見出し画像

#2『"女の子のための歌"SHISHAMO「魔法のように」を語る』

今回は2017年2月22日にリリースされた4thアルバムSHISHAMO4の10曲目に収録されている「魔法のように」について語っていきます。この曲はタウンワークのCMソングとして起用されました。

どういう曲か簡単に説明すると、”かわいくなりたいと願っている女の子の内面”を描いている歌になっています。サビの「キラキラキラキラ~」というところが印象的な曲ですよね。MVがあるので一度ご覧下さい。

それでは歌詞や曲について語っていきます。


1番Aメロの歌詞

まだまだ残ってるのに
新しい香水買っちゃった
同じような色のマニキュア
また買っちゃった
何が違うのかなんて、バカね
こっちがホワイトで こっちがアイボリー
全然違うじゃない

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

私は男なので、正直香水もマニキュアも買ったことがありません。けれど、直ぐに新しい香水や同じような色のマニキュアが欲しくなったりするという心理はわかります。

私は、Tシャツが好きで洋服屋さんに立ち寄ると、ついつい新しいのが欲しくなってしまいます。気が付いたら、同じような色味が3着あったりすることもあります。けれど、どれも違うんです。

香水もマニキュアもその日の気分によって、チェンジして楽しみたいという女の子の気持ちが込められている気がします。

1番Bメロの歌詞

かわいくなりたい 輝きたい 特別になりたい
それは別にあなたのためじゃないよ

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

やっぱり女の子って、”かわいくなりたい 輝きたい 特別になりたい”そういう気持ちが常にあるんでしょうか?

じゃあ誰のためにしてるのか?好きな人のためだよねってならないのが、今回のこの曲のポイントで「それは別にあなたのためじゃないよ」というフレーズが出てきます。決して好きな人のためだけじゃない、自分自身が輝くためにしているんだということをこの曲は言っている気がします。

1番のサビの歌詞

キラキラキラキラ魔法のように
毎朝私は女の子になる
どんなことがあっても 輝けるように
キラキラキラキラ魔法をかけた
鏡の中の私は きっと誰よりもかわいい
そう思えますように

「魔法のように」宮崎朝子

「キラキラキラキラ魔法のように毎朝私は女の子になる」というフレーズ、一見意味がわからないようでなんだかわかる気がしませんか?

女の子ってかわいくなるために、毎朝お化粧して髪の毛をセットして本当に大変ですよね。かわいい姿に変わっていくこと=魔法がかかったようにキラキラしていると表しているんだと思います。

どんなことがあっても輝いている自分でいたいから、毎朝自分に魔法をかけている訳ですね。

ボーカルの宮崎朝子はインタビューで、『かわいくなろうと頑張ってる女の子が好きなんですよ。だから「鏡の中の私は きっと誰よりもかわいい そう思えますように」って歌ってるんです。』と語っています。

2番のAメロの歌詞

ギシギシ痛んだままなのは
この髪の毛だけじゃなくて
昨日叱られて ヘコんだままのハート

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

やはり現実世界、時には叱られてへこんでしまうことってありますよね。そんな心情をギシギシ痛んだ髪の毛みたいだと歌ってます。

2番のBメロの歌詞

かわいくなれたら 輝けたら 特別になれるかな?
どんなことも笑顔で超えられるような

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

女の子にとって、やっぱりかわいいと自信を持てるようになるって、もしかしたら凄いエネルギーを秘めているのかも知れませんね。

2番のサビの歌詞

キラキラキラキラ魔法のような
素敵な世界に憧れてます
いくら食べても太らないような
お菓子があればなぁ
キラキラキラキラ魔法のように
そんな上手くはいかないな
でも夢見るだけはタダでしょ?
女の子なんだもん

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

「いくら食べても太らないようなお菓子があればなぁ」の歌詞を初めて見た時、思わず笑ってしまいましたね。余談ですが、ダイエットをしている姉がいまして、凄く共感していました。

