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#37. 今の時代に英語の学習は必要?そしてどう勉強する?

「今の時代に英語は必要か?」という問い、もう何十年も議論が繰り広げられていますね。
嘗ては、「日本の優秀な階級だけが出来ればそれで良く、海外の優秀な作品は、彼らが日本に紹介すれば良いのであって、一般市民がハイレベルで出来る必要がないから日本の英語教育は質が低いのである」などという陰謀論まで飛び出しており、一般人には不要という考え方があったのかも知れません。
「餅は餅屋」という言葉はかなり日本では浸透していると思います。専門家に任せるという姿勢が日本では当然の習慣・姿勢になっているように感じます。
そもそも日本人の識字率は世界的に見ても高かったため、専門家が輸入してくれさえすれば、大きな問題にはならなかったのでしょう。

今では、DeepLやChat GPT4やGeminiなどがレベルの高い翻訳を行ってくれます。特にDeepLは、一時期のレベルをはるかに超えて、かなり正確に翻訳をしてくれるようになりました。
更に言うと、その英文翻訳したものを「これを更に英語ネイティブに心地よく伝わる文章にして」とGPT4に頼めば、本当に流暢な文章にしてくれます。

私の第一の結論としては、メールによるビジネス文書の読み解きと文章作成は、機械が私達よりも上手にやってくれますので、私達に必要な能力は、いかに上手な指示を機械に指示するかという事になります。
強いて言うなら、成果物が素敵な文章になっている事を判断できる能力があれば更に良いですが、それはある程度英語を学んだ人なら出来るのではないかと思います。
英語の学習には(当然、人に寄りますが)かなりの時間を要しますが、ここまでのレベルであれば、かなりの日本人には到達可能なレベルだと思います。以上より、「メールで事足りる職種ならば高校英語で十分」と申し上げておきます。

さて、次に会話力についてですが、①買い物や旅行 ②相手とのビジネス手続き ③複数人での会議 ④映画鑑賞や講演聴取 ⑤逐次通訳 ⑥同時通訳 と難易度がはるかに上がっていきますが、ここでは②ぐらいのレベルの話をします。
②に於いて問題が起きないレベルはTOEICで言うと930点ぐらいです。
では、この英語力、これからの人材に必要でしょうか?
私達が待ち望んでいる自動(逐次?同時?)翻訳機が発売されようとしている昨今に於いて、今から学びを始めるのは如何なものか?このレベルに達するまでに何年もの月日がかかる。そうしているうちに、発売されてしまうかもしれない。
悩ましいですね。
そんな方にお勧めなのは、春名久史著「40歳オーバーでニート状態だったぼくが初めてTOEIC L&Rテストを受けていきなり930点取って人生を劇的に変えた、効果絶大な英語勉強法」です。この方法なら半年で実現できます。
私も実際にこの本を参考にした事でTOEICで930点を取りましたし、この本を紹介した友人も(不思議なことに)全く同じ点数をとりました。
この本ではディクテーションによる方法に重きを置いていますから、短期集中でかなりの効果を上げる事ができます。
このレベルであれば②の業務をこなす事に於いて、さほどの問題は起きません。

さて、その更に上のレベルとなると、相当の忍耐・努力が必要となりそうです。③複数人での会議 ④映画鑑賞や講演聴取は、つまり一方向から飛んでくる情報をしっかり聞き逃さず理解できる能力です。①②の場合のように「聞き返す」ことも「あなただけの為に話してくれる」こともありません。この領域に私達は時間をかけて投資すべきなんでしょうか?
これについては、「人がやらないから、貴方に価値が出る」という価値観を信じられる人にとっては良いかもしれません。
外人さんも日本人も同じ人間です。そして言語が通じる安心感というものは、非常に大きなラポール(信頼の架け橋)を形成します。
日本語が流暢な外国人ほど、私達は仲間と感じやすいですよね。
仮に日本語ペラペラな外国人が「日本国籍が欲しい」と言ったらあげたいと思うのが人情でしょう。逆に何十年も日本にいてもカタコトの人にはあげたくないと感じるものだと思います。
これは言語のもつ理屈ではなく言語に乗った感情が人を動かすのだという事の証拠ではないでしょうか。
同じ言語を話す人に対する安心感は計り知れない。
その領域で世界で活躍したい人達にはまだまだ機械にはできない世界が待っているでしょう。
恐らく英語学習不要論が増えてくるであろう、この時代に「人がやらないから、貴方に価値が出る」理由は、「トーン」を操る力が絶大である事に人々がまだそれほど気付いていないからです。希少価値というチャンスが眠っているのです。
私は諦めている領域ですが、若い皆さんには是非、英語業界の未来を信じて羽ばたいていただきたいと思っています。

企業人事の英語学習導入の参考になれば幸いです。

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