をどう見ているのか──知能の謎を解く「1000の脳」理論(早川書房)

特に三冊目『脳は世界をどう見ているのか』これが一番気になってますね。早くも重版がかかったそうです。noteで冒頭の試し読みができますので、興味がある方はぜひどうぞ。
うちの店でも売れている本です。

脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線(講談社)

こちらは昨年末に出た本ですが、とても文章が読みやすいのでおすすめです。最近とみに感じますが、SFで繰り広げられていた世界は遠い未来ではないのかもしれません。

なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論(講談社ブルーバックス)

4月に発売になったブルーバックスの新刊で一番売れている本です。
子どもの頃、ブルーバックスの宇宙関連の本が好きで読み漁ったんですよね。だから今でもつい手がのびがちです。現代宇宙論なので、マルチバース理論にも触れています。

ステロイドの虎(金芳堂)国松淳和

気になるなんてレベルじゃないですね。
もうこちらの本が出るという話が出た時から気になりMAXでした。
先日の内科学会でも好評だったそうで、発売前重版となり、入荷を待ち望んでいた本でもありました。

まず装丁がとても素晴らしい。虎だけど安直にタイガースカラーじゃないのがいい。クリーム色にシルバーが効いているので、売り場で目立ちます。タイトルフォントもいい。このフォントを使っている医学書は初めてでは……?略してステトラ。口に出して言いたくなります。

それとこちらの本、開くとわかるんですがオープンバック製本で作られているんです。

本は厚くなれば厚くなるほどノド元(見開きにした時の中央部分)が開きづらくなります。テーブルの上に置いて読みながら作業したいのに本が勝手に綴じてしまうので、開いたページの上に物を置いたりしたことありませんか?

ここ数年、製本技術の進化により従来より糊の層を薄くできるようになりました。PURホットメルトというものです。0.3〜0.4mmという薄さにしても強固な接着性があり、180度開くことができる製本が可能になったのです。

しかし、ここで問題が生じます。分厚い本だと背表紙が折れてしまうのですが、それを解消するのがオープンバック製本です。背表紙の部分が綴じられた本体と接着していない為、背表紙が割れることがありません。

つまり心置きなく、がばっと開くことができるんです。そして背表紙が割れることがないので、そこから亀裂が入って本がバラバラになることはまずありません。

この本の性質上、使う方は手元に置いて何度も何度も本を開くことでしょう。それに耐えうる仕様というわけです。

あと、自立するほどの分厚さなのに軽いんですよ、この本。
本文用紙がソリストミルキーという嵩高書籍用紙を使用しているからなんですが、嵩高紙というのは紙の密度が低いため、厚さの割に軽くなります。しかもソリストは軽くて柔らかいのでめくりやすく、手になじむのです。

装丁について熱く語ってしまいましたが、もちろん中身も期待を裏切りません。各章の冒頭にあるドラクエネタ、いいですよね。『あんちょこマーカー』つきの親切仕様にもなっています。

ドラクエ?あんちょこマーカーってなに?とここまで読んで気になった方は是非、書店店頭でお手に取ってみてください。
そしてレジへGO!

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