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母さん、私を産んでくれて、ありがとう。
昨日夕方入院して、今朝になって体力が一気に落ちて、ほとんど話ができなくなった母。
母が欠かさなかった、お彼岸のお墓参りを、母がいないまま済ませようとお寺にいる最中に母から電話があり、病室に持って来て欲しいものを伝えられた。
こんなに弱った母の声は、聴いたことがなかった。
一旦電話を切ったものの、いつまで生きられるかわからない母に伝えておかなければどうしても後悔しそうで、体力が全然残っていない母にあらためて電話して、
「産んでくれてありがとう。」
って伝えた。
そしたら、枯れて弱々しい声をだったけど、
「生まれてくれてありがとう。」
って言ってくれた。
母は頑張ると言ったけど、頑張らなくていいよと伝えた。
「そうやな。先生にも、自然のままでいいですと伝えてある。」と言ってた。
その後、息子、娘、父とで喫茶で早めのお昼。
持ってきて欲しいリクエストのものを買い、父に任せて帰宅。
昼寝。花いじり。スマホ。
息子・娘と3人、一つ屋根の下、同じ空間でそれぞれの時間を過ごす。
父は家で一人、車を運転しながら一人、どんな思いでいるのだろう。
母は病室で一人、どんな思いでいるのだろう。
父と母の出会いは、父の一目惚れだと聞いている。
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