マガジンのカバー画像

美学・芸術学とか

21
運営しているクリエイター

記事一覧

美学をしない人のための簡単な美学リーディングリスト:音楽とその他について

概要この記事は美学を専門的にやらない人間のための文献リストです。専門的に研究をしている方…

村上麗奈
3年前
117

西條玲奈 『芸術作品の存在論における曖昧なタイプ説の批判的検討』

ここ最近は毎日2〜3本、分析美学(特に音楽美学)の論文を読んでいます。この自粛期間を最大…

SYM.
4年前
5

伊藤 るみ子『演奏に関する一考察 キーヴィの音楽美学に於ける演奏論を中心として』…

読んだのでまとめ。 ざっくりしたまとめ キヴィの音楽作品の存在論(特に演奏)の概説と、そ…

SYM.
4年前
7

田邉健太郎『「指し示されたタイプ」的存在者としての音楽作品ージェラルド・レヴィン…

読んだのでまとめる。 ざっくりした内容 ジェラルド・レヴィンソンが提唱する、音楽作品は「…

SYM.
4年前
5

倉田剛 日常世界を哲学するー存在論からのアプローチ 第3章 集団に「心」はあるの…

まだ読んでいる途中だけど、自分の関心のポイントになりそうなところがあったのでまとめておく…

SYM.
4年前
2

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』読書ノート⑧

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』 第8章 聴こえる情動、感じる情…

SYM.
4年前
11

論文まとめ 吉野巌・山田健一ほか「音楽鑑賞における演奏者の映像の効果 :― 音楽心理学研究に基づく仮説の実践授業での検討―」

読んだのでメモ。 簡単に内容を説明しておくと、演奏者の映像が楽曲の認知に及ぼす影響と、鑑賞授業での有効性について調べたもの。 先行研究との違いこの手の先行研究は以下。 ・映像付き音楽は興味を高めたり、注意を持続させるという動機付け効果を持つ(Geringer,Cassidy,&Byo,1996) ・マガーク効果(McGurk & MacDonald,1976) ・文章+図で理解度が向上する(岩槻,1998) ・視覚優位効果は、一般的に成人より子供で効果が顕著(St

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』読書ノート⑦

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』 前回。 第7章 環境音から音楽…

SYM.
4年前
6

作品聴取ではなく、演奏聴取の視点を持つことー音楽鑑賞と楽器性instrumentalityの関…

ナナイの「音楽の二重性(二面性)」という論文を読んだ。 まとめはこれ。 個人的にインスピ…

SYM.
4年前
4

Bence Nanay 『Musical Twofoldness』のまとめ

昨日、この論文を読んでいた。 音楽鑑賞における、音楽作品それ自体の鑑賞と、演奏の鑑賞とい…

SYM.
4年前
5

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と知覚の哲学-』読書ノート⑥

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と知覚の哲学-』 前回。 第6章 音を見る、音…

SYM.
4年前
3

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』読書ノート⑤

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』 これまでのまとめはこちら。 第…

SYM.
4年前
6

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』読書ノート④

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』 これまでのまとめはこちら。 第…

SYM.
4年前
4

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』読書ノート③

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか-音楽美学と心の哲学-』 これまでのまとめはこちら。 第3章 「美しい音楽」の客観性本章では、客観主義をめぐる現代の論争を概説していく。 正しい美的経験の条件 エディ・ゼマッハ(美的性質の実在論) 主観主義への批判:「仮に主観主義のいうように美的判断がすべて主観的な感想であり、正しくも誤ってもいないものであるなら、われわれは美的用語の使用法を他者から学ぶことができないはずだ」 もし、「ダイナミ