ウルトラマラソン参戦記2003

GWの恒例ともいうべき、橘湾岸スーパーマラニックに出場した。今回で4回目。初参戦は55km。2018年だったかな?2019年には80kmに出場し、11時間39分でゴール。昨年2022年、同じく80kmに出場したが、唐比で無念のタイムオーバー。そして、今年リベンジを期して。

この1年は主にトレランに出場してきた。2022年3月の五ケ山背振クロストレイル。あまり練習していなかったし、直前にぎっくり腰になったが、何と想定外の完走。これで味をしめた。(5月はこれ)、7月には南阿蘇カルデラトレイル(20/30kmで5時間タイムオーバー)、8月は西原村モーニングトレイル。(9月の九州脊梁は中止)、10月は黒川温泉トレイルと、御船ジュラシックトレイル。12月は南阿蘇カルデラ。1月は小岱山トレイル。(2月は佐賀30k)。結構走ってきたので、今回の橘湾は去年よりは楽に走れるだろうと考えていた(ウルトラマラソンに「楽」というにはないな)。

5月4日。午前3時起床。朝食。この朝食がよくなかったか?卵かけご飯に、豆腐をかけてまぜまぜして食べたが。出発前に腹痛。しかも雨予報で。出発直前まで、出場するかどうか悩んだ。雨が降る中走りたくはないと、一度はもう出ないと決めた(つもりだった)。ところが、家を出発する予定の時刻を10分すぎたころ、何を思ったのか、ふとソファから立ち上がり、取りつかれたかのように、出発の準備をはじめ、ほぼ無意識のうちに会場へ向かった。

スタート15分前に受付をすませ、トイレへ。やや腹が緩い。この時はあまり出なかったが、「下し」気味だった。いよいよスタート。まもなく、腹に違和感が。「あっまずいな。。。」2kmくらい走って、トイレがあったら立ち寄ることに決めた。長崎駅前を通過。駅にトイレはあったが、まだ辛抱できる程度だし、トイレまで往復の距離が遠く感じられて、そのまま通過。この先にコンビニがあったな。しばらく走ると、コンビニが。ここで用を足さないと、しばらくはトイレはない。しかしコンビニに入ったが、町のコンビニにはよくあるように、客用のトイレがなく、(もちろん従業員用はあるのだろうが)ここではできなかった。ちっとやばい感じ。次のトイレは10km付近。女神大橋を渡ったところだ。さてそこまではまだ
6~7kmある。腹が持つのか・・・

民家を通り過ぎるたびに、ここで借りようか、とか貸してくれるかな、まだ朝6時にもなっていないし、とか、腸よもうしばらく耐えてくれ、とか、いろんな「思い」があたまをよぎる。いつ「出して」も大丈夫な臨戦態勢。ただ、辛抱もできる程度だ。どうしようもないというほどではない。野○のためにティッシュペーパーは持っておくべきだ、とか、他のランナーさんはお持ちではないかな、とか、とにかくいろいろ考えているうちに、女神大橋へさしかかる。あと1.5kmほどでトイレが。橋からの港の風景を眺めて気をそらしながら、かといって写真を撮る余裕はもちろんなく、橋を渡り切った。「助かった・・・」

その後はしばらく快調(快腸)だった。こんなに気持ちよく走れるなんて、いいねって感じだった。

鍋冠山でひとときの休息。その後、茂木への下りはまずまず。茂木のエイドでおかゆをいただく。(腹にはありがたい)田舎の海沿いの風景を楽しみながら網場のほうへすすむ。途中コースを逆戻りしてくる人が、「コース合ってますか?」と聞かれ、「はい、こちらで合ってますよ」という会話。80kmも3回目なので、コースは見覚えがあった。(結局は別ルートもあったようだが)。9時半過ぎに、37km付近の日見公園エイドに到着。予定より早いかな?トマトゼリーといなり寿司をいただく(豚汁もあったようだが、知らなかった・・・)。

その後くらいから、今度は胃の不調か?ちょっと走ると、違和感がある。トイレに行くようなものではなく、胃に食物が残っている感じ。消化不良か?そしてこの後、ゴールするまで胃の違和感に悩まさせることになる。体調管理って難しいですね。走り始めてみないと調子なんかわからない。いい勉強になったな。胃薬も持参すべきだな。

