見出し画像

[IMPACT SHIFT2024]どこよりも早い現地レポート④(ソーシャル「資本主義は贈与経済と交わるのか」)

Syncableを運営する株式会社STYZ(スタイズ)は2024年3月3日(日)に開催されるIMPACT SHIFT2024にスポンサー協賛しています。
当日参加するメンバーが気になったお話や登壇テーマを現地レポートします。
本記事は、本イベントStageAの2つ目のトークセッション「資本主義は贈与経済と交わるのか-非営利セクターを取り巻くシステムの変容-」のレポートです。

IMPACT SHIFT(インパクトシフト)は、社会課題に向き合う全ての人に向けた、業界最大規模のカンファレンスです。全国からインパクト志向の起業家など合計300名が集まり、有識者によるトークセッション、起業家のプロダクト展示などを通して、社会課題と向き合う起業家のこれからを考えます。

私たち「STYZ」では協賛に加えて、ブースを出展いたします。本イベント参加者の皆様と直接交流することで、コミュニティの活性化に寄与したいと考えております。


登壇者のご紹介

エリクセン 恵 氏:AVPNシニアマネージャー
小柴 優子 氏:フィランソロピー・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
桂 大介 氏:一般社団法人新しい贈与論 代表理事 / 株式会社リブセンス 取締役
小沼 大地 氏:NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事

https://uneri-inc.notion.site/682b4029c41649079426c3fef0b730c9

インパクトシフトとは

小沼さん:問題の普遍性が高く、難易度が低いものはビジネスで解決しやすい。ただどこかで経済合理性の限界を迎える。
この曲線を変えているのが、「インパクト」や「ソーシャルイノベーション」と言われるのではないか?
ただ、必ず曲線の外側が存在する。これがNPOや贈与というもので解決出来る領域(下図の「公助/共助」)だと考えている。


経済合理性限界曲線について

小柴さん:フィランソロピーの観点でお話しする。財を持つビジネスで成功した人は営利・非営利で分けている。その人は非営利の世界は解像度が高いわけではなく自分が非営利の世界でどう貢献出来るかを考えている。

小柴さん

桂さん:交換と贈与を考えることが大事。経済合理性限界曲線を超えているかどうかの違いは、受益者がお金を払うか払わないか。図の右下でのイノベーションというのは物の単価を下げられるが、社会の問題自体は解決出来ない場合もある。
左上の公助/共助が社会の基盤となっており、その上に我々のビジネスが成り立っている。


経済合理性限界曲線の図
桂さん

小沼さん:「NPOなのに事業モデルが出来ていてすごいね」「ボランティアなのにすごいね」と言われる。ズレている部分もある。2005年から2010年ぐらいから「社会起業家」のブームができ、ビジネスが上という雰囲気がある。
実はそこだけではなく、公助/共助の領域やNPOが大事ということも伝えたい。

小沼さん

資本主義と贈与は交わるのか

小柴さん:海外は営利か非営利か聞かれない。日本は非営利(NPO)というと、企業の支援をするときに、株式会社だと数百万のものでも、同じ価値を提供して数万しかもらえないという差別がある。

小沼さん:非営利でもインパクトを生み出せる世界を作りたいと思いNPO法人を選んだ。最初は中小企業はOKだけどNPOはNGということもいくつかあった。

桂さん:非営利セクターは危機感を持った方が良い。この流れが来ると、どう寄付を効率的に使うかしかなくなっていく。そうすると大企業が効率良いに決まっている。
経済合理性の曲線の図があると先入観が出てしまう。むしろ経済合理性限界曲線を広げるのではなく縮めないといけない。でないと、日本の貧困などは解決できない。

小沼さん:数年前は社会課題ではなかったが、現在は社会課題となっていることもある。当事者の声を聞いて「これは社会課題である」と提示するのがNPOの役割の一つ。社会課題解決のR&D的な立ち位置であり、そこでの共感を集めることも大事。


最後にコメントがあればお願いいたします

小沼さん:NPOが今面白いのでこの世界に飛び込んで欲しい

桂さん:資本主義もGAFAなどが頭に浮かぶが、実際はほとんどは中小企業。非営利については語られてこなかったので、このような議論を増やしていきたい。

小柴さん:最後は価値観。自分は何を大事にしたいのか?を考えることが大事。

エリクセンさん:分断という言葉が多く出てきた。分断が広がっても良いことはない。分断を埋めるのは私たち自身。

エリクセンさん

この記事が参加している募集

イベントレポ