現実にはいくら食べても太らないお菓子はないけれど、そんな素敵な世界があったらいいなと夢見ている訳ですね。

Cメロの歌詞

素直になりたい だけど怖い
お化粧は取れない
誰にもガッカリされたくないから
カロリー気に食べるご飯
20%くらいおいしくないよね

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

本当の自分をさらけ出したいけれど、がっかりされるのは怖いという心情をお化粧をしないと出歩けない気持ちと重ねていますね。
また、好きなものをたくさん食べたいけれど、やっぱりスタイルを維持するためにカロリーを気にしてしまう、そこら辺のむしゃくしゃする部分を上手く描いているなと思います。

「お化粧は取れない」と「カロリー気にして食べるご飯」というフレーズ、内容は違うけれど、どちらも他人の視線を気にしている点では同じだと思いませんか?本当に女の子って大変だなと思わさせられます。

最後のサビの歌詞

キラキラキラキラ涙がキラリ
本当はいつも笑顔でいたいのに
溢れ出ちゃうものは 仕方がないのよ
キラキラキラキラ笑顔を見せて
鏡の中の私は 私の誇れる私
そう思えますように

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

いつも笑顔で輝いてる女の子でいたいけれど、これまでの歌詞からもわかるように、女の子って色んなことを気にして生きてるじゃないですか。だから、不意に落ち込んだりして涙が出そうになる時があるんだと思います。 

「キラキラキラキラ笑顔を見せて 鏡の中の私は 私の誇れる私 そう思えますように」というフレーズは、自分のことは自分自身が認めてあげればそれだけで大丈夫なんだよと背中を押してくれるようで、なんだか少し元気が湧いてきますね。

サビでコーラスがここの部分だけにバックに入っているのが好きでより歌詞を引き出していますね。

最後に1番のサビを繰り返し

キラキラキラキラ魔法のように
毎朝私は女の子になる
どんなことがあっても 輝けるように
キラキラキラキラ魔法をかけた
鏡の中の私は きっと誰よりもかわいい
そう思えますように
そう思えますように

「魔法のように」作詞:宮崎朝子

「きっと誰よりもかわいい」の"かわいい"のフレーズの歌い方が1番のときは"かわいいいっ⤵︎"って、ちょっと下がるですね。でも最後のサビでは、"かわいいっ⤴︎"と上がってるんです。この曲にとって”かわいい”ってワードが重要で、そこを最後に強調しているように思います。皆さんもよく聴いて、比較してみて下さい。

「そう思えますように」というフレーズをラストに2回入れているあたりが、言い聞かせているように聞こえて、グッとくるものがあります。言霊ってあるじゃないですか?自分自身をかわいいと思うこともまた一つかわいくなるための魔法のように思いませんか?

まとめ

この曲、聞き流していると恋愛ソングに思えそうですが、決してそうではないんですよね。女の子の気持ちを代弁している歌なんです。

「まだまだ残ってるのに 新しい香水買っちゃった同じような色のマニキュア また買っちゃった」「いくら食べても太らないような お菓子があればなぁ」「カロリー気に食べるご飯20%くらいおいしくないよね」といった具体的な歌詞が面白いし、私のことを歌ってるって共感を呼びそうですよね。

また、「ギシギシ痛んだままなのは この髪の毛だけじゃなくて 昨日叱られて ヘコんだままのハート」「素直になりたい だけど怖い お化粧は取れない 誰にもガッカリされたくないから」といった、心理状態を他の何かに置きかるような歌詞の描き方も上手いなと思います。

この曲、”ラーララッラッラーラララララー”のコーラスで始まるのが聴いていて心地いいですよね。この部分はライブだとみんなと一緒に歌ったりするんです。このコーラスがあることで、曲に温かみだったり、かわいらしさを演出出来ているように思います。

この曲を今回書いてみて、何回も言っていますが女の子って大変なんだなって思いました。よく電車とかに乗ってると、スマートフォンの画面を鏡のようにして見てる女の子っているじゃないですか?多分傍から見たらそんなに気にならなくても本人からしたら気になるんだろうなって…。本当にかわいくなろうと努力している女の子って素敵ですね。

ボーカル宮崎朝子はレコーディングの時に、「魔法のように」は女の子の曲なので、マニキュアを塗って、スタジオ入りをしたというエピソードがあって、そこまでこだわって音楽を作っているSHISHAMOの世界観が本当に大好きです。皆さんも是非聴いてみて下さい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?