もう一度立ち上がれ、Xbox -再建者フィル・スペンサー- 後編

前編はこちら

フィルは1990年、ワシントン大学を卒業した後そのままマイクロソフトに入社した生え抜きだった。ファイナンスソフトの開発や、エンカルタと呼ばれる電子百科事典の開発、そしてMSN(MSが立ち上げたポータルサイト)の立ち上げに携わった。

マイクロソフトがXboxでゲーム業界に参入したあと、フィルは社内ゲームスタジオStudioXに参加した。開発会社と連携し、そのゲームタイトルをマイクロソフト名義で発売するようになる。ライオンヘッドスタジオという開発会社が作ったFableという独特の世界観をもったRPGにフィルも関わった。Fableは日本国内では無名に近いが、海外で260万本というヒットを記録している。なお、他にはレア社(SFCのスーパードンキーコングを開発した会社である。この時点で売却され、マイクロソフトの子会社になっていた)のタイトルを管理し、発売していた。360ではあつまれピニャータ!!がレア社の有名開発タイトルである。

2008年にはマイクロソフト本社に呼び戻され、そこで社内ゲームスタジオのゼネラルマネージャに就任した。

本社によびもどされたフィルは一部で有名になった。なにせ彼はとにかくゲームをしているのだ。

彼は幼少期からゲームを愛していた。Atari2600でPONGをプレイしたのがその原体験だった。

そこから彼はゲームの世界にどっぷりと浸かっていた。「シンクレア ZX81」「コモドールVIC-20」「コモドール64」と様々なコンピュータを買い与えられ、それらでゲームを作っていた。PCゲーマーとなり、ウルティマ オンライン(MMOPRGの始祖)にはまり込んだ。家庭用ゲーム機へ踏み込んだのは実はXboxが初めてだったが、そこから過去のゲームハードを買いはじめた。プレイステーションやNintendo64も購入し、実際にゲームをプレイした。N64は「手を3本持つ人のためにつくられたのか?」とコントローラーを評したが、同時に「2つのコントローラーを一つにしたようでクール!」という感想も抱いたことを語っている。

本社によびもどされた後も彼はゲームに夢中だった。一日中アサシンクリードをプレイしていたこともあった。

XboxOneの発売後、彼はそれの拡販に携わった。彼はあの2013年のE3を間近で見ていた。XboxOneがエンターテイメントのオールインワン機器であると自信満々に語り、テレビや映画が見れることを主張するドン・マトリックを見ていた。このときの状況を彼はこう語る。

チームXboxの社員はXboxで働く何千人もの人たちのチームの一員です。でも、カメラの前や壇上に立って話をするのは、ほんの一握りの人たちです。
『なぜ、あの人はあんなことを言うんだろう?』『それは私が作っている製品ではない』といった隔たりが生じたりすることだってあります。
……私たちはXboxOneを出すために2年間、本当に一生懸命働いてきました。イベントのステージに立って、Xboxの精神やお客様が私たちに求めているものと違うものを語ることによって、チームXboxが行った仕事はすべて吹き飛んで行ってしまった。

https://www.gamespot.com/articles/phil-spencer-reflects-on-what-went-wrong-with-the-/1100-6468802/

フィル・スペンサーがXboxの最高責任者に任命されたとき、彼は喜んだが、一瞬でそれは終わった。Xboxの内情を知るたび、表情が強ばった。そしてなぜ彼が選ばれたのか知った。マイクロソフトにはもはや他に、誰もいなかったからである。

Xboxは最悪の状況に陥っていた。XboxOneの売上は振るわない。ソフトの売上も伸びない。社員の士気は最低だ。人材はいない。そして、そして、肝心要の社内ゲームスタジオの複数がリストラ候補として名簿にあがっていた。その中にはかつてフィルが一緒に仕事をした、あのライオンヘッドスタジオの名も刻まれていた。いったいどういうことか! 

ライオンヘッドはFableのリリース後、2006年にマイクロソフトに買収され、正式に社内スタジオとなった。Fable2をリリースし、好調なセールスと評価を得た。
その後、ライオンヘッドはKinectに対応した新作、「Milo & Kate」の制作に取りかかる。これは画面の中にいる少年Miloとカメラとマイクを駆使してコミュニケーションを取る風変わりなゲームで、Miloは話しを記憶し、身振りを認識し、かつゲーム以外で遊んでいてそのことをきちんと話すし、話したくない内容もあったりする。電源を切っている間もMiloは活動していて、向こうの世界で自分の生活を送っている。

