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#52. 良し悪しは真善美で考えると判断しやすい

理不尽な上司や同僚、貴方にはいますか?
特に彼らの偏った信念や価値観を押し付けてくるような方。
恐らく一人も浮かばないと言う人はあまりいないのではないかと思います。

ただ、「#15. 貴方が相手から受け取った反応が貴方のコミュニケーションの成果です」と言う姿勢を保ち続けて生きている人の場合、それを理不尽と捉えないようになっているでしょうし、辛くもなくなってきます。

自身の生き方、在り方を見つめながら、いただいた身体とタレントをこの社会のために最大限に活かして生きる。これが身につけば辛い事なんてなくなります。

とは言え、そうやすやすと、そのような境地に至れるわけでもありません。ですので、自動的に、つまり右脳的に高い視座で判断できるようになるまでの左脳的な判断方法を今日は考察してみます。私達は、今ここで起きている事の良し悪しをどうしても判断したい。
お坊さんなどは「判断するから迷う」と仰いますが、企業の中でビジネスを進めて行く上では、その境地にはなかなか達する事が出来ません。

そこで指標として役立つのが「真・善・美」の概念です。皆さんもよく耳にしていると思いますが、哲学において古くから重視されてきたもので、それぞれ次のように定義されます。

1. 真(Truth): 真理や知識を意味します。物事の本質や現実の正確な理解を追求することに関連しています。科学的・左脳的に正しさを探究する態度とイメージしてください。
2. 善(Goodness): 道徳や倫理、社会的な正しさを意味します。他者への配慮や公平性、社会正義の実現を目指す行動や価値観に関連しています。主に人と人の関係性を向上させる行いと考えてください。
3. 美(Beauty): 美しさや芸術的価値を意味します。感覚的な喜びや感動、調和のとれた状態を追求することに関連しています。貴方の内面の美しさを追求することと捉えてください。

これらの概念は、物事の価値を評価する際の基準として用いられます。ケン・ウィルバーもインテグラル理論に於ける四象限モデルを使って、人間の経験や現実の理解を包括的に捉えるための枠組みを示しました。この四象限は、それぞれ異なる視点から現象を理解し、統合するためのものであり、「真・善・美」とも密接に関連しています。
この辺については次号でお伝えしようと思います。

では、この指標を使って、一見、理不尽な上司からの偏った信念や価値観を押し付けられそうになった時の部下としての良き行動を判断してみましょう。
事例:「ゴルフは人生の縮図。お前もやって学べ」と言われました。
部下としてどのように対応するかを「真・善・美」の視点から考察してみましょう。

1. 真の視点からの考察
真理の追求に基づく視点では、この主張を事実として検討することが重要です。ゴルフが本当に人生の縮図であるかどうか、具体的な根拠やデータを探してください。そして、自分自身の価値観や経験に基づいて、この主張がどれほど有用であるかを評価しましょう。
ゴルフの経験がない場合、その有用性について実際にゴルフをプレイすることを通じて確かめることもできます。
また、今やるべき事の優先順位を改めて問い直す事も必要でしょう。

2. 善の視点からの考察
道徳や倫理の視点から、このアドバイスをどのように受け止めるかを考えます。
上司の意図を理解する。上司が部下の成長やチームの一体感を目的としているのであれば、その意図を尊重することも重要です。
自分自身の価値観や倫理観に照らし合わせて、このアドバイスを受け入れるかどうかを決める。どう考えても無理に押し付けられていると感じる場合は、上司とのコミュニケーションを通じて自分の意見を適切に伝えることも重要です。

3. 美の視点からの考察
美の視点から、この経験をどのように感じ、どのように活用するかを考えます。
ゴルフを通じて新たな美的体験や感動を見つけることができるかどうかを考えます。自然の中でのプレイやスポーツの醍醐味を感じることができれば、それも一つの価値です。
ゴルフを通じて得られる自己成長や内面的な充実感があるかどうかを検討します。もしそこに美的な喜びを見出せるならば、挑戦する価値があるかもしれません。

これらの視点を統合して、最終的にどのように行動するかを決定します。
上司の意図や期待を理解しつつ、自分自身の価値観や意見を尊重する。必要に応じて、上司と開かれた対話を行い、相互理解を深める。
実際にゴルフを試してみることで、その価値を自分自身で評価する。新しい経験を通じて得られるものがあるかもしれません。
他者の価値観を尊重しつつも、自分自身の価値観を持ち続ける。ゴルフが自分に合わないと感じた場合でも、その理由を明確にし、他の方法で成長や学びを追求することを提案する。

このように、「真・善・美」の視点を用いることで、偏った信念や価値観を押し付けられた場合でも、冷静かつ建設的に対応することが可能になります。

私はゴルフをやりませんし、誘われた事もないので、その良し悪しを判断した事がありませんが、これはゴルフに限った指標ではありません。
偉そうな口調で高圧的に指示されたから「理不尽」と捉えてしまっているかもしれない部下の皆さん、どうぞ、貴方の生を、貴方の機会を無駄にしないでください。そんなことを私は願っています。

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