サードパーティクッキーの制限に備える|「独自ドメイン」の重要性とは?
サードパーティクッキー(3rd Party Cookie)廃止に向けた対策の1つとして、「独自ドメイン」があります。サードパーティクッキーの取り扱いが厳しくなることが予想され、これは広告だけでなくメール配信にも影響があります。
そこで、今回は「独自ドメイン」について解説します。
「技術者じゃなくても分かる〇〇解説」
シナジーマーケティングのプロダクト「Synergy!❐」の開発メンバーが、マーケティング活動に携わる担当者が直面しているであろう様々なワードや仕組みをピックアップして解説していきます。ぜひ情報をご活用ください!
1.クッキーとは?(ファーストパーティクッキーとサードパーティクッキー)
クッキー(Cookie)とは、ユーザーがWebサイトにアクセスした際に、Webサイトを管理しているサーバーが発行する情報です。
この情報を使ってWebサイトにアクセスしているユーザーを判別することができるようになり、会員サイトのログイン状態を維持したり、ユーザー固有のWebサイト設定を有効にしたりできます。また、クッキーはユーザーが利用しているブラウザ(Edge/Chromeなど)内に保存され、Webサイトへのアクセス時に参照されます。
そして、クッキーには大きく分けて2種類あります。
■クッキーの種類
ファーストパーティクッキー:ユーザーがアクセスしたWebサイト自身(同じドメイン)によって発行されるクッキー(Cookie)です。主にWebサイト(同じドメイン)内でのログイン状態の維持や、ユーザー行動のトラッキングに利用されます。
サードパーティクッキー:ユーザーがアクセスしたWebサイトとは異なる別のドメイン(第三者)が発行するクッキー(Cookie)です。複数のWebサイトにわたってユーザーの閲覧履歴や行動を解析できるため、リターゲティング広告やアフィリエイトの効果測定に利用されます。
※近年、サードパーティクッキーはユーザーのプライバシーを侵害する可能性があるとして、多くの議論の的となってきました。欧州の「GDPR(一般データ保護規則)」やカリフォルニア州の「CCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)」など
クッキー(Cookie)については、こちらの記事でも解説していますのでご参考ください。
2.広告だけじゃない!メール配信でも対策が必要!
冒頭でも触れた通り、今後サードパーティクッキーの取り扱いが厳しくなることが予想され、広告に限らずメール配信にも影響が出てきます。
例えば、会員登録をしているユーザーが自身のWebサイトにアクセスしたことを起点に、メール配信サービスを使ってメールを送信する場合が該当します。
ユーザーは会員登録時にメールアドレスなどの情報を登録します。その際に、クッキーが発行されます。さらに、メール配信サービスとクッキーを共有するための「メール配信サービスが提供するトラッキングタグ」を事前にWebサイトに設置することで、クッキーの情報と会員情報を関連付けて管理することができます。
これにより、メール配信サービスはどの会員がWebサイトにアクセスしたのかを特定し、その会員にメールを送ることができます。使用されるクッキーはトラッキングタグに含まれており、「別のドメイン(第三者)が発行するクッキー」、つまりサードパーティクッキーとなります。
しかしながら、サードパーティクッキーの取り扱いが厳しくなると、ユーザーのアクセス情報を取得することが困難になり、メール配信が難しくなる可能性があります。
この問題の対策として、「独自ドメイン」を活用する方法があります。
次に、「独自ドメイン」について説明します。
3.「独自ドメイン」の重要性
「独自ドメイン」とは、企業や個人が所有する特定のドメイン名を指します。
これは、他者が所有していないユニークなドメイン名であり、例えば「synergy-marketing.co.jp」のようなものです。独自ドメインは、ユーザー専用のWebアドレスとして機能し、外部サービス上で自分の場所を持つために使用されます。
ドメイン名は、ドメインレジストラというサービスを利用して、取得や管理ができます。
例えば、「メール配信サービスが提供するトラッキングタグ」のドメインを自身のWebサイトと同じドメインに設定することができます。これにより、メール配信サービスのトラッキングタグに含まれるクッキーはファーストパーティクッキーとなり、ユーザーがWebサイトにアクセスした情報を引き続き取得することができます。
ただし、設定をメール配信サービスに適用するためには、メール配信サービス側での対応も必要になるので、メール配信サービスが「独自ドメイン」の対応が可能かはサービス提供企業に確認してください。
4.「独自ドメイン」を適用するメリット
取得した「独自ドメイン」をメール配信サービスなどの外部サービスに適用することで、自身のドメイン名を持ったファーストパーティクッキーを発行することができるようになります。ファーストパーティクッキーには、以下のようなメリットがあります。
データの正確性: ファーストパーティクッキーが利用できることにより、ブラウザがクッキーをブロックする可能性が低くなり、データの収集がより正確になります。これにより、ユーザーの行動を正確に追跡し、マーケティング戦略の最適化に役立てることができます。
マーケティングの効果向上: ファーストパーティクッキーを利用することで、ユーザーの行動データをもとにパーソナライズされたコンテンツを提供し、広告の効果を高めることができます。これにより、ユーザー体験が向上し、コンバージョン率の改善が期待できます。
また、ファーストパーティクッキーは、ユーザーのプライバシーをより重視した形でデータを収集します。サードパーティクッキーのように、他のWebサイトを跨いでユーザーを追跡することはありませんので、ユーザーのプライバシー保護にも貢献します。
5.まとめ
サードパーティクッキーの廃止・制限の議論が解決していない状況の中ではありますが、ファーストパーティクッキーの重要性はますます高まってきています。「独自ドメイン」を取得し、活用することで、自社サイトだけではなく、外部サービスでもファーストパーティクッキーを利用したデータ管理・利用が可能となり、ユーザーのプライバシーを保護しながら、自社のマーケティング施策を効果的に展開できるようになるので、独自ドメインの導入を検討することを強くおすすめします。
以上、今回はサードパーティクッキー廃止に関連して「独自ドメイン」の解説でした。
今後も気になるワードや仕組みをピックアップして解説していきますので、ぜひご覧ください。
お読みいただき、ありがとうございました!
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