おかげでこの後思っていたほどペースが上がらず、歩いては走り、ちょっと走っては胃が重くなり歩く、この繰り返しだった。47km付近の飯盛とんの山エイドでは、ぼたもちをいただいた。胃に負担がかかるとは言え、食べないとエネルギー切れになってしまう。もちろん食べた後はしばらく歩いて様子を見る。ちょっと走り出してもすぐに胃が重くなる。50kmを超えるともはやほぼ走れなくなり、また去年と同じ制限に引っかかるか、と半分あきらめかけた。飯盛のエイドで杏仁豆腐を食べているときに、唐比関門の時刻を見たら14時30分だった。13時半か14時と思っていたので、おっと!ちょっと元気が出た(ような気がした)。しかし、その後も胃の不調は続き、関門時刻に間に合っても、もうやめようとまで思った。エイド手前2kmくらい、後続ランナーにどんどん追い抜かれる。いや、もう無理だから関門まで歩こう、と弱気の自分もいれば、少しでも走ろうという無意識に意地になっている自分もいるように思えた。

唐比のエイドに到着したのはたしか、14時10分すぎ。リタイアを伝えようと一瞬頭をよぎったが、まずはおこわ握りをいただく。食べているときに周囲を見渡すと、誰もリタイヤする人がいないようだ。しかも「ここまできたらあとは大丈夫」という声まで聞こえた。食べ終わると、体は無意識に進行方向へ動き始める。一歩、二歩・・・「よし、行くか」自分に言い聞かせて、6km先の千々石エイドまでとりあえず行くことにした。この6kmという距離が気持ちを楽にしたのかもしれない。だめならそこでリタイヤしてもいい。去年の自分は超えたい。

千々石までは海岸沿いの退屈な道を進む。前を走っている人が1,2人いたが、ここまでくるとペースがほぼ変わらない。ある意味いいペースメーカーになってもらった。1時間くらい走っただろうか。最終エイドの千々石に到着。この後はゴールの小浜まで山道を進むことになる。時間を見ると、1km10分で進まないと、制限時間(12時間)に間に合わない計算となる。でも、相変わらず胃がよくない。4年前に11時間39分でゴールした時は、ここからのらすとスパートが効いたのだが、今回はそういうことはまったくできない。

もうひたすら一歩一歩進むのみ。制限時間内にゴールできなくても「完走」できればいい、と途中から目標を変えた。雨も強くなり、たぶん体も冷えてきて、胃も戻らないのだろうと思った。長い長い山道を徐々に下っていき、国道との交差点にたどりついた。

ゴールが近づいてくると、不思議なもので体が元気になっていく。この苦しい闘いもあと数十分で終わると考えると、気持ちも前向きになれるのだろう。ゴールまであと3kmの表示が。「まだ3km」もあるのか・・・しかし、見慣れた小浜の町に来ると距離がなんとなくわかり、ペースが上がる。胃の不調も不思議と消えていた(ようだ)。「あと2km」の表示。時計を見ると、「間に合うかも・・・」ペースは6分台に。こんなに力が残っているなんて、これだからランは面白い。千々石までの海岸道路でずっと200m
くらい前を走っていたランナーがだんだん近づいてきて、残り1kmくらいで抜き去る。まだまだ、走れる!!

いよいよゴール。制限時間は切れそうだ。ゴール付近ではすでにゴールしたランナーやスタッフの方が声援を送ってくださる。長かった12時間80kmが終わる。「ゴール、やったあ!!!」

タイムは11時間57分台。制限時間に間に合った。途中あきらめていた完走。制限時間内での完走。やり遂げた!


今回のマラニックはいろいろと勉強になることがあった。また、走り終えると、また走りたくなる衝動に駆られる。当然、自分への自信にもつながる。これだからランはやめられない。また来年走ろう!!ウルトラの練習も定期的にしよう!!今はそういう決意だ。

#橘湾岸スーパーマラニック
#ウルトラマラソン
#走るってすばらしい

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