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[IMPACT SHIFT2024]どこよりも早い現地レポート⑥(ゼブラ企業「スタートアップ」の二項対立を乗り越える」)

Syncableを運営する株式会社STYZ(スタイズ)は2024年3月3日(日)に開催されるIMPACT SHIFT2024にスポンサー協賛しています。
当日参加するメンバーが気になったお話や登壇テーマを現地レポートします。
本記事は、本イベントStageAの3つ目のトークセッション「「スタートアップ」の二項対立を乗り越える-ゼブラ流、パーパスドリブンなファイナンス戦略-」のレポートです。

IMPACT SHIFT(インパクトシフト)は、社会課題に向き合う全ての人に向けた、業界最大規模のカンファレンスです。全国からインパクト志向の起業家など合計300名が集まり、有識者によるトークセッション、起業家のプロダクト展示などを通して、社会課題と向き合う起業家のこれからを考えます。

私たち「STYZ」では協賛に加えて、ブースを出展いたします。本イベント参加者の皆様と直接交流することで、コミュニティの活性化に寄与したいと考えております。


登壇者のご紹介

渡辺 麗斗 氏:株式会社ドーガン・ベータ 取締役パートナー
中村 多伽 氏:株式会社taliki代表取締役 / talikiファンド代表パートナー
宮崎 真理子 氏:認定NPO法人LivEQuality HUB 副代表理事
田淵 良敬 氏:株式会社Zebras and Company 共同創業者 / 代表取締役 | Tokyo Zebras Unite 共同創設者 | 米国Zebras Unite理事

https://uneri-inc.notion.site/d12f6e37e56d43d385eca3f5271627fc

セッション概要

「社会課題解決」を考えた際に、必ずしも全て事業に急成長するスタートアップのモデルが適しているわけではない。課題に適した事業の形があり、事業に適した資金の色がある。今回のセッションでは、全国各地でユニークな資金調達の実践を行ってきた4名を迎えて、ゼブラ企業にまつわる議論を抑えつつ、ゼブラ企業としてのファイナンス事例を深掘りしていく。また、それぞれの目線を元に、どうゼブラムーブメントを社会に実装していくかについても議論を行う。

登壇者メッセージ

スタートアップの多様性や挑戦を支援できる環境を整える(田淵さん)

田淵さん

ゼブラ企業をはじめたきっかけは、多様性のため。事業の成長のあり方は他種多様である。また、そこに紐づくお金の色も事業の数だけあるもの。どのような事業に、どのような資金があるのかをファイナンスの目線で考えていくことで、個人が挑戦できる機会がもっと増えていってほしい。

インパクトボンドを活用して、日本中でシングマザーの負のスパイラルを解消する(宮崎さん)

宮崎さん

インパクトボンドを活用し、総額3.2億円の資金調達を行なった。住まいとつながりのインフラをセットで届けることに本気で日本中でシングルマザーの問題を解決したい。
ソーシャルリターンとしては「シングルマザーが住まいを得られて、自立できたかどうか」を定義している。そういった意味ではファイナンシャルリターンのほうは非常に低いが、ソーシャルリターンの方に価値を感じてくださる方がインパクト投資家として入ってくださっている。どうすれば関わる人たちがみんな納得してくれる形を取れるのかは模索中。

VCとして10年後、どんな景色をみたいのか(渡辺さん)

渡辺さん

いま市場経済が非常に大きい力をもっている。お金はとても使い勝手のいいもの。そこにソーシャルの文脈をどのように絡めていくのか。
VCとして色々考えるが、地方だとそもそもお金の色にそこまで差がないし、実績も出ていない。逆にお金の色がつきすぎることによる使い勝手の悪さもある。なぜ地方にはスタートアップはいないのか?そこを社会課題と絡めながらどんどん生み出していきたい。ファンド期限は10年、そこに向けてどんな景色をみたいのかが大事。

ファイナンスでみるリターンの考え方

渡辺さん:VCはリターンが何十倍にもなるような投資を目指すが、私たちははうまくいくかもしれないし、リスクもあるかもしれないという企業に投資をする。ある意味大きなチャレンジをしている。

田淵さん:そもそもリターンの概念そのものが変わっていいと思っている。昔は、現在価値がどのくらいか考えているのが今のリターンの考え方だった。今は全然ちがう。自分以外へのリターン、未来に残せるかどうか。10年はファンドの期間であって、ビジネスはそこに合わせる必要はない

宮崎さん:インパクト投資家に入ってもらって印象的だったこと。何十年後かに「シングルマザーの環境が変わった」と言いたいとお話されていた。人生の目標ができたとまで仰っていた。これこそ大きなリターンである。

投資先にどのような準備をしてほしいか

渡辺さん:まずは心構え。解決したい社会課題、取り組む事業の理想と現実を捉え、お金をいれることによりそれを埋める動きが加速するのかどうか、ここに対する問いを立て続けていってほしい。

田淵さん:10年後の世界を解像度高く考えること。インパクトを誰に、どのくらい与えていきたいのかを具体的に考えていくと、必要な時間や巻き込むべき人が見えてくる。本当に自分が目指すところはどこなのか、自分なりの正解を常に見続ける。

愛する起業家のみなさんに向けて

渡辺さん:企業ってするまではすごく怖いと思うが、いま相当失敗が許される世の中になっていると思う。企業でしか得られないことを得てほしいし、それを応援している。

宮崎さん:事業つくりは仲間づくり。コアを手放さずにいることが大事。そうすると仲間が集まってきて、助けてくれる。世の中に新しい動きをつけていくこともみなさんの仕事。一緒に頑張りましょう。

田淵さん:多様性がもっともっと許容されてくるようになると思っている。既にある枠組みに自分を当てはめすぎる必要はない。資金調達もそのひとつ。自分の事業のカラーにあったお金の色を見極める。私たちもそこを応援している。