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【前編】観戦記風に天鳳名人戦の好きな選手を紹介していきます【(≧▽≦)編①】

前回アップした太くないおを紹介した天鳳名人戦の観戦記が、今まで書いた記事の中で一番反響がありました。

う、う、嬉しい( ;∀;)

そして、なんとあの福地先生にも褒めていただいた…( ;∀;)

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福地先生の本は、麻雀を覚えたばかりの大学生の頃にめちゃくちゃ読んでたんですよね。特に↓のコンビニの本のコーナーに置いてあるやつは当時とっても反響があって、売り切れでコンビニをはしごしてなんとか手に入れたんだよなぁ。当時の塩澤青年はピンフドラ1をダマテンにしてしまうようなセンスの欠片もない打ち手でしたが、この本を読んでからは麻雀の必勝法を身に付けたような顔をしながら、狂ったようにドラ1愚形のリーチを打ちまくっていたのでした。

そんなこんなで、褒められて嬉しかったので第2回を書きます(単純)

2人目に紹介するプレイヤーはこちら。

2代目天鳳位 (≧▽≦)

無題

IDは顔文字なので、以前使われていたアカウント名からマーク2と呼ばれています。

初代天鳳位のASAPINさんが誕生した2週間後に天鳳位になられたそうで、なんと当時は大学2年生の19歳だったそう。さらに驚くべきことに、麻雀を覚えてから2年しか経っていなかったとのこと。まさに天才。もちろんその2年間で寝る間も惜しんで打ち込んだのでしょうが、圧倒的なセンスがないと2年で天鳳位にはなれないですよね。前述の通り、私が麻雀歴2年の頃はピンフドラ1をしっかりとダマテンにして2000点アガるような打ち手だったわけですから、えらい違いですねぇ~。

こちらの記事で自己紹介をしているので、詳しく知りたい方はこちらから!

また、youtubeのチャンネルもあり、雀魂の配信や検討の動画などをアップしています。センスの塊、マーク2がどんなことを考えながら麻雀を打っているのか聞けるので、こちらも是非!


そしてなんと、とってもタイムリーなことに昨日の夜に初代天鳳位ASAPINと2代目天鳳位のマーク2でこの天鳳名人戦の牌譜検討をするという贅沢な配信があったそうのです。
アーカイブのリンクを貼っておきます。



それでは、名人戦の対局に行く前にマーク2がどんな打ち手なのかを紹介します。こちらは天鳳の解析機能を使って、歴代天鳳位の詳細データを列挙したものです。

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マーク2の麻雀の特徴は、なんといっても「副露」にあります。天鳳位の中では最も高い副露率で、その数値は40%近いものになっています。

じゃあなんでもかんでも鳴いているのかといえばそんなことはなくて、立直率も天鳳位の中で3番目の17.3%を誇ります。

さきほどの画像中央にある数値の「副露巡目」に目をやると、1副露目の平均巡目が6.4巡目と全体の2番目の数字です。また、画像下部の「副露時向聴(シャンテン)数」を見ると1副露目の平均シャンテン数は1.52で天鳳位の中で一番数値が大きくなっています。

これらの数字が示す意味としては、
「テンパイから遠いときは早めに門前を放棄して、副露を駆使してアガリに向かっている」ということです。

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それは、この画像に載っている「6巡目」での「平均シャンテン数」の数値が歴代の天鳳位の中で2番目に低いことからも伺えるでしょう。
(最も低いのは太くないお)


立直が打てる手のときは門前でじっくりと。
間に合わないと思えばスッと仕掛けてアガリに向かう。

アガリに貪欲なタイプは、相手にすると本当に面倒くさいんですよね~。
あ、ちなみに「面倒くさい」という言葉は麻雀界においてはとっておきの褒め言葉とされています。

それではそんなマーク2の天鳳名人戦の1節目を見ていきましょう。

1半荘目

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南入して2着目で迎えた親番。
567や、東が対子ですが遠くにメンタンピンも見えるような手牌。
しかし、上家のトップ目が仕掛けた瞬間、「チー」の発声。
トップ目が字牌から切り出して中張牌も切っているそこそこな河から仕掛けを入れて局消化しに来たとなれば、いくら遠くに高打点が見えるとはいえ0メンツでは間に合わないということでしょう。早速マーク2らしい仕掛けを見ることができた。

しかし、残念ながら親番が落ちてしまった次局。

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この手牌からまたしても「チー」の声。カンチャンだらけで、守備力も皆無。ドラが9pなので他家からは安そうなタンヤオ仕掛けに見えてしまう。いくらラス目の親番を落としたいとはいえ、こんなところから仕掛けるなんて無謀じゃないか?と思う方もいるだろう。そう、今回は「安そうに見える仕掛け」というところが大きなポイントだった。

n2-1 アシストもらえる

今の上家は「2着と大きく離れたトップ目」なのだ。
ラス目の親番を落としたいのは上家のトップ目も同じ。ドラが9pなら満貫はなさそうだし、それならどうぞアガってください、という感じで目論見通りガツガツと上家のダンサーからアシストが来る。そしてあの手牌があっという間にテンパイ。開局ではまずこうはならないし、そもそも最初のチーをしないだろう。実に「天鳳らしい」シーンだ。

