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陸前高田に足を運んで感じたこと

3月11日。11年前の今日、東北の太平洋側を中心に東日本大震災が発生し、津波によって甚大な被害がもたらされた。当時小学生だった私はこの震災をテレビで知り、迫り来る津波の映像に苦しい気持ちになったことを今でも覚えている。それから11年がたった今年の3月10日。東北への卒業旅行の日程の中に、被災地訪問を組み込み、震災についての理解を深めることにした。

東日本大震災津波伝承館

陸前高田市に存在する東日本大震災津波伝承館と奇跡の一本松。卒業旅行の中で被災地に足を運ぶことは珍しいことかもしれない。しかし、私を含め共に旅行に行った三人は、この地に足を運ばなければならないという使命感に駆られ、卒業旅行の最終日にこの地を訪れた。
訪問してまず初めに感じたことは、津波の恐ろしさ。伝承館に向かう途中の一帯は家が数軒建っているだけで、他には何も見当たらない広い大地が広がっていた。伝承館の中には過去に同じ地域で起こった地震や、東日本大震災によって流された車など、地震や津波の恐ろしさについて我々が理解するには十分すぎるものが展示されていた。
伝承館の外には震災遺構のユールホステルや奇跡の一本松など、津波による被害の大きさをひと目で理解できるものが当時のまま残されていた。

被災地を訪れてみて感じたこと

今回被災地を訪れるまで、東日本大震災に対して辛い出来事だったという感情しか持っていなかった。しかし、実際に訪れてみて、この地で同じような震災は何度も起こっていて、その度に人々は後世の人々に教訓を残し、今を生きる人々がそれを生かして防災を行っていることを知った。実際の遺構や流されたものなどを見て、震えが止まらず、また、他人事ではないなと感じさせられた。メディアなどの情報を得ただけで震災について知ったような気分でいたが、実際に現地に足を運び、そこで感じた生の感情こそが、震災についての理解に繋がるのではないかと感じた。これは震災に限ったことではない。今の世の中には様々なことが起こっていて、それに伴い様々な対策や企画が行われている。ネットなどで情報を集めることも大切だが、実際にその地に訪れたり、企画に参加したりして、そこから感じた感情を大切にしたいと、被災地訪問から学んだのであった。これが、私が社会科の教員として伝えるべきことの一つであり、一人の人間の良い経験になったのではないかと思う。

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