「塔」2020年1月号(月詠)
日除けより外へこぼれてゆく時の身体に泥の傾きはあり
かひがら、と聞いてあなたは巻き貝のひびきを奥へしづめゆく耳
少しだけ大崎行きは空いてゐてそれきり夏も終はつてしまふ
クーピーはすぐに砕けてしまふから花火まみれになる自由帳
午後からは雨と聞きつけ店頭にビニール傘の集ふひととき
繁忙期 まんまと二駅寝過ごして知らない駅に少し親しむ
酔つ払ふために買ひ込むチューハイのロング缶、これもこの世の苦行
(p.133)
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日除けより外へこぼれてゆく時の身体に泥の傾きはあり
かひがら、と聞いてあなたは巻き貝のひびきを奥へしづめゆく耳
少しだけ大崎行きは空いてゐてそれきり夏も終はつてしまふ
クーピーはすぐに砕けてしまふから花火まみれになる自由帳
午後からは雨と聞きつけ店頭にビニール傘の集ふひととき
繁忙期 まんまと二駅寝過ごして知らない駅に少し親しむ
酔つ払ふために買ひ込むチューハイのロング缶、これもこの世の苦行
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