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逆転するためには親番を落とせない下家も仕掛けを入れてなんとかテンパイを果たすも、終盤に4mをツモ。上家との阿吽の呼吸で見事にラス目の親落としに成功した。

n3 絞り

そして次局、下家のラス目が早々に4mを「両面で」チー。
その下家に対してマーク2は、

n3-1 絞り

ガッチリガード。1牌たりとも鳴かせまいと徹底的に絞っていく。
え!これさっき言ってたやつやんけ!これは下家にアシストして3着目の親を流してもらうやつじゃないんか?と思ったアナタ。これはさっきとは少し状況が違うのだ。今回はドラが中張牌。さらに、満貫をツモられると2着をまくられてしまうかもしれないという状況。要素が少し変わるだけで対応も大きく変わっていく。麻雀というゲームの面白さはこういったところにもある。

n3-2絞り

結果はトップ目のダンサーが仕掛けを入れて1000点のアガリ。対局中、開けられることのなかった下家の手牌を開けてみると、そこにはドラ4のテンパイが。対応が少し違えば、ラス目の満貫が成就していたかもしれない。

マーク2らしい巧みな選択が光り、初戦は2着となった。

Ⓢ福地誠(+69.2) (≧▽≦)(+19.7) おかもと(-7.3) Ⓟ松本吉弘(-81.6)
https://tenhou.net/0/?log=2021102020gm-0009-10011-016a4357

2半荘目

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ドラの北がポツンと浮いているパッとしない手牌。最初にマーク2の麻雀はアガリに貪欲なタイプと紹介したが、なんでもかんでもまっすぐアガリに向かうわけではない。2枚見えの西を手放すのは簡単だが、マーク2は2mを選択した。ドラの北を重ねるか、5mやピンズ周りを引いて好形が出来ないと価値のある手牌にならない。であれば、この手牌から全体への安牌である西を手放すわけにはいかない。安全を担保しながら、じっくりと手牌を進めるルートを選択した。

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孤立していた5mの周りでメンツを作り、終盤にピンフドラ1のイーシャンテンまでこぎつけたところ。とはいえ立直が入っていて、この巡目からそこに生牌のドラをぶつけるのはあまりにもリスクが大きいと判断した。6sをチーして安全度の高いソーズを処理しながら北単騎での形式テンパイを目指して発進していく。

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立直者がドラの北を切ったことにより浮いていたドラから解放され、よりテンパイが取りやすくなった。8mが4枚切れになったことで、ノーチャンスになった1枚切れの9mを切れば4pと5sのくっつきテンパイだ。さらにどちらにくっついても出ていく牌は立直に対して通っている牌。切れなかったドラの北が切れて、9mがノーチャンスになって、テンパイして出ていく牌も現物。わたくしなら、もうこれは神が形式テンパイを取りなさいと言っているのではないかと勘違いして9mを切ってしまいたくなるが、、、

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マーク2は現物の5sを選択。
シャンポンや単騎には当たりうる牌を、「ケーテンのイーシャンテン」では切れないという判断だ。実にシビアなマーク2らしい選択である。神などは信じない。信じられるのは「現物」のみということか。

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そして、2pを引いて無事にケーテンに辿り着いた。結果は立直者のツモアガリとなってしまったが、ここに行きつくまでの道のりから天鳳位の一切の油断や甘えの無さを目の当たりにした。

その後親の満貫をアガリ、トップ目に近付いた次局。トップを争う下家から早いリーチが入る。

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自身は567やピンフ一盃口が見えるイーシャンテン。しかし、切らなくてはいけないピンズはいずれもリーチには通っていない。マーク2の選択は、

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ド無筋の5pをビシッとプッシュ。イーシャンテンからリーチに対しての押し引きの基準として「危険牌を2枚掴んだらオリ」というものがあるが、今回はトップを争う相手からのリーチ。そして自分はでこの勝負手である。ここはこの半荘の勝負所だと判断した。

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そして一盃口が確定する5mを引き入れてテンパイ。勝負手を真正面からぶつけにいった。南が現物ということもあり、ひとまず無難に南を切って回りつつタンピン系にして押し返すというルートもあったが、その選択をしていたらこの絶好の5mを引き入れてもピンズの受けが被った苦しいイーシャンテンだった。それとこのメンピン一盃口のテンパイでは雲泥の差であろう。

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6pをツモって2600オール。天鳳名人戦のルールはラスのペナルティが大きいことに目が行きがちだが、トップのウマも+50と、とても大きい。いくら相手がMリーガーであろうと、簡単にはトップを取らせないぞ、というマーク2の天鳳位としての意地が実を結んだ。


ちょっと長くなってしまったので、2回に分けて書くことにします!笑

続きはまた今度!!

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