#51『”ウェアイズマイダーリン”SHISHAMO「妄想サマー」を語る』

今回は2020年5月26日に配信シングルとしてリリースされた「妄想サマー」という曲について語ります。

この曲は簡単に説明すると”まだ見ぬ恋人とのデートを妄想する女の子の心情”がテーマに描かれています。Ｃメロの「ウェアイズマイダーリン」と繰り返し歌うところが印象的ですよね。YouTubeにてLyric Videoがありますので載せておきます。

それでは語って行きます。

一番Aメロの歌詞

年々暑くなってます
地球も　私の焦りも
あの子にもあの子にもあの子にもあの子にも
彼氏ができた
この夏1人なのは私だけ

「妄想サマー」作詞：宮崎朝子

「年々暑くなってます」「この夏1人なのは私だけ」というフレーズから夏が始まる手前の時期であることが読み取れます。6月くらいのイメージでしょうか？

主人公は、自分の周りの女の子達にこぞって彼氏ができて「私も彼氏が欲しいのに」と焦っていることが伝わってきますね。冒頭で「年々」という言葉が入っていることから、以前から恋愛活動はしている女の子なんだろうなということが推測できます。

一番Bメロの歌詞

行きたいとこ　やりたいこと
たくさんあるけど
全部1人じゃだめなの
隣に誰か　誰かいないと

「妄想サマー」作詞：宮崎朝子

1人行動が好きな人もいるとは思いますが、どこかに出かけるってなった時にやっぱり1人だと寂しく思う時ってありますよね。やっぱり一緒にいてくれる誰かが欲しいと思うのは必然で、その誰かがいた方がきっと充実した楽しい時間を過ごせますよね。

主人公はもしかしたら以前は、遊びに行ったり、お出かけしたいなと思ったら友人を誘っていたのかも知れません。でも、友人に彼氏ができたことによって、今までのようには誘いづらい状況ができてしまい、より1人を感じ、より彼氏が欲しいという気持ちを加速させたのではないかと思われます。

一番サビの歌詞

手を繋いで出かけたい
お揃いの服も恥ずかしくないね
時々抱きしめて欲しい
別れ際には寂しがってね
手を繋いで出かけたい
アイスは2人違う味選んで分け合って
そんなデートしてみたい
どこで出会えるの？
私のダーリン

「妄想サマー」作詞：宮崎朝子

サビは彼氏ができたら、こういうデートがしたいという主人公の妄想になります。

「お揃いの服も恥ずかしくないね」「アイスは2人違う味選んで分け合って」というフレーズってもちろん妄想だとは思いますが、凄いリアルですよね。多分主人公が実際に街中を歩いていて、羨ましくて見たくなくても露骨に見えてしまったカップルの姿なんだろうなと思いまして…。そう思うと少々複雑ですが、羨ましいことを素直に羨ましいと言えるこの主人公は可愛いなと思います。

でも、こんな妄想までしてしまうなんて相当ですよね。「どこで出会えるの？私のダーリン」と誰かと話しながら、嘆いている女の子の絵までなんだか見えてきますよね（笑）。

Cメロの歌詞

ウェアイズマイダーリン
ウェアイズマイダーリン
ウェアイズマイダーリン

ウェアイズマイダーリン
ウェアイズマイダーリン
こっちきて！

「妄想サマー」作詞：宮崎朝子

ここの繰り返し「ウェアイズマイダーリン」歌うところが可愛くて個人的に好きですね。

ちなみに「ウェアイズマイダーリン」とは日本語訳すると「私の最愛の人はどこにいるの」という意味になります。早くこの主人公の女の子のもとに素敵な相手が現れてあげてよって思っちゃいますよね。でも、不思議と求めている時ほど相手って見つからないものなんですよね…。

最後のサビの歌詞

手を繋いで出かけたい
時々抱きしめて欲しい

手を繋いで出かけたい
いつもと違う髪型気付いてね
荷物は持たなくていいよ
そのかわり　そのかわり
手を繋いで出かけたい
2人並んで歩ければどこでも幸せ
そんなデートしてみたい
いつか出会えるの？
私のダーリン
どこで出会えるの？
私のダーリン

「妄想サマー」作詞：宮崎朝子

「いつもと違う髪型気付いてね　荷物は持たなくていいよ　そのかわり　そのかわり　手を繋いで出かけたい」というフレーズ。これまた可愛い妄想ですよね。本当に凄い妄想力（笑）。主人公には素敵な相手に出会って、妄想ではない本物のデートを思う存分堪能して欲しいですよね。

まとめ

まだ見ぬ恋人とのデートを妄想する女の子が描かれていましたね。1番Aメロで周りの女の子が続々と彼氏ができて焦るという心理は共感を呼びそうだなと思います。「彼氏が欲しい」と思っている世の中の女の子にとって刺さる一曲なのではないでしょうか。

サウンド面でいうとイントロが激しいベースの音で始まるのが個人的に好きですね。曲調はまさにSHISHAMOらしい王道のサウンドで明るくてポップな一曲になっているなと思います。また、Ｃメロの「こっちきて！」の後に”ナナナナアー”と歌っているところ（冒頭のLyric Video1:42辺り～）や、最後のサビの「私のダーリン」の後のアウトロの中にも”ウラララーーーーイェェーーーー　ウラララァ”と歌っているところ（冒頭のLyric Video3:05辺り～）があり、歌詞ではない部分からも「彼氏が欲しい」と嘆いている感じが伝わってきて上手いなと思います。

今回取り上げたこの曲は2020年5月にリリースということで、コロナ禍で外出ができない状況が続いていた頃に発表された曲なんですよね。ボーカルの宮崎朝子はインタビューで”2016年くらいに作った曲なんですが、コロナ禍で出かけたくて出かけられない時期でもあったので、このタイミングで出すのもいいかなと考えてリリースしました”と答えています。

また、SHISHAMOのシングル曲はMVが作られるのがお決まりでしたが、コロナ禍ともありLyric Videoという新しい形でリリースされたんですよね。そもそもLyric Videoとは何かというと”歌詞を主軸に構成されたMV”のことで、冒頭に載せたLyric Videoはボーカルの宮崎朝子がおうち時間を使って描き下ろしされたイラストだそうです。

そういうことが背景があった上で映像や曲を見たり聴いたりするとまた違った視点で作品を見ることができますよね。

話がそれますが、この曲実は2024年6月現時点でCD未収録曲なんですよね。タイミング的に2021年6月30日にリリースされた7thアルバムSHISHAMO7に収録されるかなと思っていたのですが選曲されず、なぜこの曲を外したのかをSHISHAMOご本人に聴いてみたいなと個人的に思っています。

最後にSHISHAMO FC限定ツアー「しゃもサポだけの秘密やで 2020」Ver.と題した「妄想サマー」のライブ映像がYouTubeに公開されているので載せておきます。

皆さんも是非聴いて見て下さい。