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#52『”いつまで一緒にいてくれるの?”SHISHAMO「今だけは(demo.朝子宅にて)」を語る』

今回は2020年1月29日にリリースされた6thアルバムSHISHAMO6から「今だけは(demo.朝子宅にて)」について語ります。

簡単に説明すると”付き合ってる彼がいつか他の誰かのものになってしまうのではないかと不安に思う女性の心情"が描かれています。残念ながらMVはありませんがYouTubeにて音源がありますので載せておきます。

それでは語っていきます。

一番Aメロの歌詞

あなたのうっとうしい前髪
今は私だけのもの
だけれど だけれど

「今だけは(demo.朝子宅にて)」作詞:宮崎朝子

主人公には付き合っている相手がいて、前髪が特徴的な男性だということが分かりますね。

「今は私だけのもの だけれど だけれど」というフレーズ。主人公はどういう理由でかは分かりませんが、いつか私のもとから彼がいなくなってしまうのではないかと不安に思っていることが伝わってきますよね。

一番サビの歌詞

いつか他の誰かのものになる
あなたの言う「ずっと」は
私にとって恐怖そのもの

「今だけは(demo.朝子宅にて)」作詞:宮崎朝子

主人公はやっぱり彼が「いつか他の誰かのものになる」んじゃないかと不安に思っているようですね。

「あなたの言う「ずっと」は」というフレーズはもしかしたら主人公は彼に「私とずっと一緒にいてくれるよね?」といった彼の気持ちを確かめるようなことを問いかけたのかも知れませんよね。

主人公は彼が「ずっと」いてくれるような発言をしても「私にとって恐怖そのもの」と思ってしまうのはなぜなんでしょうか…。なんとなくだとか直感的にといった目には見えないけれど感じてしまう何かがあるのかも知れませんね。

二番Aメロの歌詞

あなたの少し崩れる笑顔
今は私だけのもの
だけれど だけれど

「今だけは(demo.朝子宅にて)」作詞:宮崎朝子

「あなたの少し崩れる笑顔」というフレーズ。これは主人公が彼の好きなところなのかも知れませんね。

一番同様に「今は私だけのもの だけれど だけれど」というフレーズがもう一度でてきます。恋愛における”不安”という感情はきっと相手のことが好きだから沸き出てくる感情ですよね。主人公は彼のことが大好きだからこそ疑ってしまったり「この人を好きでいいんだろうか」と悩んでしまうんでしょうね。

二番サビの歌詞

いつか他の誰かのものになる
あなたの言う「ずっと」は
私にとって恐怖そのもの

なのにそれでも今日も私は
あなたにそれをせがむの
「いつまで一緒にいてくれるの?」
「ずっとだよ」
とんだ茶番だと気付いていても
どうかめんどくさがらず
朝まで付き合ってね

「今だけは(demo.朝子宅にて)」作詞:宮崎朝子

主人公は彼の「ずっと」が恐怖だとは言いながらも「それでも今日も私は あなたにそれをせがむの」となってしまうのはなんだかわかるような気がします。彼の「ずっと」には不安に思ってしまうこともあるけれど、自分の気持ちを安心させるためには彼の「ずっと」という言葉がまた欲しくなってしまうんだろうなと思います。同じ言葉でも時に人を不安にさせ時に人を安心させるということですよね。

その後の「とんだ茶番だと気付いていても」というフレーズ。”とんだ茶番”とは”呆れるほど馬鹿馬鹿しいこと”という意味だそうです。もしかしたら彼には全く不安に思うような要素がなくても、彼女が彼のことを好き過ぎるがあまりに不安になりやすく、彼はそんな彼女のことを理解している上で何度も「いつまで一緒にいてくれる?」「ずっとだよ」というやり取りを繰り返しているのかも知れませんね。だとしたら主人公の「どうかめんどくさがらず 朝まで付き合ってね」が微笑ましく思えますよね。

