見出し画像

ワンクリックでの登録解除に対応する方法|Gmailのガイドライン変更対策

Gmailの「メール送信者のガイドライン」が更新され、2024年2月以降の新しい要件ではワンクリックでの登録解除に対応することが求められています。

ガイドライン変更の適用が実際に始まりましたが、

  • ワンクリックでの登録解除にどう対応しなければならないのか

  • 「List-Unsubscribeヘッダ」とは何か

  • 受信者にはどのように見えるのか

このあたり、気になっているメールマーケティングのご担当者様も多いのではないでしょうか?

今回は、ワンクリックでの登録解除に必要な「List-Unsubscribeヘッダ」を解説します。


「技術者じゃなくても分かる〇〇解説」
シナジーマーケティングのプロダクト「Synergy!❐」の開発メンバーが、マーケティング活動に携わる担当者が直面しているであろう様々なワードや仕組みをピックアップして解説していきます。ぜひ情報をご活用ください!


1.ワンクリックでの登録解除の対応について

Gmailの「メール送信者のガイドライン」(以下「ガイドライン」と記載)が2023年10月に更新され、2024年2月以降の新しい要件として、ワンクリックでの登録解除に対応することが求められています。

対応が必要なメール
マーケティングやプロモーションのメールは対応しなければなりません。
(フォーム登録後に自動送信するようなメールは対象外とされています。)

いつまでに対応が必要か
2024年6月1日までに対応する必要があります。

どのような対応が必要か
送信メールのヘッダに「List-Unsubscribe」を追加する必要があります。
(「List-Unsubscribe」については、この後に説明します。)

なぜワンクリックでの登録解除が必要なのか

ガイドラインFAQでは以下のように説明しています。

引用:メール送信者のガイドラインに関するよくある質問

つまり受信者が不要と感じたメールを簡単に停止できれば、迷惑メールに振り分けられることが減るので、結果として全体的な迷惑メール率の上昇を防ぎ、他の配信への悪影響も抑えらえるというわけです。

苦労して獲得した配信リストを簡単に解除されてしまうのは惜しいという気持ちはとてもよく分かります。一方で、受信者にとって不要なメールを送り続けることは、企業・ブランドにネガティブな印象を持たれるリスクにつながります。簡単に解除できるようにしておき、また興味を持っていただいた際に簡単に再登録できることが大事だと考えています。

ガイドラインの新しい要件や必要な対応については、弊社のブログで詳しく解説しています。まずはそこから知りたい!という方は、ぜひこちらもご参照ください。

2.「List-Unsubscribeヘッダ」とは?

「List-Unsubscribe(リスト・アンサブスクライブ)ヘッダ」とは、受信者が対応メーラーにて本文内の配信停止リンクや迷惑メール報告ボタンを使うことなくメール購読を停止させることができるメールヘッダです。

対応メーラーの例:Gmailの場合
「List-Unsubscribeヘッダ」が追加されているメールでは、以下キャプチャの赤枠のように解除リンクが表示されるようになります。

本文内に配信停止リンクを記載していても、受信者がフィッシングではないかと警戒し迷惑メール報告ボタンを利用してしまうことがあります。「List-Unsubscribeヘッダ」はこうした問題を回避するのに効果的とされています。

また、「List-Unsubscribeヘッダ」を用いたメール受信解除には、2つの種類があります。

【メーリングリストコマンドによる解除(RFC 2369)】
ワンクリックでは解除されず、メーラーが解除用メールアドレスに解除メールを自動送信するなど、解除用サイトのURLにアクセスする動作となります。
解除用サイトにアクセスした場合は、受信者がそのサイトで解除処理を行います。

メールヘッダへの記載例(以下のいずれかを記載)
List-Unsubscribe: <mailto:(解除用メールアドレス)>
List-Unsubscribe: <https://(解除用URL)>
List-Unsubscribe: <https://(解除用URL)>,<mailto:(解除用メールアドレス)>

【HTTP POSTによるワンクリック解除(RFC 8058)】
RFC 8058は、以前のルール(RFC 2369)をより便利にするために追加されました。
RFC 2369とは異なり、POSTリクエストの宛先URLと”One-Click”を指定することで、配信者の解除用サイトを訪れることなくワンクリック解除が実現できます。

メールヘッダへの記載例
List-Unsubscribe-Post: List-Unsubscribe=One-Click
List-Unsubscribe: https://(解除用URL)

