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採血恐怖症を克服した話

それは一つの冒険だった。
ということで採血が苦手だった僕が昨日、元気なまま健康診断を終えることができたので、その話を書いておきます。
全世界の採血恐怖症の同士達の救世主になれればと思います。

採血恐怖症の始まり

僕の採血恐怖症の始まりは突然でした。
学生の頃は何の気なしにできていた採血が、2年前の健康診断でいきなり苦手になってしまったのです。
その日はうまく血管が出ず、2回注射し直したのですが、その2回目に軽い吐き気を催し、さらに指先に力が入らなくなってしまい「すみません、気持ち悪くなってしまいました…」と素直に看護師さんへ伝えました。
その結果、ベッドに寝た状態で採血してもらったのですが、その後も吐き気が止まらず帰り道で死にそうになってました。

採血に怯える日々

2年前の健康診断の採血がトラウマになってしまい、去年は健康診断の1週間前から「やだなぁ、行きたくないなぁ」と思うようになり、当日は「なんとか休めないか」などと考えるようになってました。
また、採血のこと、もっと言えば血のことを考えるだけで気持ち悪くなるようになってしまい、完全に採血に呪われてしまってました。特級呪物です。
そんな状態で健康診断に臨んだらどうなるかなど火を見るよりも明らかで、採血前の血圧測定だけで気持ち悪くなってしまい、採血前の「これまで採血してご気分悪くなられたことありますか?」の質問に「既に気持ち悪いです」と回答しました。多分なかなかない回答だと思います。
結果、2年前同様にベッドに寝た状態で採血してもらいました。

打倒、採血恐怖症

このままでは毎年健康診断の度に怯える羽目になってしまうと危機感を覚え、今年こそは採血恐怖症を克服したいと思い立ちます。
そして、当日までは健康診断のことはできるだけ考えず、当日はもう無心で終わらせてしまうという神戦略を思いつきました。
健康診断のことを一切考えず当日を迎えたところ、朝から気分が良く、「これはいける!」と自分に言い聞かせ病院に向かいます。

トラウマは簡単には消えない

病院に着き、受付を済ませ、着々と診察を進めていきました。そのスムーズさと一切の不安の無さに、心には多少の余裕までもが生まれていました。
去年は苦汁を飲まされたあの血圧測定さえも、むしろ何も感じず余裕の勝利。
「いける!今日は大丈夫!」
朝から続いていたこの僕の勢いは、無惨にもここでストップします。
「採血、今混み合っていますのでここで座ってお待ちください」
採血…?あの、気持ち悪くなるやつ…?
このセリフで一気に我に返ってしまった挙句、待たされることで段々恐怖が近づいてきていると感じてしまい、一気に怖くなってしまいました。
そんな状態でついに自分の名前が呼ばれます。

見出した勝機

怖いという感情に飲み込まれかけた状態で、採血の部屋に入室。
「これまで採血してご気分悪くなられたことありますか?」
どうする…また去年のように正直言って、ベッドで採ってもらうか…?
「はい、あります…」
「では、ベッドで寝そべった状態で採りますか?」
いや、このままじゃ一生採血に怯えて生きていくことになる…それは嫌だ…!
「いえ…今日は大丈夫な気がします…!」
「わかりました」
とは言ったものの正直怖いし、なんならもう既にちょっと気持ち悪い。
「ではちょっとチクッとしますよー」
目を瞑り、考えを巡らす。
なにか、なにかまったく違うことに集中しないと…!
そう思った僕はとりあえず脳内でいきなりスカイダイビングを始めました。
遥か上空から垂直落下しています。足が浮き、風に身体を持っていかれそうになりながら、いつでもパラシュートを開けるように紐を握ります。強い風に当てられ、でも「楽しい」「気持ちいい」この時間をいつまでも過ごし続けたい。始めは地上が見えないほど上空にいたはずなのに、気づけば地面がはっきり見えるほど下降しています。そろそろか、そろそろか、とギリギリのところまでこの身を地球に引きつけ、紐を…!

「はい、終わりましたよー」
スカイダイビングと採血が終わったのはほぼ同時でした。気がつけば採血は終わっており、気持ち悪さも一切ありません。まるで夢でも見ていたかのような臨場感溢れるスカイダイビング。それは一つの冒険だった。

おわり

ということで現実逃避で採血を乗り越えたというお話でした。正直まじで脳内妄想スカイダイビングゲーミングに集中しすぎて一瞬でした。
久しぶりに気分良く健康診断から帰還することができて本当に良かったです。来年からは毎年スカイダイビングしようと思います。ちなみにスカイダイビングはしたことないです。
同じく採血が怖いという悩みを持つ方は是非やってみてください!(目を瞑るのが結構効果的かも?)

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