見えてないの？？巧みな心理戦に負けた母…

昨日はひな祭りだった。

お雛飾りは、ひな祭りが過ぎたら、早くしまわないとお嫁にいきおくれる…とか、なんとかいういわれがある。とにかく早く片付けないとわたしの心も落ち着かない。

でも、行事や予定が立て込んでいてすぐに片付けるめどが立たない。ふと、とあることを思い出した。

すぐに片付けられないときは、お雛様・お内裏様などの人形たちを後ろ向きにさせればいい。

本当かどうかわからない。自分の気持ちを納得させるためにも、朝起きてすぐに、お人形たちを後ろ向きにさせた。

後ろ向きのお雛様。どこか寂しくて影があるのようにも感じるひな壇。

娘たちが起きてきて、すぐに後ろ向きのお雛様に気づく。

娘：「どうして、みんな後ろ向いているの？」

わたし：「どうしてかな？朝起きたらこうなっていたんだよね。ひな祭りが終わったからうしろを向いちゃったのかな」

娘：「ママはやっていないの？パパは？パパもさわっていない？」

わたしはお雛様たちが自分で後ろを向いたということを貫き通して、娘の受け答えをした。

作り話してない？本当に？

娘は、しばらく考えたのち、お雛様の前に座りこんだ。

「こっちを向いてよ!お雛様。動いて！」

下の娘も習い「こっちを向いておひなさま！」と二人で言い出した。

なんとも、かわいらしくてほほえましい光景！子どもの純真な心に触れたような気がした。

しばらく、お雛まさにお願いしていたのち、

娘が「あっ！！！」と突然大きな声を上げた。

わたしが、えっ？と思い、娘たちのほうを見ると、

「ほらママ見て！お雛様が、持っている扇をこっちに振ってくれたの！」

本当だ！すごいね。すごいね。あっ、また動いた！

と二人で盛り上がる娘たち。しばらく、お雛様の前で大騒ぎ。

そして、こちらをちらりといちべつし、にやりと笑って一言。

「えっ？ママ見えないの？？残念だね…」

・・・そうだね、わたしは純真な心を持ち合わせてないから、そういう類（たぐい）のものには疎くなっているのかもね。

なぜだか結果的に、どことない敗北感を味わうことになった、3月4日の朝の出来事。

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