ところがこれが上手くいかない。理由はいくつがある。そもそも目指した先の完成形が複雑すぎたが、それに反してKinectのスペックが予定よりも何回も下方修正され、さらに仕様変更が重なった。そのたびにライオンヘッドのスタッフたちは藻掻き苦しみながら内容を修正していった。
開発が遅延するたびにマイクロソフトの態度も変わっていった。Kinectはパーティゲーム向けであるとマイクロソフトは考えていて、かつ実際に消費者の受けもよかった。Milo & Kateのような新機軸コミニュケーションゲームにKinectを使っても受けないのではないか、と考え出した。
最終的にこのプロジェクトは頓挫する。ライオンヘッドのスタッフたちは次第にマイクロソフトに不信感を抱くようになった。

その後、このKinectでの開発経験を活かし、Fable: The Journeyの発売を行う。従来のFableはRPGであったが、これはFableの世界観を流用した、レールガンシューティング(ハウスオブザデッド、や、タイムクライシス、もしくはドラゴンクエストソード)のようなアクションだった。Kinectを使って魔法を使い、敵を排除する。悪いゲームではなかったが、Fableファンは不満を覚え、開発スタッフも「なぜこんなごく普通のゲームを作らねばならないのか?」と思いながら作る羽目になった。
マイクロソフトとの意見衝突は続いた。マイクロソフトはプラットフォーマーとしての責任がある。Kinectを活用させるために、もっとラインナップを拡充させねばならないし、Fableブランドを活用して収益を上げねばならないのだ。Fable: The Journeyのセールスにはマイクロソフトは不満だった。もっと収益をあげねばならない。

アイデアが降ってわいた。そうだ! Fableブランドを利用した新作ゲームをつくろう! 無料ゲームだ! アイテム課金でファンから収益をがっぽり稼げるような奴を作らせればいいのだ!
ライオンヘッドは猛反対した。Fable3がこの前に出ていたが、最終段階の詰めの甘さで満足いった代物ではなかったからだ。後もう少し予算と納期が貰えれば。今度こそというところに、そんな無料ゲームを作りたくはなかった。
マイクロソフトは圧力をかける。無料ゲームを作るか、もしくは、スタジオ閉鎖か。

スタジオ閉鎖を待たず、そのスタッフの多くはライオンヘッドを辞めていった。残されたスタッフではマイクロソフトの圧力に抗いきれず、Fableの新作が動き出した。しかし、そんな状況で新作ゲームがまともにつくれるはずはなかった。開発はずるずると伸び、公開日は延期を重ねた。

フィルが見たライオンヘッドは、もはやボロボロになっていた。中核を担うスタッフはなく、あるのはFableブランドのIPだけ。閉鎖はもはや避けようがなかった。しかし、この状況に追い込んだのはマイクロソフト自身だったのだ。


最高責任者となって数週間後、フィルの元へマイクロソフトCEO、サティア・ナデラからの電話があった。彼は深刻そうな声色でこう切り出した。

なぜマイクロソフトがゲーム事業を行っているのか……。私には、それがわからないんだよ

フィルは状況が最悪であることを認識していたが、まさかここまで悪化しているとは思っていなかった。マイクロソフトは、Xboxから撤退することもありえると、CEOが語っているのだ!

フィルは慎重に、しかし力強く返した。

もしマイクロソフトがゲーム業界にとどまるつもりなら……全力でこれにぶつかるべきです。ゲーム事業は余技だから片手間で行う、なんてことはもう見たくありません。我々が何物であるか、見直しましょう。

この答えはナデラCEOを必ずしも満足させたわけではなかったが、少なくとも明日には即Xbox事業が撤退、ということはなくなった。しかしフィルは早急にXboxを立て直す必要に迫られた。可能な限り、早く。


そこからフィルの動きは素早かった。E3 2014を目の前にユーザー向けにフィードバックサイトを開設した。

もう、ユーザーと末端スタッフが見ているものと、マイクロソフトの上層部が見ているものとが違う、などということはあってはならなかった。ユーザーからの意見を集約し、それを反映させなければならない。Xboxとはなんであるか。その魂を再び空っぽになった箱に呼び戻すのだ。

しかしユーザーからの意見を反映し、それにより支持を取り戻すのは必須作業ではあるが、即応性はなかった。きっとこれによって売上が伸びるのはもっともっと先の話だろう。やらなければならないことではあるが、売上を伸ばすためにはもっと別の、即応性のあるプランを実行せねばならなかった。

フィルは次なる一手を繰り出す。すぐに売上を大きく伸ばす方法。企業買収しかなかった。しかしどこにそんな企業があるのか。あった。スウェーデンにそれがある。Mojang Studiosを買収しようとマイクロソフトは動き出した。それは「マインクラフト」と呼ばれるゲームを作っていた。

マインクラフトは世界的な知名度を有し、この時点ですでに1000万本を大きく超える売上本数を誇っていた。しかしMojang Studios自体は大きな企業の傘下にいるわけではなく、あくまでインディーズのままだった。かつ、社員に十分な給与が支払われているというわけでもなく、十分な自己資金を備えているというわけでもなかった。はたして半年後に部下たちの給料は払えるだろうか? 経営的には不安要素もあったのである。

