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【後編】観戦記風に天鳳名人戦の好きな選手を紹介していきます【(≧▽≦)編】


だいぶ間が空いてしまいましたが続きを書いていきます。
前回記事はこちら↓↓

3半荘目

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東1局に満貫をアガって迎えた次局。

4巡目に上家の親から6sに「チー」の声。
現状七対子のリャンシャンテンで、タンヤオに向かうにはサンシャンテン。
(サンシャンテンってあんまり文字で見ることがないので、すごい違和感。)

カンチャンが3つ残っていて、門前で進めるには少しネックが多い手牌ではある。しかし、現状ドラが1枚でアガリまでの道はそんなに容易いものではないように感じて七対子のドラ単騎あたりを目指して守備牌を持ちつつ打ち進めるプレイヤーが多そうだ。自身の手牌だけを見ると少し仕掛けをためらいそうになるが、上家の親が字牌から切り出していて、3巡目にすでに中張牌が切られていることから、親の速度感が早いと判断し、少しでも打牌に制限をかけたいという意図があったのかもしれない。赤が3枚入っているルールであれば、ドラが中張牌のときにタンヤオで仕掛けての高打点もそれなりの頻度で発生する。ドラが場に見えて安いと判断出来るまでは、いくら子供の仕掛けとはいえ真っすぐには進めづらい。自身からドラが見えていなければなおさらだ。

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まっすぐ「アガリだけ」を見ているわけではないというのは、この後のマーク2の手組からも伺える。ここから9pの対子落としで親の筋である9sを抱えながら、3pの受け入れを減らす2pを切って安全牌の西を手牌に留めている。副露はアガリに向かうためだけに使うものではない。
「副露守備型」を自称するマーク2らしい仕掛けだった。

そしてオーラス

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着アップのための条件は満貫出あがりか1300-2600ツモ。
現状メンツがなく、5対子目が出来たということは・・・?

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打6mで七対子を決め打ちとした。
立直、七対子、赤では6400でツモか一発裏ドラ条件になってしまうので赤5m引きは消せない。当然赤5sも切れないので消去法で6mか8mの選択にはなる。
ただ、両面のターツに手をかけるのはやはり少し抵抗がある人もいるだろう。ただ、ここで6mに手をかけられたことが勝敗を決することとなる。

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次巡に5sを引き入れてテンパイ。5mを切ってリーチとした。
自身の河に6m→5mと両面を落としたように見える河で、他家からの出あがりも十分に期待できる待ちだ。現物がなければトップ目からの直撃さえあるかもしれない。

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なんと3着目の松本から8mが放たれ、一発がついて満貫の条件を見事に満たした。3着目の松本は満貫までは放銃しても着順が変わらなかったため、まっすぐに手牌を進めた結果ではあるが、あまり「ロン」と言われるイメージはなかっただろう。

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オーラスにハナの差で福地を交わし、嬉しい初トップとなった。

(≧▽≦)(+56.6) Ⓢ福地誠(+26.0) Ⓟ松本吉弘(-5.2) おかもと(-77.4)
https://tenhou.net/0/?log=2021102021gm-0009-10011-0f6c9aa5

4半荘目


他家の早いリーチや仕掛けに一度もテンパイすらできずに防戦一方の展開で東場を終えた。

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そして南1局、ようやくダブ南が暗刻で両面×2のチャンス手が入った。
副露が多く手堅い選択が多いマーク2だが、ラス目である現状ではこの手牌をダブ南のみの2000点では満足出来ない。なんとか満貫に仕上げたいところ。

牌効率で言えば4pをツモ切るのが広いのは当然だ。アガリトップのオーラスであれば、東や8sのポンに備えた完全イーシャンテンに構えるところ。

しかし、この状況、この巡目にこの手牌をもらった以上、マーク2に課せられたミッションはこれだ。

ミッション「この手を満貫に仕上げろ!」

である。
マーク2がそのミッションをクリアするために選んだ牌は

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8sで完全イーシャンテンには取らずとした。
6ー9p、6-9sを先に引いたらダブ南暗刻のリーチとなってミッションクリア。両面を引く前にピンズの有効牌を引いたらピンズのホンイツへと渡るという一打。4pはこの手をピンズのホンイツに仕上げるためのキー牌なのだ。1p~5pまで何を引いてもピンズのホンイツへの渡りが打てて、裏目の東を引いても78s切りでピンズのホンイツのイーシャンテンになる。

ふわっと4pをツモ切ってしまうと、一気にピンズのホンイツの道は厳しくなり、両面×2の門前限定の手牌となってしまう。

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7pを引いたが、欲しいのはコレジャナイ!ピンズだけども!


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両面がなかなか埋まらず、そうこうしている間に出たオタ風の東をポン。

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ようやく有効牌を引き入れて広いイーシャンテンに。

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次巡、絶好の6pを引き入れて三面張のテンパイ。
すぐに5pをツモってミッションをクリアした。
なんと6-9sは一枚もマーク2のもとへと来なかった。
結果的には、あのとき4pを残さなければ満貫のアガリはだいぶ厳しかったのではないだろうか。

この半荘はオーラスをトップ目で迎えたものの、3着目のおかもとが苦しいながらもなんとか満貫ツモ条件を満たし、2着順アップを成功させた。
マーク2は素点のある2着で天鳳名人戦の1節目を終えた。

おかもと(+62.8) (≧▽≦)(+32.0) Ⓟ松本吉弘(+6.9) Ⓢ福地誠(-101.7)
https://tenhou.net/0/?log=2021102022gm-0009-10011-97fe5b19

最終結果はこちら

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トップ1回、2着3回の抜群の安定感で絶好のスタートを切った。

マーク2といえば副露や堅い守備が注目されがちだが、門前での打点を見た手組や天鳳特有のアシストなど、引き出しが多くなんでも出来るオールラウンダーなのだ。この天鳳名人戦に出場している選手はあらゆる能力の水準は高いのは間違いないが、他の選手よりもより天鳳に特化した打ち方、という印象だった。

抜群の安定感で、2節目以降も着実にポイントを積み重ねていくのだろう。
2代目天鳳位の引き出しを今後も注目していきたい。

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