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Digital DJとAnalog DJ

 この話題はいまだに一部では論争になっているのでしょうか?僕の身近でもDigitalでDJする人が多くなりましたね。Analog DJの中には Digital DJを強く批判する人もいます。僕はAnalogのみでDJしていますがDigitalを否定はしません。フロアに音を届けるという点においてはどちらも目的が同じわけです。では僕は何故にAnalogに拘っているのでしょうか。それについての考えを書き綴っていきます。

 Digital派の人の中でAnalog派をただの自慢大会になっていると揶揄する方がいます。アナログレコード愛好家にはそういった面白くない輩が一定数いるのは頷けます。でもDJにはそういう人はあまりいない気もします。

 僕は1960年代の音楽を中心にかけるDJです。50年代も当然かけますし、70年代、最近では80年代中頃ぐらいまでの音楽をかけています。オールディーズ系のDJです。何故、レコードでやるということに拘っているかというと、当時どのような媒体で販売、配信されていたかということだと思います。要はその時代のフォーマットということになります。当たり前ですが1982年にCDが販売開始されてからは長らくCDが販売の中心でした。当然、90年代は新譜でレコードが発売されていないものがたくさんあります。あってもまだCDが普及してない国の盤だったりします。僕は1990年代に10代20代を過ごしました。その当時はDJといえばAnalog DJが完全に主流でした。2000年に近づくとCDJというものでDJする人たちがたくさん出てきたなという印象です。だから1990年代に新譜でCDだけではなくレコードでもリリースしたアーチストはDJ向けに作っていた可能性もあるかも思います。だから90年代は新譜はレコードのプレス数が極端に少ないですね。当然、僕も90年代に出た新譜はほとんどがCDで買ったものになります。

 僕の場合は完全に自分が生まれていなかった時代、経験することのなかった時代への憧れが強いのだと思います。そしてバンドをやる上でもDJする上でもその当時の空気感に近づけたいということがあります。そのために当時に流通されていたフォーマットにこだわっているのだと思います。当時の盤は僕がふれていない当時の空気にふれてきている。そんな想いからです。だから僕は90年代以降の音楽をかけるDJはCDJ使って当たり前だと思いますし、販売がデジタルダウンロードでデータで買った音源に関してはPCやUSBメモリーに入ったデータでやるのがベストだと思います。機材の機能性、利便性はAnalogはDigitalにいろいろな意味で敵わないと思います。僕もDigital用のコントローラー持ってはいますが、可能性は感じて買ってはみたものの現場でそれを使うことはありません。Analogでやるのは経験できなかった時代の空気を少しでも纏いたいということなのです。

 完全に自己満足の世界なんです。でも日本人ってそういう一見くだらない様式美みたいなものを追求してしまう人が一定数いるのではないでしょうか。僕もそんな人間の一人です。

 2023年現在は様々なフォーマットでDJをやる人がいます。ただCDを使う優位性はなくなってきている気がします。買った当時は永遠に劣化しないものだと思っていたCDがそうではなかったという事実が出てきたからです。物理的にダメになったCDはデータとして取り出すこともできません。僕のところにも調べたら何枚かはそういったものがありました。そして先日、発表されたThe Beatlesの「Now and Then」は当初、デジタルダウンロード、アナログ7インチシングル、12インチシングル、カセットテープでした。後からCDシングルも追加されたようですが、第1報を聞いた時にはいよいよCDの時代は終わったと思わざるを得ませんでした。


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