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2024年11月11日「COP29」が開催

 COP 29(Conference of the Parties)は11月11日にアゼルバイジャンの首都バクーで開幕しました。会議は11月22日まで続きますが、この会議が各種メディアで気候変動に関する報道を増やし、気候変動への関心を高める契機となることを期待しています。

 次の記事もこのCOP29に合わせて報じられたのかもしれませんが、気候変動によって激甚化した気象災害が増えていると伝えております。

 特定の気象災害にどれくらい気候変動が影響したか」について、温暖化した世界と温暖化していない世界を比較して、気象災害の頻度や強度がどれくらい増したかを調べることをイベントアトリビューション(event attribution)分析というのだそうです。
 この分析手法を用いたインペリアル・カレッジ・ロンドンのワールド・ウェザー・アトリビューションの報告書によれば、2004年以降、熱波、暴風雨、洪水などの気象災害10件で最も多くの人的被害を受け、少なくとも57万人が亡くなったとされています。

2004年以降で最も多くの死者を出した10件の気象災害

 化石燃料の燃焼が気候変動を引き起こし、それが死や破壊をもたらすということは明白ですね。

 保守的と言っては失礼でしょうが、ローマ教皇でさえ?2023年10月(去年のCOP28の開催前)に使徒的勧告「ラウダーテ・デウム Laudate Deum(神をほめたたえよ)」を発表し、気候変動の危機を世界に訴えています。
 教皇フランシスコは「気候変動の人的原因は、すでに疑いの余地がない」と明言し、この科学的事実を否定するのは軽蔑的で非理性的だとしていますが、たぶん、日本のカトリック信者のほとんどはこの使徒的勧告を知らないでしょう。

 気候変動を否定するトランプ氏が次期大統領に決まり、気候変動への対応が後退してしまうかもしれません。こんな状況だからこそ、COP29を一つの契機として、皆が声をあげ議論してほしいと思います。
 次の記事の現実をしっかりと認識し、覚悟しておく必要があると思います。

 現在の世界各国の気候変動政策では、今世紀末の気温は約3度上昇してしまいます。パリ協定で掲げる努力目標である1.5度の2倍です。長い目で見ると、世界の気候は今が最も穏やかで、ここから先は激甚化の一途をたどります。

Kenji P. Miyajima 2024.11.11「それでも地球温暖化は進む。気象災害での死者は57万人以上」


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