フィルの部下、マット・ブーティー(Matt Booty)が特命を追って飛んだ。Mojang Studiosに掛け合い、いくつもの約束事を行った。それは今までのマイクロソフトとは違うものだった。マットは断言した。『Minecraft に有害なことをするつもりはない』と。

こういった買収が行われると、マイクロソフトのような大企業の場合、自分たちのやり方を子会社に押しつけてしまいがちだ。
サーバーはAWS(Amazonのレンタルサーバー)を使っている? じゃあ明日からAzure(マイクロソフトのレンタルサーバー)に移行する作業に移ってくれ。プログラムはjavaなのか? それならC言語にしよう。
……そうした作業はマイクロソフト的には将来を見据えたアドバイス(ついでに自社の利益にもなる)なのだが、子会社からしたらたまったものではなかった。そんなことをしても、新しいものが何か一つ生まれるわけでもないのだから。

何回か昼食を交えながらマットとMojang Studiosの幹部は会談を行った。次第にMojang Studiosはマットとマイクロソフトを信用してもよいと考えるようになった。そしてナデラCEOの許可が下りた。最終的には25億ドルという巨額の資金でマイクロソフトはMojang Studiosを買収することにお互いが合意する。まさしく大型買収劇だった。

この買収は大きなプラスになった。Mojang Studiosは経営的な安定を得ることができ、マインクラフトの開発に専念することができた。そしてマイクロソフトはこのときのMojang Studiosへの買収をフィードバックし、他ゲームスタジオの運営方法を学んでいった。なにより、マインクラフトの収入がマイクロソフトのゲーム事業部のものとして扱われた。

空っぽだった箱に熱い魂が戻りつつあった。

そしてフィルは重大な指針を決めた。買収完了後、彼の元にソニーから電話がかかってきた。

PlayStationからマインクラフトを引き上げるつもりかい?

https://www.gamespot.com/articles/phil-spencer-is-exactly-who-you-think-he-is/1100-6468846/

マインクラフトはPC、Xboxの他、PS3/4にも出ているマルチソフトだった。それがマイクロソフトに買収された、となればPCとXboxのみのソフトになってしまってもおかしくなかった。しかしフィルはこう返した。

なぜそんなことをしなきゃいけないんだ? みんな、PlayStationでマインクラフトをするのが大好きだろう?

https://www.gamespot.com/articles/phil-spencer-is-exactly-who-you-think-he-is/1100-6468846/

彼はこのゲーム業界を「陣取りゲーム」のようには考えていなかった。XboxOneやPS4のようにプラットフォームが一新されるたびに買い換えているユーザー層は、さほど多くない。単一のデバイスだけでリード出来ることなどないのだ。長年のゲーマー経験で得た知見がそれだった。

そう、一新するたびに買い換えている層は多くないのだ。では、そうではない層は何をしているのか? 決まっている。同じゲームをずっとずっとやり続けているのだ。おかしい話ではない。PS2が圧勝した要因の一つにPS1との完全な互換性も含まれている。PS3でそれは損なわれてしまったが、Xbox360ではそれを見習い、一部の初代Xboxソフトが動く互換性が備わっていた。XboxOneでは未だその機能は実装されていなかった。

先のフィードバックサイトでもXbox360への互換は強く望まれていた。フィルはXboxOneにXbox360ソフトの互換を実現させねばと思った。しかしそれは容易ではなかった。XboxOneは実は、Xbox360よりも低速な箇所が存在したからである。

これはXboxOneが特別チープな出来だったから、というわけではない。同等の理由でPS4にはPS3の互換性はない。PS3に搭載されていたCellプロセッサは3.2GHzで動き、PS4のJaguarプロセッサは1.6GHzで動作する。内部構造的にかなり違いがあるので一概に性能を評することはできないが、まず3.2GHzで動いているプログラムをそのまま1.6GHzのプロセッサで動かそうとしても不可能だった。

Xbox360で初代Xboxソフトを動かすために使われた手法は、初代Xbox用のソフトを全部360用に新たに作り直して動かすものだった。今回もそれを採用しても良いが、作業量が尋常でなくなってしまう。360ソフトは数が多かったので、当然互換を要望されるソフトも多い。その手法は限界があった。

いったいどうすればいいのか。フィルは開発者に指示を出す。目的は「XboxOne上でそっくりそのままXbox360を動かす」というものだ。XboxOneOS上でさらに360OSを動かし、そこでゲームを動かせば大抵のゲームはそのまま動いてくれる。かつ、調整作業も一気に減らせる。これで行こう! 無理難題に開発者は答えた。
E3 2015でこの新機能が発表されたとき、ユーザーは拍手で答えたが、皆がこの機能が実装されることを知っていた。あまりに出来が良すぎたために、フィルが夢中で下位互換ゲームをやり、そのおかげで彼のゲーマータグから下位互換ソフトを動かしていたことがバレてしまったのだった(補足するが、すべての360ソフトがXboxOne上で動くわけではない。また少数ながら一部の初代XboxソフトもXboxOneで互換動作をする)。

