ゲーム業界本に潜む不思議?な記述
以前私はこの記事の中でこんなことを書きました。
80年代から90年代にわたり書かれた書籍は、一流の著者らがゲーム業界について一生懸命書いてあるものばかりですが、基本ゲーム業界の外野な人たちなため、トンチンカンな解釈によるトンチンカンな記述になりがちです。
今回は小さなものから、致命的なものまで、幅広く探り、「如何にしてぶっ飛んだ解釈になってしまったか」を楽しんでもらう特別記事です。それでは早速始めましょう。
まずは小ネタから。
ちょっと詳しい人ならば「Zじゃなくて2!」と突っ込むこの記述、当時の校正さんの状況が覗えます。ゲーメストのライターさん並に悪筆だったのかもしれませんが、ちょっと可哀想ですね。正しくは「6502」です。
次は誤植ではなく「いったいなんでそうなったの?」的な物です。
ヘッジホッグとは何ぞや? と思いたくなる記述ですが、確かに画面だけを見れば青いネコといえなくもない、かもしれないのは否定できません。青いネコはドラえもんの方ですね(超高速で暴れ回るドラえもんを操作するゲームもそれはそれで面白そうだと思いました)。
この記述は著者が英語に疎いで終わりそうなのですが、ゲーム業界に疎い記述がこの次です。同書のP155の、ハドソンについて語ったくだりなのですが。
ボンバーマンがマニア好み!?
この本が発行されたのは1994年なのですが、この時点でスーパーファミコンのスーパーボンバーマンが友達と一緒に遊ぶゲームとしての最適解の位置に君臨しています。PCエンジン版のボンバーマンもマルチタップで5人プレイが大正解でした(ところでボンバーマンはパズルゲームでいいんでしょうか?)。
何を思ってこんな記述をしたのかわかりませんが、おそらく著者はボンバーマンをプレイしたことがなかったのでしょう。かつての高橋名人にも、全国キャラバンのことにも触れていないので、本当にハドソンが当時の子どもたちに大人気のメーカーだったことは知らないのだと思います。(ちなみにこの後の記述でハドソンはPCエンジンに注力しすぎてスーパーファミコンへの参入が遅れ、次第に任天堂と離れていったという記述がありますが、実際は92年からどんどんハドソンはスーパーファミコンにも注力してソフトを展開していっています)
同書のトンデモ記述はまだ続きます。
ナムコの妖怪道中記も、ハドソンのスーパー桃太郎電鉄もマルチソフトだったわけですが……。しかもこの頃から光栄(現コーエーテクモホールディングス)が頑張って各種にマルチ展開しており、三国志Ⅲは1992年にスーパーファミコン、メガドライブの同時発売を手がけています。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?