3.ガイドラインで求められている「List-Unsubscribeヘッダ」

「List-Unsubscribeヘッダ」を用いたメール受信解除には2種類あることは前述しましたが、ガイドラインで必要とされているのは、HTTP POSTによるワンクリック解除(RFC 8058)の解除方式です。

また、「List-Unsubscribeヘッダ」はメールヘッダに追加する必要があり、一般的にはメール配信システム側で対応が必要なものです。
もし、外部のメール配信システムを利用している場合は、件名や差出人アドレスと同じように、メールの設定画面から「List-Unsubscribeヘッダ」を追加できるのかを確認してください。

ちなみに、Gmailガイドラインではメール本文内の分かりやすい位置に解除リンクを設置することも推奨しています。こちらはワンクリックである必要はなく、解除ページに遷移して、そちらで簡単に購読解除できれば大丈夫です。
要は、受信者が解除したいと感じたときに簡単に解除できるよう、いろんな導線を用意しておくことで、迷惑メールに振り分けられないようにしましょう、ということですね。

注意すること

ヘッダという用語から、メール本文の上部ヘッダパートに記載、またはHTMLメールのheadタグに記載すればよいと誤解されることがあるのですが、これは間違いです。これらの方法では、ガイドラインが求めるRFC8058方式に対応したことにはなりません。
つまり、メール本文内にワンクリックで解除できるURLを記載しても、ワンクリック登録解除の要件を満たすことはできませんので、ご注意ください。

また、複数のメールマガジンを運用している場合は、設定の仕方によっては全メールマガジンの配信解除となる可能性がありますので、気を付けてください。

4.受信者にはどう見える?

弊社が提供しているSynergy!で配信したメールの、Gmailでの表示の一例をご紹介します。
メールを配信した後の受信者がどのような流れで解除するのか、ご参考ください。

・一覧画面でマウスカーソルを合わせると、配信停止のボタンが表示されます。

また、メールに「メーリングリストの登録解除」というリンクが表示されます。

・クリックをするとポップアップが表示され、「登録解除」ができるようになっています。

・解除完了メッセージが表示されます。

解除リンクや解除ボタンの表示など、メーラーの仕様により見え方が変わりますのでご了承ください。

5.ワンクリック解除リンクが表示されない!?

「List-Unsubscribeヘッダ」を追加したメールを配信したのに、「登録解除」リンクが表示されない場合があります。
そのような場合は、以下をチェックしてみてください。

  • メーラーのメニューから「登録解除」や「配信停止」が表示されているか

たとえばGmailでの受信時は、以下のメニューを選択すると「登録解除」ができます。

<Gmailアプリ>
受信したメールをクリック>上部の「…」(横三つの点)の一覧に「登録解除」として表示

<Gmailブラウザ版>
受信したメールをクリック>上部の「…」(縦三つの点)>迷惑メールを報告>「配信停止」として表示

表示されていれば、ワンクリック解除は登録できています。

  • 差出人メールアドレスにSPF(送信ドメイン認証)、DKIM(作成者署名)、DMARCが設定されているか

メールアドレスの存在確認などに悪用されないよう、信頼性の高い配信に対してのみ「登録解除」リンクが一覧や目立つ箇所に表示されるようです。
(SPFやDKIMについては、こちら弊社ブログをご参考ください。)

上記でも「登録解除」リンクが確認できない場合、受信したメールのソースからヘッダ情報を確認することができます。

  • 受信したメールのヘッダ情報に「List-Unsubscribe」が含まれているか

<Gmailブラウザ版>
受信したメールをクリック>上部の「…」(縦三つの点)>メッセージのソースを表示>キーボードの「Ctrl」+「F」を押下>「List-Unsubscribe」の文字を検索

Gmailはワンクリック解除のリンクを表示する/表示しないを何かしらの基準で判断しているようです。同じメールであっても表示したりしなかったり、メールを確認するアプリによっても表示したりしなかったり、という事象が発生しています。

以上、今回は「List-Unsubscribe」の解説でした。
2024年6月1日までに対応する必要がありますので、マーケティングやプロモーションのメールを配信しているご担当者様にご参考いただけたら嬉しいです。

今後も気になるワードや仕組みをピックアップして解説していきますので、ぜひご覧ください。
お読みいただき、ありがとうございました!


▼Synergy!製品情報


#Gmailガイドライン対策 #メール #メールマーケティング
#Synergy ! #シナジーマーケティング #SaaS
#技術者じゃなくても分かる〇〇解説