最近読んだ特殊設定ミステリー3冊紹介します!【ミステリー小説紹介】
今回のnote記事はこちらの動画の内容になります。
もしかしたら「動画で紹介された内容を文章でも読みたい!」という需要もありそうかなと以前から思っていて、実験的にはなりますがnoteで公開してみます。文字起こしまではいきませんが、動画ではお伝えしきれなかった部分などを補いながら文章化してみました!
特殊設定ミステリーとは?
みなさんこんにちは!あべしぃです!今回は最近読んだ特殊設定ミステリー3冊紹介です!
まず、「特殊設定ミステリって何?」という方もいらっしゃると思います。実は特殊設定ミステリーの世界はとても奥が深く定義なども諸説ありなので、今回は自分なりの解釈を紹介します!
【📖特殊設定ミステリーとは?🕵】
SFやファンタジー要素など、現実世界では起こらないような特殊な設定が物語に盛り込まれ、その設定が謎解きに関係してくるようなミステリー作品のこと。
(※あべしぃ調べ)
こんな感じでふわっとイメージしながら、特殊設定ミステリーを楽しんでいます。
最近ショート動画で紹介させて頂いた作品だと、小林泰三さん『わざわざゾンビを殺す人間なんていない』とか、似鳥鶏さん『推理大戦』といった作品がそうですね!
特殊設定ミステリーはここ数年のトレンドと言っていいのではないかというほど、沢山の作品が刊行されていたり、雑誌で特集されていたりします!最近だと小説現代9月号で特集されていて、とても話題になりました。
どれか一冊でも特殊設定ミステリー作品を読むと「なるほどね!こんな感じのミステリーね!」と、イメージが出来るようになるはず!そして次に書店で「特殊設定」の文字を見つけては読みたくなってしまうはずです!
1.孤島の来訪者(方丈貴恵著/東京創元社)
📖あらすじ紹介
復讐を誓い孤島に向かった竜泉佑樹は、不可解な殺人事件に巻き込まれる。その犯行には人ではないものが絡み、謎解きは予想外の展開へ……。『時空旅行者の砂時計』に連なる、〈竜泉家の一族〉シリーズ第2弾。
(※東京創元社サイトより引用)
まず一冊目の紹介です。こちらずっと読みたかったのに読めずにいた作品でした。鮎川哲也賞受賞作「時空旅行者の砂時計」が好きなので、とても気になっていました。
絶海の孤島クローズド・サークル、読者への挑戦状付きですので、ガチガチの本格ミステリファンの方ほど楽しめると思いますし、何より「こんな特殊設定読んだことない!!」ってなった作品です。
また帯にもぜひ注目して頂きたくて、「この島、普通じゃない」と書かれている通り、まさにその通りの島が舞台です。特殊設定なポイントも紹介したいのですが、「特殊設定であることだけを知った状態(事前情報ほぼゼロ)」で手に取って欲しい。
先ほどもお伝えした通り、今回紹介する作品の中でもかなり本格ミステリ度強めの作品!
特殊設定ミステリの核となるルール設定とか、世界観の作りこみみたいなところが本当に凄いので、今までの紹介を読んでピンときた方にはぜひおすすめさせて頂きたいです!
ちなみに最近「本格王2021」収録作の「アミュレット・ホテル」を読みました!そちらも面白かったです!「孤島の来訪者」、前作「時空旅行者の砂時計」ファンの方には絶対に読んで頂きたいです!
2.老虎残夢(桃野雑派著/講談社)
📖あらすじ紹介
最侠のヒロイン誕生!湖上の楼閣で舞い、少女は大人になった。彼女が求めるのは、復讐か恋か?
私は愛されていたのだろうか?
問うべき師が息絶えたのは、圧倒的な密室だった。
碧い目をした武術の達人梁泰隆。その弟子で、決して癒えぬ傷をもつ蒼紫苑。料理上手な泰隆の養女梁恋華。三人慎ましく暮らしていければ、幸せだったのに。雪の降る夜、その平穏な暮らしは打ち破られた。
「館」×「孤島」×「特殊設定」×「百合」!
乱歩賞の逆襲が始まった!
(※講談社サイトより引用)
本作は第67回江戸川乱歩賞受賞作!ちなみに今年の乱歩賞は二作同時受賞になっていて、もう一作は『北緯43度のコールドケース(伏尾美紀著)』です!