フィルは下位互換性に並々ならぬ意欲を見せていた。彼は、ゲームを芸術と認識していたからである。

私は、ゲームを芸術の一形態として捉えています。コンソールゲームは、ハードウェアの世代交代が進むと、失われる可能性があります。過去のゲームをプレイすることが難しくなることもあるのです

https://www.wired.co.uk/article/xbox-one-x-inside-story-microsoft

フィルが純粋なゲーマーである、ということが、次第にファンの中で周知されてきはじめた。そして純粋なゲーマーであるが故、実現性の薄い案でも通そうとする。その一つが「クロスプラットフォーム」構想である。

マインクラフトはPS4版と、XboxOne版は別に売られており、オンラインで繋ぐ場合もそれぞれは別のゲームとして扱われるため、繋ぐことはできない。これはCall Of Duty、Battle Fieldといった他のゲームでも同様だ。しかしフィルはこれをなんとか乗り越えさせようとした。PS4版マインクラフトと、Xbox版マインクラフトと、任天堂機版マインクラフトでつながることができたら……ユーザーは大喜びするじゃないか! 友達同士がより簡単に繋がることができるんだから。

フィルのこのアイデアは元々はソニーのものだった。そのときはマイクロソフト側からこれを拒絶してしまい流れてしまった経緯があった。フィルがXbox最高責任者になったことにより、改めてこの構想を提示しソニー側に協力を依頼する。しかし今度はソニー側がそれを拒絶した。立場的にひっくり返ってしまったわけだが、フィルは諦めずそのまま任天堂にこの話しを持って行った。そして見事に任天堂と握手をすることになる。マインクラフトはXboxと任天堂機において、オンラインで繋がることに成功した。時間をおき、ソニーも態度を再び変えてくれた。これで三社間のクロスプラットフォームが実現した。このとき「ロケットリーグ」もクロスプラットフォームを実現し、今ではさらにタイトルは拡充している。

フィルの耳に一つの情報が入ってくる。ソニーがPS4をさらにハイパワー化させた、PS4PROを発売するというのだ。来るべき4K解像度時代に先行し、高画質出力可能なアッパーバージョンを発売する。

XboxOneはPS4よりも非力だった。ここでPS4PROを出されたらその差は決定的に開いてしまう。対抗機が必要だった。ここでフィルは既存のXboxOneも改良せねばならないと考えていた。PS4に近づける努力をしなければならない。しかし、途中でゲーム機の性能をあげるということは可能だろうか?

XboxOneは性能こそPS4に劣っていたが、一つ先進的な機能を有していた。内部的に複数のOSが走っており、ゲームソフトは仮想化されたマシンの上で動作している。その結果、ハードウェア依存度が低くなり、本体仕様の変更が可能であった。
そして発売されたのがXboxOneSである。小型化され、GPU性能は約8%アップし、PS4との差がほんの少しは縮まった。普通、性能を向上させたアップグレード版を出した場合、ゲームはそれに対応したソフトでないと高速化・高画質化しない。Newニンテンドー3DSはそれに対応したソフトでないと速くならないのだ。
しかしXboxOneSはすべてのゲームがそれなりに高速化した。同等機能はPS4PROのブーストモード(PRO非対応ソフトでも高速化できるモード)がある。しかし全てのソフトで完全に動作するわけではない、一部ソフトでは不具合を起こす、あくまでおまけ機能だった。本領発揮はあくまでPS4PRO対応ソフトだ。
XboxOneSではきっちり全てのソフトが高速化された。とはいえPS4PROのブーストモードと比較するとあまりに小幅な性能アップであったため、それ目当てでXboxOneSに買い換えるユーザーは多くはないだろうが。

その後本命がやってきた。XboxOneX。4K解像度に対応させたハイパワーXboxだった。これは性能的にはPS4はおろか、PS4PROすら上回る。マシンパワーNo1の座を狙う秘策だった。ゲーマーにはリマスターレベルで画質が改善されたゲームが届けられた。
しかしXboxOneX(X多過ぎじゃないかこの名前?)に秘められたのはハイパワーだけではなかった。筐体内のエアフローが計算されつくして、人の耳に回転ファンの風切り音が聞こえないようにまでに至った。
通常、性能と発熱はトレードオフだ。高性能ならその分熱がでる。熱がでたらそれを外気に送らねばならない。ファンは高速でまわり、風切り音が耳につくようになる。300W消費するゲーミングPC用のGPUはファンが三つくっついてそれぞれが高速回転してまるでジェット機のようだったりする(余談だがはるか昔NVIDIAが出したFX5800というGPUはその設計思想の失敗と形状から「ヘアドライヤー」と評された。本当にドライヤー並にうるさかった)。
しかしXboxOneXはそれを乗り切った。180W分発熱するハードとしてありえない静かさを保持していた。ゲーマーは高画質と、快適なプレイ環境を求めている。ならば静かな筐体は間違いなく求められている。フィルの目の付け所は正しかった。ゲーマーにXboxOneXは受け入れられた。

