【ウェビナーレポート】寄付集めの第一歩を踏み出す!ステークホルダーマップを作ろう!!
こんにちは!カスタマーサクセス部の武藤です。
Syncableでは毎月、寄付集めのヒントとなるオンラインセミナー(ウェビナー)を開催しています。
実際に寄付集めに成功された団体さまと、伴走支援を担当したSyncableファンドレイザーとの対談や、
Syncableの有する膨大な成功事例に基づいて、寄付集めにおいて何をすれば良いかなどを紹介する機会を提供させていただいております。
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本記事は、2022年9月28日に開催された『寄付集めの第一歩を踏み出すワークショップ ステークホルダーマップを作ろう!』のウェビナーレポートです。
参加できなかった方も、ぜひこの記事を読んで寄付集めを成功させてください!
寄付集めには準備が大切!
クラウドファンディングをはじめ、マンスリーファンディングやサポートファンディングなど、Syncableには様々なファンドレイジングの方法があります。
全てのファンドレイジングにおいて、一番重要なことは準備です。
準備をしっかりすることで、初めてファンドレイジングを行う団体さまでも、立ち上がって間もない団体さまでも、目標を達成に近づくことができます!
目標を達成できなかった団体さまで、「もっと早く準備をしておけばよかった…」と嘆く声を聞くことも少なくありません。
準備期間の目安として、1ヵ月半~2カ月をみるのが理想的です。
準備期間にすべきことは下記画像にある4つのことです。
今回は、この準備の中で最も最初に行うべき、団体の関係者(ステークホルダー)の棚卸しが行えるようにするための記事になっております。
「ステークホルダーマップ」というものを用いて、団体様の今の関係者を棚卸ししていきます。
ステークホルダーマップとは?
ステークホルダーとは、団体と関係のある方を指します。
関係性の濃さ、薄さ、金銭的な関りがあるのか、それとも非金銭的な関りなのかといった関係値によってピラミッド型にステークホルダーを書くことが出来ます。
このピラミッド型の図を、ステークホルダーマップと言います。
上に行けば行くほど関係値が濃く、内部の人が多くなっていきます。
ピラミッド下の方には、イベントに1回参加したことがある人や、会ったことはないけれどSNSでフォローされている方などを記載します。
また、金銭的な関係値がある方は左、非金銭的な関わりの方は右に記載します。
ステークホルダーマップを作成するメリット
メリット①:効果的な施策考案がしやすくなる
現段階でどの程度の関係値の人が何人いる、と把握することで、それぞれのステークホルダーがさらに上の段(関係値を深める)にはどうすれば良いかだったり、団体のステークホルダーの弱い部分(数の少ない関係値)を強くするためにどうすれば良いのか、といった施策を考えやすくなります。また、ターゲットをきちんと可視化することで、団体に本当に必要な施策を考え出すことが出来ます。
メリット②:適切な目標設定を行うことができる
現状のステークホルダー数から、寄付額のシミュレーションを行うことで、達成可能な金額目標を決めることが出来ます。また、団体が今いる現在地を把握することで、継続寄付者を集めるポテンシャルがあるのか、それとも今は単発寄付者を増やしてさらなる段階に進む準備をするのかといった、どのような寄付キャンペーンが適しているのかということを知ることもできます。
ステークホルダーマップの活用方法
活用方法①:寄付額シミュレーション
ステークホルダーマップを作ることで、今後クラウドファンディング等の寄付キャンペーンを立ち上げた際、どの程度金額の寄付を見込めるかを考えることができます。これによって、クラウドファンディングの目標金額や、キャンペーンタイプを決めるにあたっての参考にすることができます。
活用方法②:寄付依頼名簿の作成
実際にファンドレイジングを行う際に、誰に寄付を頼むか、という依頼名簿を作成することが出来るようになります。
その人がピラミッドのどの位置にいるかを見ることで、単発と継続寄付、どちらを頼むのかや、金銭的な寄付ではなく、SNS等の広報を拡散してもらうお願いをするのかといったことを考えると、より効果的にファンドレイジングを行うことが出来ます。
活用方法③:イベントの集客や採用活動
ファンドレイジングの目的だけではなく、イベントを開催する際の集客や、団体スタッフとしての採用活動にも使用することができます。
マップの特徴別 寄付集めのオススメ施策
ステークホルダーマップの特徴別に、寄付集め施策の例をご紹介いたします!