最後の歌詞

あなたの上唇のほくろ
今は私だけのもの
今だけは 今だけは

「今だけは(demo.朝子宅にて)」作詞:宮崎朝子

彼の上唇のほくろを愛おしく思えるなんて、二人がかなり親密である証拠ですよね。主人公は「今だけは」とは言っているものの本当のところは彼のことを信じているのかも知れませんね。

まとめ

恋愛において相手が私のことを好きでいてくれてるのか疑ったり不安に思ってしまうというのはよくある話ですよね。「いつか他の誰かのものになる」というフレーズが出てきますが、意味もなく、ただなんとなくそう思ってしまうというのはなんだかわかる気がします。でもそんなことを考えながら誰かと付き合うのって正直しんどそうだなとも思いました。不安になるのは好きだから出てくる感情だと思って、不安を楽しむくらいの気持ちで恋愛した方がいいのかも知れませんね。

実はこの曲なんですが、ボーカルの宮崎朝子が自分の部屋で録ったデモをそのまま収録したそうで、だから曲名の後にカッコして”demo.朝子宅にて”と入っているんですよね。”デモ”とは”デモテープとも呼ばれ、演奏者がレコード作成や演奏会などの資料用として作成するテープ”のことだそうです。デモが採用されるなんてきっと稀な話ですよね。

この曲のエピソードになりますが、ボーカルの宮崎朝子はインタビューで下記のように答えています。

作ったときはまさかこのまま入れるとは思ってなくて、いつもどおり、みんなに渡すデモとして作ったんですよ。ただ、作ったときから他の楽器が入る感じがしなかったので、歌とギターと、ちょっと鍵盤を入れて作っていました。スタジオで録ってみたりもしたんですけど、どうしてもこの感じが出せなくて。部屋の空気感がほしかったので、試しに家でもう1回録ってみようということになり、もともと朝4時くらいに録ったものだったので、その状況を再現するために、わざわざ寝て、4時に起きて、声を出さず一発目として録ってみたりもしたんですけど、結局、最初のデモが一番気持ちがこもっていました。決して上手くはないんですけどね。で、そこを目指しちゃうくらいだったら、最初の音源でいいんじゃないということになり、最初のデモのまま、収録しました。

「SPICE記事から引用」

最初に録ったものが一番しっくりきたということですよね。この曲は6thアルバムSHISHAMO6に収録されていますが、自宅で録音したこともあり他の曲とは音質が違うんですよね。最初アルバムを聴いたときは知らなくてこの曲だけ浮いてるなと思っていたのですが、このインタビューを見ると納得して聴くことができますよね。

SHISHAMO6というアルバムはこれまでのSHISHAMOでは踏み込めていなかったちょっとアダルトな歌詞が出てくるようにもなった作品でもあるんですよね。今回取り上げたこの曲も学生の恋愛というよりは大人な恋愛を歌ってる曲なので、そういう意味でもSHISHAMO6というアルバムの世界感にも合っている一曲だなと思います。

またSHISHAMO6を引っさげた“SHISHAMO ワンマンツアー2020春 「今だけは天使みたいに大事にしてね」”が2020年3月~5月にかけて開催予定でしたが新型コロナの影響で中止になったんですよね。その為、全公演中止となったホールツアーの完全再現として 2020年6月28日に無観客生配信ライブが行われました。その際に行われたTwitterでの企画で最初の3曲セットリスト予想をするという企画があったんですけど、まさかの今回取り上げた「今だけは(demo.朝子宅にて)」が一番最初に披露されて驚いた記憶があります。

最後にその無観客生配信ライブの映像がYouTubeにて公開されているので載せておきます。先ほども書きましたが「今だけは(demo.朝子宅にて)」は冒頭で披露されます。

ボーカルの宮崎朝子がベットの上で曲を披露するという演出は配信ライブだからこそできた演出ですよね。

皆さんも是非聴いて見て下さい。

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