だが、状況が上向いたのはあくまで海外、特にアメリカだった。日本においては2016年、ついに流通が陥落する。小売でXbox関連商品が売れることはなかった。そして流通を取り締まっていたハピネットがXboxから手を引いてしまったのだった。以降はマイクロソフト自身が全国の小売に直接販売するか、かわりの問屋を探さねばならなかった。しかし動かない在庫に小売もうんざりしていた。Xbox取扱店はどんどんと少なくなり、残っていた店舗の棚も縮小されていった。

日本からの撤退が目の前に迫っていた。しかし日本市場は相変わらず重要拠点だった。もしここから撤退したら、各種日本のゲームメーカーからの協力は一気に減ってしまうことだろう。なにか抜本的な解決手段が必要だった。取り急ぎXboxOneXは自社の通販サイトMicrosoft Storeで売り、家電ルートを活用してヨドバシカメラやビックカメラといった小売店でも販売した。通販は興味がある人なら買うが、知らない人は絶対に買うことがない。パッケージが小売店に置かれることの広告効果を無視してはいけなかった。しかし今の日本市場でXboxがそこまで存在感を誇示することができていなかった。なにかないか、この状況をひっくり返す一手が。

並行してMicrosoftはMojang Studios以外の開発会社を次々に買収していった。それでいて開発会社のマルチ展開は推進していた。
直接的な子会社ではないが、オーストリアにMoon Studiosという開発会社がある。ここが出した「ori」はMicrosoftがパブリッシャーとなり開発資金を提供する立場で、当初XboxとPCのみの発売だった。ところが新規要素を足した完全版「Ori and the Blind Forest: Definitive Edition」を発売にあたっては、NintendoSwitch版も発売した(パブリッシャーは別になったが)。

そして、マイクロソフトの支援がなければ存在できなかったソフトがある。カナダのインディースタジオStudio MDHRが発売した「Cuphead」である。

古典カートゥーンアニメ風のキャラクターがとにかく動く動く。そして見た目に反して中身はかつての8bit時代を思わせる高難易度。何度も挑戦した上で頭を活用しないとクリアできない歯ごたえと、恐ろしく高品質なグラフィックは発表とともに大きな話題となった。

実はこのCupheadを作ったMDHR、インディースタジオというのは立派すぎる表現で、実際は二人の兄弟だけのこじんまりした個人制作スタジオだった。その期間約7年間である。上の動くキャラクターはすべて一枚一枚手書きで描いたものだ。

彼らは兼業でこのゲームに打ち込んでいたが、とあるインディーゲームのイベントにこれをだしたところ、Xboxの担当者の目にとまる。このゲームに無限の可能性を見いだした担当者は専売契約を進めてきて、彼らはこれに乗った。さほど大きくないが資金援助を得ることができ、かつマーケティングの支援を約束された(実際にE3 2015のイベントにPVどころか、彼ら二人がステージの上に登場するほどの推しっぷりだ)。このPVの時点で多くのゲーマーの心を掴んだ。このCupheadの早期発売を望む声が二人に多く届いた。

彼らは覚悟を決めた。務めていた仕事をやめ、このCupheadの制作に専念した。住んでいた家を抵当に入れて制作し続けた。スタッフも雇い20人に拡充した。

そうして出来上がったCupheadはヒット作になった。PCとXboxOne向けに発売され2週間で100万本売り上げた。評価も素晴らしい出来だった。

ところが、である。ある日マイクロソフトの担当者がMDHRに来てこう切り出した。

『CupheadのSwitch版をつくることに興味はないかい?』

なんとも不思議な話だが、Xboxの担当者がNintendoSwitch版を出そうと言い出した。これにMDHRの二人は乗った。マイクロソフトと任天堂の支援があり、Cupheadは見事にSwitch版を発売することに成功した。マイクロソフトと専売契約しているはずがなぜかSwitch版もでてしまった。なお、その一年後、プレイステーション4版も発売されてしまった。

マイクロソフトはプラットフォーマーでありながら、IPの価値を最大限に引き出すためのマルチソフト展開を繰り出していく。マイクロソフト自体の売上はどんどん上向いていった。Xbox事業が上手く回っている証拠だった。ナデラCEOもこの結果に満足だった。

フィルは時が来た、と考えた。今までやらねばならなかった一手を打ち出す時が来た。「GAMEPASS」構想である。
GAMEPASSはゲームのサブスクリプション(月額支払い利用サービス)である。ゲームのサブスクとなると、同等のものはプレイステーションの「PS NOW」(当時の旧名称)がそうであるし、ある意味「ニンテンドースイッチオンライン」もそうだろう(こちらは追加パックもある)。