こちらは北海道が舞台の警察ミステリということで、とても気になっている一冊。
江戸川乱歩賞受賞作という事前情報のみで読み始めたので、読み始め早々とても驚きました。
物語冒頭のアクションシーンや中国・南宋時代という舞台設定。「あれ、今読んでるのミステリーだよね…?」と疑問を抱いたり、時代背景に驚きながら読み進めているうちに、なんと読み心地が突然本格ミステリに大変身!
本作の特殊設定ポイントは「登場人物たちの操る武術を元にした特殊設定」です。さらには雪に囲まれた密室状況。もしかして不可能犯罪なのでは…?これは面白くないはずがないと、前のめりになりながら一気に読み進めました。
中国の歴史に疎いので詳細は分からなかったのですが、物語の時代背景を調べながら読んだらもっと楽しめそうだと思いました。むしろ「老虎残夢」を軸に南宋時代を勉強したいぐらいです。
本格ミステリが好き、驚くような特殊設定ミステリが読みたい方はもちろん、歴史ミステリーが好きな方にもおすすめしたい作品です。
個人的には江戸川乱歩賞で特殊設定ミステリが読めるの!?という驚きと嬉しさが凄かったです。ちなみに本作を原作としたミュージックビデオ「紫 / TOOBOE」が公開されています!シンプルにとてもかっこ良かった!読了された方はぜひチェックして欲しいです!小説と音楽のコラボ、良いですね!
3.袋小路くんは今日もクローズドサークルにいる(日部星花著/宝島社文庫)
📖あらすじ紹介
扉も窓も開かず、破ることすらできない。携帯電話は圏外で、固定電話もなぜか繋がらない――事件現場に立ち入ると、その空間を強制的に“クローズドサークル”にしてしまう呪いを持った高校生・袋小路鍵人。解除するには、事件の真相を究明しなければならず……。校内で呪いが発動するたび、行動をともにする美少女・時任さんの推理力を頼りに、閉鎖状況から脱出すべく事件解決を目指す!
(※宝島社サイトより引用)
ちなみにこちらの作品は著者の日部星花さんよりご恵贈頂いた作品です!ありがとうございます!
ミステリ好きなら、一目見ただけで気になってしまうタイトル。帯に書かれた「特殊設定」、「不可能犯罪」。まず、クローズド・サークルと聞いてピンとくる方に推したい作品。
本作の特殊設定なポイントは「強制的にクローズドサークルにしてしまう呪い」です。これは主人公が持つ呪い(特殊能力)なのですが、物語を読む前から思わずワクワクしてしまうとても面白い特殊設定です。
「突然だが、クローズドサークルという言葉をご存知だろうか。(p.8)」という一文から始まる物語。全5章からなる連作短編集で、目次が第一章クローズド・グランドフロア、第二章クローズド・セカンドフロア、第三章…という構成。
次から次へと現れるクローズド・サークル。
ミステリが好きな方は1行目から心掴まれるし、逆に「特殊設定って何?クローズドサークル読んだことないけど平気かな…?」という方でも楽しめる作品だと思います!
特殊設定ミステリーですし、驚きの展開に身構えながら読み進めていましたが、まさかこんなに驚かされるなんて…!!予想を遥かに超える驚きが待っていました。
読後はすぐ最初に戻って読み返してしまいました…!!読まれた方ならきっとこの気持ちを分かって頂けるはず。
さっきから驚いたばかりお伝えしているのですが、それだけじゃありません。物語性というか、この登場人物たちをこれからも追いかけたい!という気持ちになりました。
作品シリーズ化と、難しいかもですが映像化まで期待してしまいます!
ライトに読めるので本格ミステリー最初の一冊にも推したいし、ホームズが好きな人にも推したい一冊です!ちなみに著者インタビュー記事を読んだのですが、こちらの作品はだいたいスマホで書かれた作品だそうです!すごい!
まとめ
というわけで今回は最近読んだ特殊設定ミステリーを3冊紹介しました!
どの作品も面白くて、もっと特殊設定作品を読みたくなってしまいました。特殊設定ミステリーの歴史を調べてみたり、時代順に遡って読み進めてみたり…。
「特殊設定ミステリー」というテーマだけで、まだまだ動画を作れてしまいそうです。作れるかどうかは置いといて、これからも追いかけていきたい好きなジャンルです。
今回紹介した作品の他にも本当に沢山の特殊設定ミステリー作品があります!ぜひ気になる作品から手に取ってみて下さい!
動画の内容と完全一致ではないのですが、いかがでしたでしょうか?次に読む作品探しの参考にして頂ければ幸いです!今後も不定期にYouTube動画のnote化を進めていきます!引き続きnoteバージョンでもお楽しみ下さい!コメント・フォローよろしくお願いします🍞!
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