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夢を持つことはお金がかかること

夢を持つことができない理由


夢を持つことへのハードルとはなにか

「夢は年収1千万です」
というのが、私の夢でした。
夢というのは、口にすると叶うと聞いてから、周囲の人に言うようにしてきました。公言していたのです。
お金を手にすることがすべて、裕福な生活がすべてでした。
手段なんて、何でもよかったのです。


しかしこれは、私の夢ではなかったのです。
お金を手に入れるためには、手段を選ばないというのは、私の望んでいることではありませんでした。


ある時、「なぜ、年収を1千万にしたいのですか?」と質問されたことがありました。
いやいや、何を質問しているのですか。年収なんて、多いに越したことはないでしょう。多くの人が願っていることです。
今や、年収を上げることは難しくなっています。誰でもできる仕事を、まじめにやっているだけでは、年収はあがりません。

自営で経営をやってきたためか、借金は増えてきました。
しかし収入は、一般企業に勤めても、増えません。『失われた30年』といわれていますが、実際に昇給なんてほとんどなく、お金で良い思いをしたことがありませんでした。
お金さえ手に入れれば、幸せになれるという思いで、私の心は占領されていきました。こうした思いや経験が、「手段は何でもいいから、年収1千万になりたい」というものを夢に押し上げたのだと思います。

私は長い間、寿司屋を営んできましたが、世界の食生活の変化や、海の生き物の環境の変化などにより、お店を売却しました。
その後、しばらくは一般企業で勤めてきましたが、やはり『独立起業』をあきらめることができず、『コーチング』を習いました。
『コーチング』とは、目標設定している人や、悩んでいる人の話を聞きながら、その人がやる気が出るように導いていくというテクニックです。
しかし、コーチングを販売する段階になって、私の本性が現れました。

お客様からお金が取れないのです。
それを、こうした業界用語では『お金のブロック』と言います。
『お金のブロック』というのは、お金をもらうことに、抵抗をなくすことをいいます。自分が提供している『サービス(ここでは『コーチング』のこと)』は、自信をもってお金を取れるものなのだから、遠慮せずにお金をもらいましょう、ということです。

それができなかった。
考え方としてはわかるのですが、寿司のように原価もなく、基準もないものに値段をつけるのは抵抗がありました。
それは、今でも同じです。克服できていません。

そこから、そういうことを一切考えずに、好きなことをやるようにしました。読書の発信が多くなり、読書会や読書ノートの書き方などをお伝えしましたが、ほとんどお金は取っていません。それが楽しいのです。
ビジネスに長けている人は、こうした私の姿を笑うでしょう。
しかし、私には、そうしたくなる経験がありました。

コーチングを習ったときに数十万円という金額をつぎ込みました。
その時は、楽しかったですし、学びになりました。
満足感もありましたし、充足感もありました。
しかし、後悔したのです。
なぜなら、『お金の問題』がいつまでも無くならないからです。
もう、何年も前に受けたコーチングの講座の代金は、今でもマイナスとなっていて、生活を圧迫しているのです。
そんな思いまでしても、「この生活から脱却したい」という、切なる願いがあったわけです。こんな人は、私だけではないと思っています。

こういう経験を経て、人が学びたいという願いは、ある程度のお金がないと叶えられないという現状を変えていきたいと思っています。

学びというのは、遊びの中にあります。
どこかの会議室や会場を借りて、ホワイトボードを前にしないと学べないわけではありません。
興味関心のあるものに、夢中で取り組んでいく中で、創意工夫をしていく中に学びというものがあります。
そうした機会を提供していくことを目標にしていこうと思っています。

「夢は年収1千万円」
なんて、少し寂しいですし、この夢は自分自身の私腹を肥やす事しか考えられていません。自分の私腹を肥やすことに、「その先の未来」はありません。やはり、ある程度の年齢になった人間の夢というのは、未来の若者に託していくものであるべきだと思うのです。

机に向かうことだけではなく、どんなことにでも、一生懸命取り組んだ先には学びがあるのだということを、託していきたいのです。
大金をはたいて学びを得たものの、結果的に後悔することになってしまうような学びがすべてだと理解してしまうと、だれも学びというものと向き合おうとしません。

高学歴で高収入な人が「学びたい」という意味と、低収入な人が「学びたい」というのは、根本的に何かが違っているのだと思うのです。
低収入な人は、学びたいと思っていても、基本的には生活が最優先です。
生活ができなければ、学びどころではないのです。
だから、家庭を持った人は、「守りに入っている」と言われることが多く、思い切ったことができない。しかし、思い切ったことをする必要はなくて、毎日の少しの変化を愉しむことで、今の人生はもっと輝くものにできるのだと思います。
そうした、ちょっとした変化を、あたえられる、そんな学び舎をつくっていきたいと思うのです。

「お金がないと、幸せにはなれない」
という言葉のひとつには、こうした
「お金がないと学びすらままならない」
という意味も込められていると考えています。
私は、そんな現状に一石を投じたいのです。

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