GAMEPASSとそれらは何が違うのか。GAMEPASSは新作旧作ごちゃ混ぜの100タイトル以上を遊べるサブスクである。ゲーム版AmazonPrimeVideo、といえばだいたい伝わるだろう。しかもマイクロソフトの出す新作の多数がGAMEPASSで初日から遊べる。とんでもないサービスだった。HALO、Gears of War、Forzaが収録されていて、新作も過去作も遊ぶことができる。インディータイトルも多数入っていて、月ごとの入れ替わりだ。サードパーティタイトルも多く、日本のメーカーなら、バンダイナムコのエースコンバット7スカーレットネクサス、セガの龍が如くシリーズ(極も含めた全シリーズ)、スクウェアエニックスのドラゴンクエスト11ドラゴンクエストビルダーズ2と、恐るべきラインナップだ。もちろんこれは常時用意されているわけではないが、入れ替わる形でまた別のゲームがやってくる。

フィルは絶対にこのサービスをせねばならないと意欲的だった。しかしこんな大盤振る舞いをやってしまった場合、ゲームを購入する意欲を減衰させてしまうのではないだろうか? GAMEPASSに入ってしまえば、ゲームを買うことがなくても満足してしまうのでは?

フィルはそう考えなかった。多種多様のジャンルが用意されたサブスクなら、ゲーマーは今まで自分が触れてこなかったジャンルに手を伸ばし、新しい刺激を受けることで、購入意欲をかき立てられるはずだ、と睨んでいた。

そしてそのもくろみはみごと的中した。GAMEPASSは一気に1000万人が加入するサービスとなった。加入者の9割がより多くのゲームをプレイするようになり、より多くのマルチプレイゲームに参加し、自分が今まで触れてこなかったジャンルに手を伸ばした。GAMEPASSで遊べる範囲にDLCは含まれていないので、GAMEPASSに加入してソフト本体は購入せずとも、DLCは購入する、というユーザーが現れた。

開発者側もGAMEPASSに好意的になりつつあった。マイクロソフトはGAMEPASSに出してくれたソフトにまず事前に契約金を渡す。そしてその後は実際にプレイした人数と時間に応じてさらにロイヤリティを配布した。長く長く遊んで貰えるようなゲームを作れば、その分のロイヤリティが貰えるのだ。それは開発会社としてもありがたかった。

そして何よりこのGAMEPASS構想の妙は、日本のように流通会社が撤退した市場でも有効ということだ。通販で本体さえ手に入れてしまえば、GAMEPASSでゲームが多数遊べる。そしてそのままDLCやダウンロード版ソフトを買う導線が出来ているのだ。パッケージ版が流通できてないことは未だ問題ではあったが、次第にその問題も大きなものではなくなってきた。Xboxではダウンロード版を買う人数が過半数になりつつあったのである。これはXboxだけの話しではなくプレイステーションもそうで、遅れてSwitchもダウンロード版の比率が高まっていた。

Xboxがゲーム市場で存在感を取り戻してきた。いや、かつて以上に増してきた。さほど熱心ではないはずのカジュアルゲーマーたちも、GAMEPASSの魅力に気がつき始めた。GAMEPASSは複数用意されていた。Xbox用のものと、PC用のものと、そして両対応の三種類である。たとえXboxをもっていなくとも、PC用GAMEPASSでPC用ゲームを遊ぶことが出来た。そしてその後Xboxを買い直してそちらで同じゲームをやり直そうとした場合、同じセーブデータが連動して自動的にXbox側に送られ続きからプレイすることができた。

XboxOneの売上がPS4を上回る、ということは結局起きなかった。マイクロソフトはフィルが就任してからXboxOneの売上を公開することをやめた。傍目から見ればそれはPS4に勝つことができないから、というのが見え見えだったが、フィルはそれ以上のものを見込んでいた。単純にXboxをどれだけ普及させるか勝負、ということに興味がなかった。如何にコンテンツを拡充し、PCとの融和性を繋げ、ゲーム市場を広げる手助けが出来るかが問題だった。その上彼はプレイステーションも、任天堂も愛していた。

参考なまでに確実な情報を提示すると、AMDが2020年に公開した決算資料の中に「ゲーム機向けチップが累計1億5000万台に達する」という表記があった。PS4がこの時点で1億900万台と公開されていて、それを差し引くとXboxOneは4100万台ということになる。360時代から比較すると大きく差がついてしまった。しかしフィルもナデラCEOも不満ではなかった。この時代、一度は離れてしまったXboxのファンが戻りつつあったのがGAMEPASSの加入具合からわかっていたからだ。GAMEPASSの加入者は増加を続けていた。

