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「逃避撤退」の法則【33】天山遯(てんざんとん)/64卦

リトリート、闇の力が上昇、撤退、退却、逃避、戦略的後退、引退、遁走、退く、難を避ける、大切なものを守る、身を引く、逃げるが勝ちの【33】天山遯(てんざんとん)。


修正&更新(2021/05/02)


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


㉝天山遯(てんざんとん)の卦に帰納(共通点)できると思うNOTEをマガジンにまとめています。


現実の生活の体験や経験、マガジンにまとめてあるものを参考にしながら、原文(漢文)と書き下し文を何回もいったり来たりしながら読んでいくとだんだん分かるようになってくるかもしれません。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去の初めて易(易経)を学び始めた自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかの1つ33番目の【33】天山遯(てんざんとん)の原文(漢文)と書き下し文です。



【33】天山遯(てんざんとん)


上九━━━
九五━━━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

『卦辞』

「遯、亨。小利貞。」
「遯(とん)は、亨(とお)る。小(しょう)は貞(てい)なるに利(よ)ろし。」

(とんは、とおる。しょうはていなるによろし。)



『彖伝』

「彖曰、遯亨、遯而亨也。剛當位而應、與時行也。小利貞、浸而長也。遯之時義、大矣哉。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、遯(とん)は亨(とお)るとは、遯(のが)れて亨(とお)るなり。剛(ごう)、位(くらい)に当(あた)たりて応(おう)じ、時(とき)と与(とも)に行(おこ)なうなり。小(しょう)は貞(てい)なるに利(よ)ろしとは、浸(ようや)くにして長(ちょう)ずればなり。遯(とん)の時義(じぎ)、大(だい)なる哉(かな)。」

(たんにいわく、とんはとおるとは、のがれてとおるなり。ごう、くらいにあたたりておうじ、ときとともにおこなうなり。しょうはていなるによろしとは、ようやくにしてちょうずればなり。とんのじぎ、だいなるかな。)



『象伝』

「象曰、天下有山遯。君子以遠小人、不惡而嚴。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、天(てん)の下(した)に山(やま)有(あ)るは遯(とん)なり。君子(くんし)以(もっ)て小人(しょうじん)を遠(とお)ざけ、惡(にく)まずして厳(げん)にす。」

(しょうにいわく、てんのしたにやまあるはとんなり。くんしもってしょうじんをとおざけ、にくまずしてげんにす。)



『爻辞』


上九━━━
九五━━━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━○

「初六。遯尾。厲。勿用有攸往。」
「初六(しょりく)。遯尾(とんび)なり。厲(あやう)し。往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに用(もち)うる勿(なか)れ。」

(しょりく。とんびなり。あやうし。ゆくところあるにもちうるなかれ。)
「象曰、遯尾之厲、不往何災也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、遯尾(とんび)の厲(あやう)きは、往(ゆ)かざれば何(なん)の災(わざわ)いかあらん。」

(しょうにいわく、とんびのあやうきは、ゆかざればなんのわざわいかあらん。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━○
初六━ ━

「六二。執之用黄牛之革。莫之勝説。」
「六二(りくじ)。之(これ)を執(とら)うるに黄牛(こうぎゅう)の革(かわ)を用(もち)う。之(これ)を勝(あ)げて説(と)くもの莫(な)し。」

(りくじ。これをとらうるにこうぎゅうのかわをもちう。これをあげてとくものなし。)
「象曰、執用黄牛、固志也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、執(とら)うるに黄牛(こうぎゅう)を用(もち)うとは、志(こころざし)を固(かた)くするなり。」

(しょうにいわく、とらうるにこうぎゅうをもちうとは、こころざしをかたくするなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━
九三━━━○
六二━ ━
初六━ ━

「九三。繋遯。有疾厲。臣畜妾吉。」
「九三(きゅうさん)。遯(とん)に係(つな)がる。疾(やまい)有(あ)りて厲(あやう)し。臣妾(しんしょう)を畜(やしな)うには吉(きち)なり。」

(きゅうさん。とんにつながる。やまいありてあやうし。しんしょうをやしなうにはきちなり。)
「象曰、繋遯之厲、有疾憊也。畜臣妾吉、不可大事也。」
象(しょう)に曰(いわ)く、係遯(けいとん)の厲(あやう)きは、疾(やまい)有(あ)りて憊(つか)るるなり。臣妾(しんしょう)を畜(やしな)うには吉(きち)なりとは、大事(だいじ)には可(か)ならざるなり。」

(しょうにいわく、けいとんのあやうきは、やまいありてつかるるなり。しんしょうをやしなうにはきちなりとは、だいじにはかならざるなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━○
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「九四。好遯。君子吉。小人否。」
「九四(きゅうし)。好(よみ)すれども遯(のが)る。君子(くんし)は吉(きち)。小人(しょうじん)は否(しか)らず。」

(きゅうし。よみすれどものがる。くんしはきち。しょうじんはしからず。)
「象曰、君子好遯。小人否也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、君子(くんし)は好(よみ)すれども遯(のが)る。小人(しょうじん)は否(しか)らざるなり。」

(しょうにいわく、くんしはよみすれどものがる。しょうじんはしからざるなり。)



上九━━━
九五━━━○
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「九五。嘉遯。貞吉。」
「九五(きゅうご)。嘉(よ)く遯(のが)る。貞(ただ)しければ吉(きち)なり。」

(きゅうご。よくのがる。ただしければきちなり。)
「象曰、嘉遯、貞吉、以正志也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、嘉(よ)く遯(のが)る、貞(ただ)しければ吉(きち)なりとは、志(こころざし)を正(ただ)しくするをもってなり。」

(しょうにいわく、よくのがる、ただしければきちなりとは、こころざしをただしくするをもってなり。)



上九━━━○
九五━━━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「上九。肥遯。无不利。」
「上九(じょうきゅう)。肥(ゆた)かに遯(のが)る。利(よ)ろしからざるなし。」

(じょうきゅう。ゆたかにのがる。よろしからざるなし。)
「象曰、肥遯、无不利、无所疑也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、肥(ゆた)かに遯(のが)る、利(よ)ろしからざるなしとは、疑(うたが)う所(ところ)なければなり。」

(しょうにいわく、ゆたかにのがる、よろしからざるなしとは、うたがうところなければなり。)