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香りの世界を選んだいきさつ

小さい頃から香りに敏感でした。

親戚から荷物が届くと「〇〇おばちゃんちの匂いがする」と差出人を嗅ぎ当てて
母親を驚かせていました。

小学校高学年の頃、香りが売りのシャンプー・リンス「ティモテ」が発売され
寝返りを打ったときにフワッと香りがたつとウットリし
いい香りがすると気持ちいいのは何故なのだろう、と不思議に思っていました。

香り付きの蛍光ペンが発売されるとお小遣いを貯めて全色セットを買い求め、特に金木犀の香りがするオレンジ色を大切に使っていました。

大人になって就いた仕事が新聞会社子会社のカルチャーセンターで、新しい情報に比較的早く触れられる環境の中、ハーブ講座がスタートしてアロマセラピーの世界と関わりを持ち始めることができました。

街中で小さな瓶に入った良い香りを見かけるようになって、惹かれながらもどう使ったら良いのかわからず
店員さんに尋ねるも「わたしもよく解らないんです」と返答され
憧れは募るばかり。

ハーブ講座の先生も基本はフレッシュハーブがメインの講座内容で、あの小瓶に入っている精油の世界をもっと知りたいと思っていた頃に
ロバート・ティスランド著「芳香療法の理論と実際」を読み
なんて面白い世界なの!?
と一気に引き込まれました。

・精油はブレンドするとそれぞれの欠点をカバーしながら長所を伸ばしあう
・たとえば血圧を下げる働きをする精油だとしても、使う人の状態に合わせて
 もうこれ以上は下げないほうがよいとき、その働きは止まる

など、自然の叡智に触れてページをめくりながら大興奮でした。

アロマセラピーを学べるところがまだ東京にしかなく、当時住んでいた三重県から通い
結婚と同時に静岡に住み始めたタイミングで旦那さんに「本格的に学びたい」とお願いして1年かけて英国ITEC(International Therapy Examination Council)認定アロマセラピストの資格を取りました。

その直後に一人目を授かり、それから20年近く細く長くアロマセラピーと関わってきました。2度の妊娠、出産、子育て、両親の看取り・・・人生の節目にはいつも精油の香りがあって支え、励ましてもらってきました。

子供たちが巣立つころ、ちょうど「大地の再生」工事を経て勢いよく繁る庭のハーブたちを活用したいと蒸留器を購入しました。

それまで購入するもの、と思っていた精油が自分で抽出できることが嬉しくもあり楽しくもあり、すっかりはまりました。
近くに湧き水を汲める場所があったり、植生が豊かな静岡県にはあちらこちらで材料となる植物(無農薬)がいただけたり。

そしてコロナ禍で物流が滞り始めたとき、自分の手で生み出せる安心も感じました。

蒸留の先生に指導を仰ぎ、コツを教えていただいたり
様々な情報を得て「植物そのものの香りが一番だけれど、少しでもそのままの香りを必要な方に届けられないかな」と切磋琢磨しています。

また、元々「捨てられる物が活用される」ことに無上の喜びを感じるタチで
ジャム屋さんとタッグを組んで柑橘を丸ごと活用するプロジェクトなどアイデアと繋がりで新しいことにも取り組んでいます。

モットーは「自然の恵みの香りで 生活の質を高める」

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