来るべき機会が来た。XboxOneはそのちぐはぐな設計思想と初期のマーケティングの失敗を乗り越え、なんとか戦いを終わろうとしていた。

フィルは次世代機の制作を進めさせた。XboxOneのマーケティングが間違っていても、その中身の方向性は間違いではない、と彼は考えた。OSを三つ動作させ、仮想マシン上でゲームソフトを動かす仕様。これを引き継ぐとどうなるか。
「XboxOneソフトが全て高速動作する次世代機」が出来上がるのである。

全てのノウハウをつぎ込む時が来た。XboxOneXの筐体設計、AMDから買い取ったハイパワーGPU、そしてXboxOneソフトがそのまま動くOS。2020年11月、次世代機、XboxSeriesXが発売された。同じ月にプレイステーション5も発売された。

売上比は1対2程度であると見込まれ、事実そうだった。前評判の高いのはPS5の方だったし、ソニーは多額の資金で製造元TSMCのラインを抑えていたので、PS5初期出荷量を多数確保した。XboxSeriesX(それにしてもX多過ぎじゃないかこの名前?)が200万台売れた後ろで、PS5は400万台売れた。XboxOne時代の繰り返しであるように思えた。

それでもフィルは動じなかった。フィルが見ていたのはゲーム市場全体である。PS5との売上競争に興味はなかった。

フィルは何度も「コンソールウォーを辞めよう」と主張していた(日本語訳するなら「ゲーム機戦争」だろうか)。
フィルはソニーとのテクノロジー競争をしていることには同意するが、スポーツのように勝敗がつくようなものではないと考えていた。

ビジネスはスポーツではありません。違うのです。

https://www.gamespot.com/articles/xboxs-phil-spencer-rejects-the-console-war/1100-6468798/

アメリカでは(そして日本でも)プレイステーションの支持者と、Xboxの支持者と、任天堂の支持者が激しく対立することがあった。フィルはこれを否定する。ゲーム市場は各社が蹴落としあい、罵り合う場ではないと説明する。ゲーム業界は常に外部からの脅威にさらされている。たとえばルートボックスに関する法律(日本で言うところのガチャ規制だ)や、WHOが言い出したゲーム依存症問題。これらに対して業界は一致団結し協力して立ち向かって行かねばならない。最大のライバルは競合各社ではないのだ。

ゲーム機を購入しようとするゲーマーは、ほとんどの場合はその時代のハイエンド機種を一機種だけ購入する。プレイステーションとXboxを両方とも購入するゲーマーは、世界中にもさほど多くない。それ故「選ばなかったもう片方を好きになってはいけないのだ」と思い込んでしまうのかもしれない。フィルとしては当然その一機種にXboxを選んで欲しいとは願っている。だからといって選んでくれたXboxユーザーがプレイステーションを罵るような真似には及んで欲しくなかった。ゲームに関しては、共同の視点で見れば得るものが多いのだから。

一般層を巻きこんで、ゲーム市場をもっともっと活性化させなければならなかった。フィルの狙いはそこにあった。そしてそのためのもう一つの隠し球があった。
XboxSeriesSである。

XboxSeriesS(以下XSS)はXboxSeriesX(以下XSX)の廉価版である。4K出力に対応しているXSXと比較して、XSSは1440pまでの対応だった。メインチップは小ぶりだが、それでも旧世代機のPS4PRO以上の性能を持っていた。

ディスクドライブがついていなく、ダウンロード版オンリーだが、XSXより二万円安い29980円(税抜き)。機能的にはXSXと差がなく、クイックレジューム、3D立体音響、下位互換性といった目玉はそのまま活用できた。GAMEPASSの加入と一緒に購入した場合、恐ろしく手軽に次世代機を楽しめる機種だ。4Kテレビが入っていない多くの家庭に向けた機種でもある。

このXSSの利点はその生産工程にある。XSXのメインチップはPS5よりも大きく高コストだ。これはそのまま「一度に作れる量が少ない」ということに繋がる(ただしPS5がXSXより生産しやすい……というわけでもないのでご注意を。半導体は難しい)。
ところがXSSのメインチップは非常に小さい。コストは安くあがり、なおかつ大量に作ることが出来る。フィルは高性能なXSXよりも、むしろこのXSSのほうが数が出るメイン商材になり得る、と考えた。

この作戦は上手くいっただろうか? XSXの売上は非公開のままだ。相変わらずフィルはプレイステーションとの単純な台数競争に意味はなかった。しかし、こんなデータがある。

欧州インタラクティブ・ソフトウエア連盟(ISFE)が提供するゲームの売上データがある。2022年2月において、英国とドイツを除く欧州10か国(フランス、イタリアなど)では、XSX/XSSの合計がPS5の売り上げを上回ったという。アメリカの市場調査団体NPDも、2月の売上はXboxのほうが上だったと報じた。

