見出し画像

「障害と識別」の法則【21】火雷噬嗑(からいぜいこう)/64卦

障害物、組合への障害、邪魔者が存在、軽度と重度の罰則、識別、噛む、噛み砕く、法律の制限、正義を管理、罪と罰の【21】火雷噬嗑(からいぜいこう)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ21番目の【21】火雷噬嗑(からいぜいこう)の原文(漢文)と書き下し文です。



【21】火雷噬嗑(からいぜいこう)



『卦辞』

「噬嗑、亨。利用獄。」
「噬嗑(ぜいごう)は、亨(とお)る。獄(ごく)を用(もち)うるに利(よ)ろし。」

(ぜいごうは、とおる。ごくをもちうるによろし。)



『彖伝』

「彖曰、頤中有物、曰噬嗑。噬嗑而亨。剛柔分、動而明。雷電合而章。柔得中而上行、雖不當位、利用獄也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、頤中(いちゅう)に物(もの)有(あ)るを、噬嗑(ぜいこう)と曰(い)う。噬嗑(ぜいこう)して亨(とお)るなり。剛柔(ごうじゅう)分(わ)かれ、動(うご)きて明(あき)らかに、雷電(らいでん)合(がっ)して章(あき)らかなり。柔(じゅう)、中(ちゅう)を得(え)て上行(じょうこう)す、位(くらい)に当(あた)らずと雖(いえど)も、獄(ごく)を用(もち)いるに利(よ)ろしきなり。」

(たんにいわく、いちゅうにものあるを、ぜいこうという。ぜいこうしてとおるなり。ごうじゅうわかれ、うごきてあきらかに、らいでんがっしてあきらかなり。じゅう、ちゅうをえてじょうこうす、くらいにあたらずといえども、ごくをもちいるによろしきなり。)



『象伝』

「象曰、雷電噬嗑。先王以明罰勑法。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、雷電(らいでん)あるは噬嗑(ぜいこう)なり。先王(せんおう)以(もっ)て罰(ばつ)を明(あき)らかにして法(ほう)を勑(ととの)う。」

(しょうにいわく、らいでんあるはぜいこうなり。せんおうもってばつをあきらかにしてほうをととのう。)



『爻辞』



上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━〇

「初九。屨校滅趾。无咎。」
「初九(しょきゅう)。校(こう)を屨(ふ)みて趾(あし)を滅(めっ)す。咎(とが)なし。」

(しょきゅう。こうをふみてあしをめっす。とがなし。)
「象曰、屨校滅趾、不行也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、校(こう)を屨(ふ)みて趾(あし)を滅(めっ)すとは、行(い)かしめざるなり。」

(しょうにいわく、こうをふみてあしをめっすとは、いかしめざるなり。)




上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━〇
初九━━━

「六二。噬膚滅鼻。无咎。」
「六二(りくじ)。膚(ふ)を噬(か)みて鼻(ばな)を滅(めっ)す。咎(とが)なし。」

(りくじ。ふをかみてはなをめっす。とがなし。)
「象曰、噬膚滅鼻、乘剛也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、膚(ふ)を噬(か)みて鼻(はな)を滅(めっ)すとは、剛(ごう)に乗(じょう)ずればなり。」

(しょうにいわく、ふをかみてはなをめっすとは、ごうにじょうずればなり。)



上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━〇
六二━ ━
初九━━━

「六三。噬腊肉、遇毒。小吝无咎。」
「六三(りくさん)。腊(せき)肉(にく)を噬(か)み、毒(どく)に遇(あ)う。小(すこ)しく吝(りん)なれども咎(とが)なし。」

(りくさん。せきにくをかみ、どくにあう。すこしくりんなれどもとがなし。)
「象曰、遇毒、位不當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、毒(どく)に遇(あ)うとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。」

(しょうにいわく、どくにあうとは、くらいあたらざればなり。)



上九━━━
六五━ ━
九四━━━〇
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「九四。噬乾胏、得金矢。利艱貞。吉。」
「九四(きゅうし)。乾胏(かんし)を噬(か)み、金矢(きんし)を得(う)。艱貞(かんてい)に利(よ)ろし。吉(きち)なり。」

(きゅうし。かんしをかみ、きんしをう。かんていによろし。きちなり。)
「象曰、利艱貞、吉、未光也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、艱貞(かんてい)に利(よ)ろし、吉(きち)なりとは、未(いま)だ光(おお)いならざるなり。」

(しょうにいわく、かんていによろし、きちなりとは、いまだおおいならざるなり。)



上九━━━
六五━ ━〇
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「六五。噬乾肉、得黄金。貞厲无咎。」
「六五(りくご)。乾肉(かんにく)を噬(か)み、黄金(おうごん)を得(う)。貞(てい)にして危(あやぶ)む咎(とが)なし。」

(りくご。かんにくをかみ、おうごんをう。ていにしてあやぶむとがなし。)
「象曰、貞厲无咎、得當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、貞(てい)にして危(あやぶ)む咎(とが)なしとは、当(とう)を得(え)ればなり。」

(しょうにいわく、ていにしてあやぶむとがなしとは、とうをえればなり。)



上九━━━〇
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━

「上九。何校滅耳。凶。」
「上九(じょうきゅう)。校(こう)を何(にな)いて耳(みみ)を滅(めっ)す。凶(きょう)なり。」

(じょうきゅう。こうをにないてみみをめっす。きょうなり。)
「象曰、何校滅耳、聰不明也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、校(こう)を何(にな)いて耳(みみ)を滅(めっ)すとは、聴(そう)、明(あき)らかならざればなり。」

(しょうにいわく、こうをにないてみみをめっすとは、そう、あきらかならざればなり。)