まずは10分くらいで簡単にマップを作ってみてからこちらのセクションを読んでいただくと、よりイメージしやすいかと思います。
相談会を通して分類した5つのモデルを紹介します。もちろんこちらは一例ですので、特徴が重複する場合や、団体様が解決したい課題の優先度によって施策の内容は変わってきます。
特徴①:運営メンバーが少ないマップ
運営メンバーが少ないといった、三角形の上の方が薄い場合、
このままだと少数の寄付者さんとの関係がさらに希薄化してしまったり、日々の業務に精一杯でファンドレイジング施策に着手できないといった問題が出てきます。
こんな時は、いきなり自力でクラウドファンディングなどを実施して無理をするのではなく、計画的にまずは、求人サイトでボランティアを募集するところから始めてみるのが取り組みやすいです。
Syncableの伴走支援を付けながら小規模でキャンペーンを打ち出していくのもありですし、無料の個別相談会をフル活用しながら、もっとライトにバースデードネーションや単発小規模のクラウドファンディングを実施してみるのもいいかもしれません。
特徴②:継続寄付者が少ないマップ
2つ目のタイプの場合、正会員や賛助会員がいらっしゃらないため、団体の運営費は助成金に依存しているケースが多いです。
継続寄付者さんが寄付をするモチベーションというのは、「この団体に関わっていてよかった」「過去に単発寄付をしてよかった」と思える経験があったかどうかに関わってきます。そのため、ステークホルダーの方々とのコミュニケーションを密にとったり、イベントの開催を通して寄付者の方との相互の良い関係構築を行なっていく必要があります。
それができてきたら、あとはマンスリーファンディングで寄付するきっかけ、タイミングを設けることで継続寄付者さんを増やしていくという動線を考えていくのが良いです。
特徴③:単発寄付者が少ないマップ
3つ目のタイプは、上から3段目の層である単発寄付者さんが少ないので、4段目の方がステップアップしていただけるようにしていく必要があります。
そもそも寄付の動線が明確に伝わっていない可能性も考えられるので、動線を整理し、SNSや広報誌、メールマガジンなどで発信をしていくと良いかもしれません。
タイプ②と共通する部分でもありますが、まだ関係の浅いステークホルダーの方々とより密に関われる機会を作っていくと良いのではないでしょうか。
例えばイベントやセミナー、体験・見学会、やり方はいろいろあると思います。
また、別の角度から考えてみると、広報戦略の1つとして単発のクラウドファンディングを活用することもできます。
実施期間中に行う広報活動について戦略的に行い、寄付集めという文脈だけではなく、団体の認知向上のためにもクラウドファンディングを活用することも可能です。
特徴④:ステークホルダーが少ないマップ
続いては全体的にステークホルダーが少なく、このマップに空きが目立つ場合です。
全体的につながりを増やしていかなければいけない時でも、まずは現状の繋がりを大切にしていくことが重要です。
既存の寄付者さんにインタビューを実施してみましょう。インタビューのハードルが高い場合は、アンケートでも大丈夫です。
「なぜうちの団体に寄付してくれているのですか」ということを聞いてみると良いかもしれません。その寄付する理由が、団体様の長所や魅力で、寄付につながっていると言えます。
その長所をもっと伸ばしたり、既存寄付者さんの属性(保護者なのか、フェイスブックでのつながりなのか、同じ地域の類似団体なのか)によって、アプローチしていく層が異なってくるでしょう。この辺りの分析をすることが大切です。
そして、新たなステークホルダーを開拓していくために他団体とのコラボイベントを実施したり、プレスリリースやSNSの発信を強化したりします。また、バースデードネーションの実施も効果的かと思います。
ステークホルダー全体が少ない場合、広げ方がいろいろあって困ってしまうこともあると思うので、優先順位をつけて方針を固めて進めていくのが良いかと思います。
特徴⑤:ステークホルダーに変化がないマップ
最後のタイプは、ステークホルダーに変化がない場合です。
ステークホルダーはある程度いる状況ですが、昔から寄付してくださっている方や企業さんの高齢化が進んでいっており、これから新しい寄付者さんを増やしたいと思われている場合です。
この場合は広告を出して新たな層に活動を広げていったり、違う活動をしている団体さんとのコラボイベントを実施したり、支援者が支援者を呼ぶ、サポートファンディングやバースデードネーションなどの施策を実施するのも効果的です。
新たな寄付者さんを巻き込んでいくには既存のステークホルダーの方々のお力をお借りすることがとても有効なので、サポートファンディングなどは、そういった時に使いやすい手法の1つになります。
マップを活かしてより良いファンドレイジングを!
この記事を読んで、ステークホルダーマップの重要性、特徴に応じた施策などを理解いただけたら幸いです。
団体のステークホルダーマップが完成したら、年に一度見直すことと、メンテナンスしていただくことで、団体運営やファンドレイジングの方向性に迷うことが少なくなるかと思います。
また、現状だけではなく、過去のステークホルダーやこれからのステークホルダーを書き込んで、過去→現在→未来の見通しを持てるようにしておくのもとても良いですね。
ステークホルダーを応用することで、効果を最大限に発揮させることができます。