XboxOne時代では決して起きないことが起き始めた。アメリカではともかく、欧州ではプレイステーションより多く出荷されることはなかったはずだった。フィルの狙いはあたり、生産力の優れたXSSはより多くの一般人に訴求し、購入意欲を刺激し、実際に買われていくことに成功した。

そしてそれは日本でも。
XboxOneは惨敗だった。ハピネットも撤退した。そんな状況の後でXSX/XSSは、一年あまりでXboxOneの記録を抜いて見せた。

次第に日本のXbox市場は再加熱を始めていた。XboxOneでは長らく本体在庫が小売の棚を占有していたが、XSX/XSSはほとんど見かけることがない。入荷と同時に皆が買い漁っていくからだ。おそらくその状況はまだしばらく続くだろう。

フィルの仕掛けは終わることを知らない。2022年頭、衝撃的なニュースがゲーム業界を揺るがした。マイクロソフトが、アクティビジョンブリザードを買収するというニュースだ。その金額、7.8兆円。

アクティビジョンブリザードは「Call of Duty」「Warcraft」「Hearthstone」「Diablo」などのIPをもつ超巨大ゲーム会社だ。マイクロソフトはこれ以前にもベセスダを買収(正確には親会社のZeniMax Media)し、新作ソフトであるStarFieldとRedfallの2タイトルをXbox独占として発表した。アクティビジョンブリザードを買収したということは、有名FPSであるCoDもを独占するのだろうか?

フィルはそれを否定した。

今週、ソニーの首脳陣と良い話ができました。私は、アクティビジョン・ブリザードの買収に際し、既存のすべての契約を尊重すること、そして「Call of Duty」を引き続きプレイステーションで発売することを確認しました。ソニーは我々の業界にとって重要な存在であり、この関係を大切にしたいと考えています。

StarFieldは一人用RPGであり、Redfallは新規IPのCoopFPSだ。すでに根強いファンがいるCoDとは違う、ということだろう。CoDをXbox専用ソフトにするという考えはフィルにはなかった。それはプレイステーションファンが嘆くだけなのだから(もしかしたらStarFieldも、Redfallも、あとからPS版を出すつもりなのかもしれない)。

フィルはソニーを、プレイステーションを尊敬していた。そしてそれは任天堂に対しても同じことだった。同じ業界に住むものとし、敬意を表し、時にはクロスプラットフォームという形で協力することだってあった。それはゲーム業界を健全な形で成長させていくのに必要な姿勢であった。

現在、GAMEPASSの会員数は2500万人を越えている。そしておそらくはもっと伸びるだろう。似たシステムである新PlayStation Plusも始まった。サブスクはゲーム業界を発展させる術として活用されることになった。

2020年、とあるニュースがゲーマーたちを驚かせた。マイクロソフトがFableの新作をつくるというのだ。

ライオンヘッドスタジオの代わりに開発するのはPlayground games。Forza Horizonシリーズを作っている一流のゲームスタジオである。これはフィルの懺悔だろうか。おそらくはそうであろう。スタジオはなくなってしまったが、Fableシリーズはまだ生き続けている。それを実証するためにマイクロソフトは全力を見せてきた。


Xboxは当初PS2対抗機として世に生まれた。

ソニーの敵、ライバル。Xboxに与えられた役割はそういったものであり、そして一度、魂を見失い迷走し、倒れた。

しかし、フィルによって熱い魂を込められ、再び立ち上がった。

その後のXboxはPSの敵やライバルのままだったろうか。そうではない。フィルは違うと言い切るだろう。
我々はゲーム業界という大きな枠組みの中で生きる仲間、同志である。Xboxは蘇り、PSの仲間としての立場(もちろん、Switchだって仲間だ)を新たに作り出した。

我らの目標は何か? 一人でも多く、ゲームで笑顔にすることだ。
敵とは誰か? 人々のいわれのない偏見と、無関心と、そしてとある県の条例のような政治家の無責任な人気取りだ。

それは理想論だろうか? 決してそんなことはない。事実これが実現できている場がすでに存在する。E3だ。
E3には各社の取締役席が用意されている。ソニーの席があり、マイクロソフトの席があり、任天堂の席があり、Take-Twoの席があり、EAの席があり……30人の各社の役員がそこにならび、話し合う。E3をどのように盛り上げるべきか、ゲーム業界の未来はどのように導かれるべきか……。このとき、敵はここにいない。全員が仲間であり、同志である(残念ながらE3 2022はキャンセルになってしまったが)。

Xboxはプレイステーションの対抗機ではなくなった。ただただゲーム業界を熱くさせ、皆を熱中させるべく突き進む熱い魂を宿した箱へと変貌した。

Xboxはなんであるか? フィルはこう答えるだろう。

「最高の、最高のゲーム機さ!」


もう一度立ち上がれ、Xbox -再建者フィル・スペンサー- 終わり

参考文献・参考URLは前編に記載

あとがき

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