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【SDH 0】健康の社会的決定要因


こんばんは。SYNT代表佐々木です。


今日の記事は、一風変わって、「医療」です。



みなさんはSDHをご存知でしょうか。

SDHとは、Social Determinant of Healthの略です。

日本語では、「健康の社会的決定要因」と言います。


私たちはなぜ病気になり、健康を損ない、病院に行かなければならないのでしょうか?

病気になるのは誰が悪いのでしょうか?


生活習慣病という言葉が示すように、「糖尿病や肺癌といった疾患の原因は生活習慣にある」と考えることが一般的です。

お酒をたくさん飲むから膵炎になる。タバコをたくさん吸うから肺がんになる。糖尿病になっても運動をせず、タバコを吸い、コレステロールも異常のままだから、心筋梗塞になってしまう。

これらの病気の原因は、生活習慣だ。

だから・・・

「病気になるのはその人のせいだ」と言ってしまうことは単純明快にすら見えます。


しかし、SDH的な観点からはそうとは言い切れません。


健康は、私たちが思うよりずっと、社会的な要因によって決定づけられているというのが研究によって明らかになっています。

そう言った、健康の社会的決定要因が、Social Determinant of Healthなのです。


主なものとしては、幼児環境、教育、収入、仕事、社会的支援、食事、交通などです。

恵まれた環境で、良い教育の機会に恵まれ、収入が高く、仕事のストレスも少なく、困った時に助けてくれる人が周りにいて、美味しく健康的なものを食べ、車を持ち便利な街に住んでいると、健康を保てる確率が高いというのです。


こんなことが信じられますか?


SDHの勉強を進めれば進めるほど、葛藤もあります。格差がもたらす影響の大きさを痛感するからです。

しかし、これらは、科学的な知見の集積の結果なのです。事実を含みます。だから、向き合わないわけにはいきません。


昨今の日本も格差社会の到来と言われております。上級国民と下級国民なる言葉もメディアで紹介され、新書で出版されています。


現代において、「格差」について勉強することは意義のあることではないでしょうか?


医療者に関して言えば、自分が社会に対して実際上どれくらい貢献できるかということを考える上でも、SDHは外せないと思います。特に総合診療、家庭医、地域医療の領域を語る上では、特に、です。


今、私自身がSDHを勉強する中で、知ったこと、面白いと思ったテーマを連載していきたいと思います!

入門資料としては、

WHOが出している「健康の社会的決定要因 確かな事実の探求」を使いました。

また、

マイケル・マーモット「健康格差」、イチロー・カワチ「社会疫学」を軸に勉強を進めていきます。


この連載の記事を通して、みなさんと、より良い地域医療、高齢化への社会としての立ち向かい方を考えるきっかけになればと思います!


第0回目でした!

面白い記事ではなく、堅苦しくなってしまってすみません・・・。


本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

(心理学の記事を読みたかった方はごめんなさい。応援メッセージもらえれば記事、書きます!)


This article was written by Shu Sasaki (SYNT)

9/5 Shu

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